平成25年6月12日【給食費の公会計について】
平成25年6月 第2回定例会(平成25年6月12日)
【給食費の公会計について】
◆(久保田英賢)4番目は、「給食費の公会計」についてお伺いします。
平成24年度より、給食費の取り扱いを、従来の学校ごとに集めていた私会計方式から公会計方式に変えた経緯と成果についてお伺いいたします。
◎教育部次長(植松正)4番目の「給食費の公会計」についてでございます。
公会計を導入した経緯でございますが、平成22年度までは、市内の各小学校、中学校が徴収する仕組みとなっており、会計区分も市の会計とは別管理で、学校給食センターが管理を行う、いわゆる私会計の運営となっておりました。平成23年度は、公会計への移行期間とし、給食費の一般会計化を実施し、学校を経由して市会計口座や給食費を納入する方式をとっておりました。平成24年度からは、児童や生徒、学校を介さず、保護者などの納入者から直接市に給食費を納入する、本格的な公会計化を図りました。
次に、導入後の成果でございますが、公会計化を図ることにより、予算、決算審査や監査を受けることで、透明性が確保されます。徴収方法や給食を食べない、食べられない場合の欠食手続も統一化され、公平性が確保されました。学校給食費の決定を市長が行い、納入義務者に納入通知書を送付し、徴収を行うことで、債権者と債務者の関係が明確になり、また、児童生徒が現金を持ち歩くことがなくなり、明朗化と安全性が確保されました。
続きまして、「給食費の公会計」を伺います。
24年度の収納率、未納額に関してお伺いします。
◎教育部次長(植松正) 平成24年度の学校給食費の状況でございます。平成25年5月31日現在の状況ですけれども、賦課件数といたしましては1万478件、賦課金額としましては3億3960万8670円に対しまして、未納件数でございますけれども、222件、未納額としまして522万6700円となってございます。収納率としましては98.46パーセントという状況でございます。
以上です。
◆(久保田英賢) 未納額の対策、または今後の考え方はどのようにお考えでしょうか。
◎教育部次長(植松正) 現在行っています未納の対策でございますけれども、口座振替の方で引き落としができなかった方につきましては、口座振替の不納の通知をその都度差し上げております。その後、督促状、また、催告状という形で送付をさせていただいております。その後もお支払いがないような方につきましては、電話、または家庭訪問をさせていただいて、個別に納付の交渉をさせていただいております。
以上でございます。
◆(久保田英賢) ぜひ公平性の観点でよろしくお願いします。
公会計になって、食材の選定とか、そういうものは何か変わったのでしょうか。
◎教育部次長(植松正) 給食の食材の選定につきましては、基本的には公会計の導入前後で変更は今のところございません。
◆(久保田英賢) 公会計になったというところでは、市内業者育成というものをお願いしたいと思います。青果で伺いますと、1品目、1カ月ごとに入札していて、非常に煩雑で大変だという話も聞きます。その辺をぜひまとめてもらって、しっかりと市内業者育成という観点で取り組んでいただきたいと思うのですが、どのようにお考えでしょうか。
◎教育部次長(植松正) 給食の食材の納入につきましては、まず価格の面や市内業者の育成等もございますので、現在、地元業者が参加しやすくなるような方策を引き続き研究してまいりたいと考えてございます。
◆(久保田英賢) 伺うと、青果なんかは季節によって値段が変わって、1カ月ごとに1品目やられていると非常に大変だということを聞きますので、そういう観点ではぜひ検討をお願いしたいと思います。
続いて、アレルギー対策の話、きのうも出ていました。アレルギー対応の部分は、欠食扱いで還付という話もありましたが、私は、それもいいのですけれども、公会計であれば、確実に市が取り組んでいく必要があるというふうに思っております。食の創造館でもアレルギーの対応ができる調理室があります。幼稚園の給食もこれから試行的ですけれども、始まっております。これはぜひ取り組んでいっていただきたいと思うのですけれども、市としての見解を市長のほうにお伺いしたいと思います。
◎市長(内野優) 基本的に、今までの給食費というのは、学校長が集めて、それを給食センターに渡して、給食センターのセンター長が給食運営委員会の形に従って支払いをしていた。それが3億数千万円あると。これが何かあったときに誰が責任を負うというのは明確ではありませんでした。公会計にすると、そういった面では、全く税金と同じ扱いになりますし、明確になりますし、その分、先ほど言った、例えば食材の地産地消をすると。普通の流通から考えればちょっと高いのを買うようになってしまう。これは公会計である以上、海老名市としては市内業者育成とか、農業もいっぱいあるわけです。海老名市の食材を使うということで価格が上がったとしても、これは海老名市の産業の活性化という、政策として補填していると私は思います。これが公会計のよさだと思います。そして、そういう中では、給食費を払える人と払えない人は、払えない方は要援護という形で教育委員会から出しています。そういった部分も全て明確になるわけでありますから、そういった面、公会計のよさというのは、今後、進化をするべきだというふうに思っています。
先ほど教育部次長が説明しましたけれども、食材の納入のシステムまでは変わっていないというのは、建物が変わっても中身が変わらないでは、つくった20億円の意味が全くありません。やっぱり購入のシステムから、地産地消とか、あるいはさまざまな点で、きのうも日吉議員から出たアレルギーの問題もそうであります。私ども、今回、幼稚園に試行で3園、食の創造館から給食を配食するということになりました。そのときに、調べたら、民間の弁当屋が幼稚園で弁当を注文している。全てアレルギー対応を行っているのですよ。ところが、食の創造館ではやっていないわけです。公立の、何十億円の設備をつくった施設でやっていない。これが今後、教育委員会としては考えていただきたいのは、今までの学校給食センターが食の創造館になったということは、一定の学校給食だけではなくて、学校給食をより充実させる、それから、ほかの部分を導入する、この部分については、現場の職員を含めて理解をしていただいて、今後、私ども、公の施設で行っているわけでありますから、昨日もアレルギーの子どもたちに食べないときにお金を返すのではなくて、アレルギー対応をできるだけ一歩一歩やっていく。全ては100パーセントできませんけれども、一歩一歩やっていくこと、食の創造館と学校現場との連携は必要ではないかなというふうに思っています。そういった面では、私ども、給食を公会計にしましたので、これについては給食費の決定は市長ということになっております。そういった面では、給食は教育の一環だといっても、環境整備とか、給食費については、市長の権限があるわけですから、しっかりとそのシステムについては教育委員会と連携しながら、今までとはこういうところが違うのだということをしっかりと協議しながら出していきたいというふうに思っています。
以上でございます。
◆(久保田英賢) ありがとうございます。私もまさに一緒で、欠食したから還付するというのは、公会計ではおかしいと思います。市として公会計で集めているのであれば、それに対応するのが市の責務だと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
平成24年12月11日【臨時財政対策債について】
平成24年12月第4回定例会(平成24年12月11日)
【臨時財政対策債について】
4番目、「臨時財政対策債」についてです。
11月臨時会提案の一般会計補正予算(第5号)で約3500万円の臨財債が発行され、今定例会提案の一般会計補正予算(第7号)で約3億5000万円の臨財債の追加借り入れを予定されています。平成18年以降、発行抑制の方向で取り組んでこられたと思いますが、なぜ今回借り入れに踏み切ったのか。その背景と、今後、臨財債発行についてどのようにお考えかをお伺いいたします。
◎市長(内野優)4番目の「臨時財政対策債」についてでございます。
臨時財政対策債は、地方公共団体の一般財源の不足に対処するために特例として発行される地方債でございます。これは、国の交付税特別会計の借入金残額が急増している状況を踏まえ、地方交付税の一部を臨時財政対策債により補てんする仕組みとして、平成13年度に創設されたものでございます。したがいまして、本来は地方交付税として現金交付されるべきものが臨時財政対策債に振りかわった一般財源であると言えます。近年、リーマンショック以降の景気の低迷や少子・高齢化の急速な進行などにより、地方公共団体の財政は大変厳しい状況が続いていることに加え、国の政権が不安定なことなどから、先行きは極めて不透明な状況にございます。本市もこれらの影響を強く受けており、市税などの一般財源が減少したことから、平成23年度には普通交付税交付団体に転じたところでございます。これらの状況を踏まえ、平成24年度中に一般財源が不足する見込みとなったことから、今般、臨時財政対策債の発行に踏み切ったところでございます。
なお、一般財源の不足に対しましては、財政調整基金で対処することも可能となりますが、国の政権や経済情勢など先行き不透明な要素が山積していることから、今後も厳しい財政状況が続くものと考える必要がございます。したがいまして、持続可能な都市経営の理念に立脚し、中長期的に安定した市民サービスの維持を図るためには、財政調整基金は一定程度の残額を確保することが望ましいと考えたところでございます。財政調整基金を取り崩してカバーすればいいのですけれども、今後、やはり国の考え方、いわゆる交付金やすべてのあり方が変わってくる可能性があります。そうしますと、やはり全国の自治体、大変厳しい情勢ですから、薄くなれば、当然市もそれなりの大きな影響があります。そういった面では、一定の財政調整基金を取り崩すことなく、ここは臨時財政対策債を活用していこうという方向でございます。
◎財務部長(清水昭) 4番目の「臨時財政対策債」の詳細についてお答えいたします。本市では、平成13年度の臨時財政対策債制度創設以来、平成17年度までの5年間で45億8400万円を借り入れております。既に償還している金額を差し引いた現在の残高は約30億円となってございます。平成13年度から23年度までの本市の発行可能額の総額は約138億円であり、県内市の多くは発行可能額満額に近い借り入れを行っていることを勘案いたしますと、本市では約92億円の発行を抑制したと言うことができます。この間、通常の建設事業に対する市債や新まちづくり基金、さらには、社会資本整備総合交付金などを活用し、各種都市基盤整備や児童生徒の学習環境の向上、安全・安心なまちづくりなどを推進してまいりました。平成22年度までは普通交付税不交付団体であったことから勘案しましても、6年間にわたり臨時財政対策債を活用せずに、ハード、ソフト両面にわたるまちづくりを推進し、将来世代への負担軽減に努めたことは極めて合理的な判断であったと認識しているところでございます。
なお、臨時財政対策債の発行可能額につきましては、平成15年度以降は人口基礎方式により算定されておりましたが、平成22年度からは人口基礎方式と財源不足額基礎方式により算定され、平成25年度以降、財源不足額基礎方式のみで算定されます。したがいまして、平成25年度以降は普通交付税算定において財源不足額が生じない団体、すなわち不交付団体は臨時財政対策債を発行することができなくなります。
ここで、議長から事前にお許しをいただいておりますので、パネルを使いまして、普通交付税と臨時財政対策債の関係につきましてご説明させていただきます。パネルに3パターンございますが、まずは、一番右側の交付団体の部分をごらんいただきたいと存じます。臨財債が導入された平成13年度及び直近の平成23年度、24年度がこちらのパターンでございます。普通交付税を算定するに当たりましては、基準財政需要額と基準財政収入額を算定いたしますが、本来は基準財政需要額が基準財政収入額を上回る部分に普通交付税が交付されるものでございます。しかしながら、現在は、普通交付税の一部が臨財債に振りかわっていることから、本来の基準財政需要額を臨財債発行可能額が引き下げた後の基準財政需要額と基準財政収入額の差額に普通交付税が交付されているものでございます。こちらのパネルのとおり、交付団体につきましては、交付税算定上、普通交付税交付額と臨財債発行可能額を合算した金額の財源が不足しているというものでございます。
次に、パネルの真ん中の不交付団体の部分をごらんいただきたいと存じます。平成14年度、15年度及び平成22年度がこちらのパターンでございました。本来の基準財政需要額を、図では単に臨財債と表記してございますが、臨財債発行可能額が引き下げたことによりまして基準財政収入額を下回り、不交付団体となったものでございます。こちらのパターンの場合には、本来の基準財政需要額が基準財政収入額を上回る部分の財源が不足しているというものでございます。
最後に、パネルの左側の真の不交付団体の部分をごらんいただきたいと存じます。平成16年度から平成21年度までの期間がこちらのパターンでございました。本来の基準財政需要額が基準財政収入額を下回り、不交付団体となったものでございます。こちらのパターンの場合には、本来の基準財政需要額が基準財政収入額を下回る部分の財源が超過しているというものでございます。このようなことからも、臨時財政対策債につきましては、普通交付税算定上、財源不足額が生じる団体、すなわち交付団体にとっては、本来交付を受けるべき普通交付税そのものでございます。
なお、臨時財政対策債につきましては、その元利償還金相当額が後年度の基準財政需要額に算入されることから、翌年度以降に交付税措置されるものでございます。今後も地方公共団体の一般財源が劇的に増加するとは考えにくいことから、臨時財政対策債は継続されるものと考えております。しかしながら、普通交付税不交付団体に転じますと必然的に発行することができなくなることから、臨時財政対策債に過度に依存するのではなく、活用に当たっては交付税制度を踏まえるとともに、その時々の財政状況を的確に分析し、判断してまいりたいと考えております。
◆(久保田英賢 議員)続きまして「臨時財政対策債」に関して先にお伺いをさせていただきたいと思います。
今現在、臨財債の発行可能額、今年度は10億円に対して約3億8000万円の発行ということで抑制をされているようなお話も全体的なお話としてありました。でも、先ほどの説明によって、臨財債の性格上、元利償還金相当額が翌年以降の基準財政需要額に全額算入される。ちょっとわかりづらいので、簡単に言うならば、返済金は国が面倒を見てくれるよというような話だと思うのですが、ならば、市に負担がなく使えるお金であれば、もっと発行額、満額を有効に活用してもいいのではないかなとも考えられると思うのです。また、先ほども話がありましたけれども、臨財債を使わないで、財政調整基金を積極的に使っていくのだというようなことも考え方としてはあると思いますが、市長、先ほどご答弁をされていましたので、将来にわたってというような考え方で財政調整基金は余り取り崩さないでいくということであります。その点に関して、25年度以降、どういうふうに考えていかれようと思われているのか、お聞かせいただければと思います。
◎財務部長(清水昭) 臨財債の活用についてのご質問かと思います。臨財債につきましては、今お尋ねのとおり、今年度の補正予算(第5号)と(第7号)合わせまして3億8000万円ほどの借り入れとなるものでございます。本市の臨財債発行可能額の10億円余りと比較しますと、差し引きで約7億円の借り入れ抑制でございます。こうした借り入れの抑制でございますけれども、現在の財源不足、交付団体であるというふうなことから、臨財債活用は是としつつも、将来、また不交付団体になる可能性もあるという中で、その場合、その負担は将来世代に回るというもので抑制をしている考えでございます。平成18年度以降、臨財債の借り入れを行ってこなかった考え方と基本的には変わるものではないと思っております。また、ご指摘の財政調整基金の活用でございますけれども、財政調整金、災害、予想外の税収減といった場合に、市民サービス低下を防ぐということで一定程度の残高確保が必要と考えております。現在残高約24億円ございますけれども、できればこれを維持してまいりたいと考えているところでございます。
また、平成25年度以降、臨財債の活用につきましては、現在まさに予算編成中でございまして、今後予算の市長査定の中で市長にご判断いただくべきものと考えております。
以上でございます。
◆(久保田英賢 議員) 将来に発生するリスクを抑制していこうという理由で、全額は使っていかないのだよというようなお話だったかと思うのですけれども、そうであるならば、今、行われているさまざまなまちづくりのスピードを少し緩めながら行っていくという考え方もできると思いますが、その点に関してはいかがでしょうか。
◎市長(内野優) それはあり得ません。基本的な問題として、私ども交付税の考え方は、先ほど財務部長が説明したとおり、元金償還部分については基準財政需要額に入るわけです。しかし、交付金を見ますと、ほかの自治体、地方に行きますと相当な交付金があります。うちのほうはもうすべてが交付金化されていて、ポリオワクチンもそうでありますけれども、どれがどれなのか。それだけの総額が来ません。県でまた再度調整しますので、その辺、元金償還金だからとどんどん借りて、最後はその部分で国から交付金が来るから、それで返せばいいという時代は終わっていると思います。そういった面では、大変厳しい状況でありますけれども、今のまちづくりはそういったこと。財政状況は厳しいのですけれども、先の10年、20年後を考えるまちづくりをやります。今後の施設管理にも相当いろいろお金もかかりますので、今、一生懸命これをやっています。そういった部分で、先の10年、20年考えるまちづくりの関係をやっていますので、これをストップすることはありません。ストップしないで、少し時間差はできる可能性はあります。改修計画は。しかしながら、この5年以内にすべてのことを、基本計画をしっかりやっていこうという考え方であります。
◆(久保田英賢 議員) ありがとうございました。臨財債がイコール悪だみたいなお話をしているわけではなくて、やはり財政が厳しくなってきている状況の中でそういう状態にあるという理解をしております。ただ、先ほどもお話ししましたけれども、中長期的な視点の中で今やらなければならないものはしっかりとやっていくという、将来にわたって、今やることによって持続可能な社会ができる。そういう考え方もあると思いますので、適正で、しっかりと慎重に財政運営を行っていっていただきたいなと思いますので、よろしくお願いをして、この点は終わりにします。