令和3年3月15日【学校における保護者負担の現状と今後の取り組み】

2021-03-15

令和3年3月15日 第1回定例会
 「学校における保護者負担の現状と今後の取り組み」 R3.3.15

◆(久保田英賢 議員)議長のお許しをいただきましたので、通告に従い市政に関する一般質問をさせていただきます。「学校における保護者負担の現状と今後の取り組み」についてです。
 海老名市ではこれまで、子育ての保護者に対しての支援策として、小中学校の保護者に対してスクールライフサポートや学童保護者補助金、修学旅行補助金など様々な保護者負担軽減策を実行されてきました。その内容は多岐にわたるもので、市単独予算での支援も大きな額になっていると思います。未来を担う子どもたちに対しての支援は必要なもので、大変評価できるものであります。また、平成30年9月に教育委員会において保護者負担の軽減策の方針が決定をされました。あれから2年半が過ぎた中、方針に対してどのような取組をされてきたのか、現在の状況についてお伺いいたします。
 また、保護者負担の中には給食費も入っておりますが、小学校給食費についても令和3年度予算の中に組み込まれており、1人当たり5500円の値上げとなっております。1食にすると30円とさきの代表質疑の中で答弁されておりましたが、この根拠についてお伺いをします。そして、中学校給食についても令和5年度中の実施との答弁がありましたが、令和3年から令和5年の実施までのスケジュールはどのようになっているのか、お伺いをいたします。
以上のテーマにおいて、内野市長、伊藤教育長の明快なるご答弁をお願い申し上げ、この場からの質問とさせていただきます。

◎市長(内野優)学校における保護者負担の現状と今後の取り組み」についてでございます。
 子育て世代の経済的負担の軽減については、市全体で取り組んでまいりました。教育委員会における取組も継続しております。このような中、来年度、小学校の給食費を1食30円引き上げるという形でございました。しかしながら、この30円については、教育委員会は、何度も答弁しておりますけれども、保護者のアンケートを取っております。議会でも問題になって、回答率が悪いのではないかという話がありましたけれども、私も知らなかったのですが、ITを使ったアンケートだったそうです。それで、賛成の方がいらっしゃって、反対の方がいる。開封した人というのは内容を見ているのですね。見ているというのは積極的な賛成ではなくて、まあいいじゃないかという人だと私は判断しています。反対なら絶対反対と書くのですね。物事は。そういった部分でいくと、教育委員会は1食30円値上げをする決断をされました。そして、様々な点で意見を聞いて、やっぱり子どもたちに楽しい給食を考えてほしいと、豚丼ではなくて牛丼を食べさせてあげたいという気持ちがあったと。あるいは土曜日に特色をある給食をつくろうというのが教育長の考え方でありますから、そういった部分が進んでいくと私は思っています。
 そのときに、30円を是としたのですけれども、今回、コロナにおいて様々影響があるだろうということで、公会計でありますから、他市と違って市が管理をしている会計でありますから、そこに市の20円分を今回この1年間負担させていただいて10円にしましょうよという形で落ち着いたわけであります。よって、この部分については、教育委員会も様々な点で今後どうしていくかということの中で、よりよい給食を目指して頑張ろうという形になっております。あるいは新聞報道でも、栄養士もこれでやっといろいろな献立ができるという話も報道されていますので、魅力ある給食をつくっていただきたいと思っています。
 中学校給食の再開については、私も選挙公約で上げておりますので、これは実現をさせていきたい。時期につきましては多少遅れると思います。しかしながら、教育委員会もセンター方式でやっていくという形を決定していますし、場所も決定しております。これについては、スピード感を持って取り組んでまいりたいと思っています。詳細につきましては教育長から答弁いたします。
 以上であります。

◎教育長(伊藤文康) 2番目の「学校における保護者負担の現状と今後の取り組み」についての詳細でございます。
 これについては、私、市長とタッグを組んで教育行政を進めているのを、多分他市は、すごく毎回毎回驚くのです。海老名市、修学旅行にお金を出すの、海老名市って、教材費、1年生当初のやつを公費負担するの、所得制限なしなのといつも言われるのですよ。だから、そういう意味でも、様々な保護者負担軽減については、次年度も皆さんにご審議いただいていますけれども、令和3年度予算も2億円を超えるものを今計上しているところでございます。
 そういう中で1点だけ、私は、これ、保護者の負担経費を考えるときには、保護者に主体的に考えさせる場が必要だなということで、あえて平成29年度に保護者負担経費検討委員会、保護者が中心のものをつくりました。その中で、例えば公費負担しなくても制服とかジャージとかは保護者が購入しますので、そこでそれを負担を下げること、また、保護者に様々な教材を買っていただくという、実を言うと、彫刻刀なんかは年に何回かしか使わない。冬の時期しか使わないものとかあります。柔道着も柔道の期間しか使わないとかあったので、そういうものを検討していただきました。市長の理解を得て教育委員会として経費負担するものと、あとは保護者が主体的に様々自分たちの意見をアンケートを取りながら、この辺を工夫すればもっと安価になるだろうということで進めてきたところでございます。これについては今後も同じような考え方で進めたいと考えております。
 給食については先ほども市長が十分に説明いたしましたけれども、これについても海老名市学校給食検討委員会が新型コロナの感染拡大とは別に2年前から進めてきたところが、たまたまここでコロナの状況になった。その前から、小学校は魅力ある給食のために給食費を改善したいというのが海老名市学校給食検討委員会の提言であったし、教育委員会の決定でもあるし、中学校給食については完全給食の実施はその前から提言であったし、教育委員会の決定ですのでそれに従って計画的に、スピード感という話がありましたけれども、我々もスピード感を持って進めたい。ただ、御質問の中の小学校給食費の次年度の負担軽減については公費負担で保護者の負担を軽減したいと考えております。
 詳細については教育部長より答弁いたします。
 以上です。

◎教育部長(伊藤修)学校における保護者負担の現状につきまして、まずご説明を申し上げます。保護者のニーズを踏まえまして、公費での負担につきましては十分に協議、検討を行いまして、幅広く対応しているところでございます。具体例を申し上げますと、例えばスクールライフサポートによる就学支援制度で約7400万円、また、学童保育クラブの保護者負担の軽減の補助金といたしまして約2000万円、また、小学校1年生、中学校1年生の教材費の支援といたしまして約2900万円、さらに野外教育活動や修学旅行の補助金、これを両方合わせますと約4300万円でございます。また、来年度につきましては、先ほど市長からもご答弁がございましたけれども、小学校の給食費について公費負担を予定しておりまして、その金額が約2600万円となっております。来年度、小学校給食費につきましては、現在の年額4万4000円から4万9500円に改正するものでございます。この4万9500円につきましては、学校給食を構成する主食、牛乳、また副食における前回の改定時、平成21年度当時の価格に物価上昇率等を乗じて算出したものでございます。なお、コロナ禍における保護者負担の軽減、経済的負担を考慮いたしまして、令和3年度は激変緩和措置を講じてまいります。中学校給食の今後のスケジュールでございますけれども、令和3年度は、新たな学校給食調理施設の工事発注に向けて設計業務に取り組みまして、令和4年度から令和5年度にかけての建設工事を実施してまいります。完全給食の実施に向けて、多くの皆様の意見に耳を傾けて、全力を尽くして取り組んでまいります。
 以上でございます。

◆(久保田英賢 議員)「学校における保護者負担の現状と今後の取り組み」に関してお伺いさせていただきます。
 先ほどいろいろな事業を取り組まれていて、2億円と教育長から聞こえたのですけれども2億円ぐらいのお金を使っているというのは本当にすごいなと、市単独のお金がほとんどだと思いますけれども、そういった中で、昔、教育長は、パンドラの箱を開けたという答弁もありましたが、本当にいろいろな取組をされていて感謝申し上げるところであります。先ほどお話があった保護者の検討会がつくられて、教育委員会が平成30年9月にいろいろな方針を出されました。それから約2年半が過ぎた中で、例えばそのときに出した方針に関しての現状、今どうなっているのか、お伺いしたいと思います。

◎教育部長(伊藤修) 平成30年9月に、海老名市保護者負担経費の在り方についての方針を決定いたしまして、その後、様々な取組を進めてまいりました。具体的には、中学校の制服につきましては、保護者が販売店を自由に選択できるようにいたしまして、さらにジャージ服については、平成30年度に海老名中学校でコンペを実施いたしまして、以降2校で実施して、保護者の経済的負担の軽減につなげたところでございます。さらに運動用のTシャツ、また短パン、ワイシャツ等につきましては、各校の仕様に合わせて保護者が汎用品を購入することができるということも定着してきたところでございます。修学旅行については、修学旅行の検討委員会において、保護者、児童生徒、教職員の意見を集約し、今後の方向性を報告書にまとめるとともに、補助制度の創設をして、保護者の経済的負担の軽減に寄与したところでございます。また、比較的使用頻度の少ない彫刻刀、柔道着については学校の所有として、いつでも児童生徒が使用できるようにしております。これらの取組につきましては確実に保護者の負担軽減につながっていると認識しておりますので、課題等を検証しつつ、方針にのっとり継続してまいりたいと考えております。

◎教育部長(伊藤修) 平成30年9月に、海老名市保護者負担経費の在り方についての方針を決定いたしまして、その後、様々な取組を進めてまいりました。具体的には、中学校の制服につきましては、保護者が販売店を自由に選択できるようにいたしまして、さらにジャージ服については、平成30年度に海老名中学校でコンペを実施いたしまして、以降2校で実施して、保護者の経済的負担の軽減につなげたところでございます。さらに運動用のTシャツ、また短パン、ワイシャツ等につきましては、各校の仕様に合わせて保護者が汎用品を購入することができるということも定着してきたところでございます。修学旅行については、修学旅行の検討委員会において、保護者、児童生徒、教職員の意見を集約し、今後の方向性を報告書にまとめるとともに、補助制度の創設をして、保護者の経済的負担の軽減に寄与したところでございます。また、比較的使用頻度の少ない彫刻刀、柔道着については学校の所有として、いつでも児童生徒が使用できるようにしております。これらの取組につきましては確実に保護者の負担軽減につながっていると認識しておりますので、課題等を検証しつつ、方針にのっとり継続してまいりたいと考えております。

◎教育部長(伊藤修) ジャージのコンペについてでございますけれども、ジャージのコンペを実施した海老名中学校、海西中学校、有馬中学校、3校で実施いたしましたが、販売価格につきましては約3000円前後、20パーセント以上の価格の抑制を実現したところでございます。また、今、議員から課題となる点のご質問をいただきましたけれども、3校で実施した結果や、また課題等をしっかり踏まえまして、今後につきましては実施方法、選定方法等についてしっかり協議を進めて改善に取り組んでまいりたい。そのことによってさらに保護者負担の軽減につなげてまいりたいと考えております。

◆(久保田英賢 議員) ありがとうございます。先ほど教育部長も答弁がありました、制服はどこでも自由に買えるという状態になっている、だけれども、ジャージに関しては、せっかく値段は下がったのだけれども、1つの場所でしか買えないということが起きているというところに関しては、ぜひ課題としてもらって取り組んでいただきたいと思います。
 修学旅行に関しては、現状、検討会をつくって、独自にいろいろやられてきたと思いますけれども、今までにおいての変更点等あればお伺いしたいと思います。

◎教育部長(伊藤修) 修学旅行について変更点というか、一番大きな点は、やはり修学旅行に対しまして補助金を交付したことだというふうに受け止めております。小学校につきましては1万円、中学校につきましては1万5000円の補助を行っておりまして、特に今年度、コロナ禍における修学旅行を実施してまいりましたけれども、コロナ禍の中で感染防止対策を万全に講じるために、旅行料金が非常に高くなってしまったというような実情もございました。そのような中で補助金の果たした役割というのは非常に大きなものであったと認識しております。このようなことから、修学旅行の補助金の効果はさらに高まっていると受け止めております。

◆(久保田英賢 議員) 修学旅行に関しては補助を入れていただいて、これはどこもやっていないようなことで、本当にありがたいと思います。そんな中で、教育長、今までの修学旅行に関する答弁の中では、教育目標をしっかりと学校が決めて、その中での行き先を決めるときに保護者の意見であるとか、子どもの意見であるとかをしっかり聞いて、そういう検討会ではないけれども、学校の中での検討会を経て説明責任をしっかりとしていくのだというようなお話がありました。そこの点に関してはぜひ引き続きしっかり子どもや保護者の意見を聞きながら進めていっていただきたいと思います。
 小学校の給食の話に入ります。値段を上げていくということに関しては、代表質疑でもたくさん質疑が出ていて、その答弁に関して、内容に関してはよく理解をしました。ただ、問題は、5500円上がるのだというところを、アンケートだけではなくて、しっかりと説明責任を果たしていくというところは重要だと思いますが、その点に関してのお考えを伺いたいと思います。

◎教育部長(伊藤修) 今回の小学校給食費の引上げに当たりましては、学校給食シンポジウムですとか、パブリックコメント、また、小学校の保護者全員を対象にいたしましてアンケートを実施し、その都度、丁寧な説明を行いつつ、意見聴取に取り組んだところでございます。実は今年の1月に小学校給食費の引上げに当たりまして保護者向けの説明会を行う予定だったのですけれども、緊急事態宣言が発令されたということで、現在は開催を見送っておりますが、緊急事態宣言が解除されたら改めて丁寧な説明を行ってまいりたいと考えております。しかしながら、一番説明責任として大きいのは、4月以降、給食費の引上げ分を負担していただく保護者の皆さんが、学校給食、変わったな、さらに魅力ある学校給食になったねというふうに感じていただけるような給食を提供することが一番の説明責任だと考えておりますので、4月に向けてしっかりと準備を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◆(久保田英賢 議員) まさに私も同感で、一番は、値段が上がってどうなったのかということが感じられる、しっかりとそういう説明を、委員会ないし学校現場のほうから保護者にしてもらいたいと思います。今回、先ほどの予算でも約2600万円ぐらいの激変緩和の措置をされるということでありますけれども、もともと海老名市においては、このコロナ禍において、未来を生きる緊急総合パッケージが行われていて、スクールライフサポートなんかも随分要件を緩和されていると思います。補助することに関して異論があるわけではないのですが、海老名市はスクールライフサポートというすごい制度を持って、もともと払えない人には給食費の分も含めてサポートするという体制もあります。これからコロナがどこまで続くか分からないという中では、そういうようなこともしっかりと考えながら、実際の値上げに関しては丁寧に進めていっていただきたいと思います。ぜひお願いします。
 次に、中学校給食の工事に関して、令和4年、令和5年というところでお話はよく理解をしました。じゃ、実際、いつ開始できるのというところが一番みんなが知りたいところだと思うのですね。目標があって、多分そういう工事の発注もしていくわけですから、その辺のいつ始めようとされているのか、お伺いしたいと思います。

◎教育部長(伊藤修) 中学校給食、完全給食実施に向けてのスケジュールですけれども、令和3年度は設計、4年度、5年度にかけて工事を予定しております。その後、新たな学校給食施設の工事が完了した後に、給食の調理、また、その他試行期間をしっかり設けまして、令和5年9月の開始を目指して取り組んでまいります。
 以上でございます。

◆(久保田英賢 議員) 楽しみにしています。我が会派の宇田川希議員の代表質疑の答弁でも、中学校給食に関しても検討していくという話もありました。そういうことも含めて、保護者にもしっかりと説明責任が必要だと思うのですけれども、中学校の説明責任、給食費の問題も含めてどのようにお考えなのか、お伺いします。

◎教育部長(伊藤修) 中学校給食の実施に際しましても、小学校の給食費の引上げと同じように、やはり様々な機会を捉えて丁寧に保護者に説明するとともに、保護者からの意見などもしっかり取り入れて進めていく必要があると認識しております。
 以上でございます。

◆(久保田英賢 議員) 小学校は今まで払っていたものですけれども、中学校は今度保護者は初めて、配食弁当、ありますが、制度が全然変わるような内容になっていくと思うので、ぜひその辺のことはしっかりここの部分に関しても説明を尽くしていってもらいたいと思います。代表質疑の答弁の中で、給食時間の確保が必要なのだよ、もしくは配膳室のことも必要なのだよということがありました。私はそれに加えて、中学校の先生は給食を体験したことがないと思うのですね。先生たちに体験をする機会をつくっていくということも非常に重要ではないかと考えております。一気にそれをシミュレーションできないと思うのですけれども、段階的にそういう給食の試行実施みたいなものを食の創造館を使ってやるということが可能だと思うのですが、その点に関してお考えを伺います。

◎教育部長(伊藤修) 中学校給食の実施に当たりましては、やはり様々な課題があると認識しております。中学校の現在の昼食の喫食時間が約15分くらいしかない、また、施設面においても1つ1つ課題を整理しながら進めていく必要があると考えています。そのような中で、今、我々といたしましても、例えば小学校の給食がない日に小学校の給食を中学校で提供するというような試行についても考えておりますので、スケジュールに合わせて様々な取組を通じて円滑に中学校給食がスタートできるように進めてまいりたいと考えております。

◆(久保田英賢 議員) この期間を十分に活用していただいて、本当は多分先生が一番分からないと思うので、その辺やっていただきたいと思います。
 最後に、この魅力ある学校給食の提供に関しての教育長のお考えをお伺いいたします。

◎教育長(伊藤文康) 給食は安心・安全な食材を子どもたちに毎日安定的に提供するというのが一番だと思うのですけれども、子ども目線で給食を考えると、子どもが、今日の給食、何だろうな、あしたの給食、これだなと楽しみになるような給食を、我々、大人がやることなのですが、例えば小学校でも中学校でも提供できる。あとは中学校給食が始まるまでは特に、もちろん今でも配食弁当をやっていて、それを充実して、それに我々は全力を尽くすのですけれども、やはり一番は、子どもたちが、学校に行って食事の心配はない。いろんな勉強のこととか、友達のこととか、部活のこととか、いろいろ悩む、それだけでも十分だから、学校で食事の心配はとにかくない、それで小1から中3まで、今日は何だろうと楽しみになるような魅力ある給食が子どもたちにとって一番、それを実現するのは教育委員会、大人の役目だと感じているところでございます。
 以上でございます。

◆(久保田英賢 議員) 期待しております。
 終わります。

令和3年3月15日【健康寿命延伸に対する取り組み】

2021-03-15

令和3年3月15日 第1回定例会
「健康寿命延伸に対する取り組み」 R3.3.15

◆(久保田英賢 議員)議長のお許しをいただきましたので、通告に従い市政に関する一般質問をさせていただきます。「健康寿命延伸に対する取り組み」についてです。
 健康寿命とは、心身ともに自立し、健康的に生活できる期間のことを指します。2000年にWHOが提唱して以来、寿命を延ばすという従来の指標に加え、健康でいられる期間を延ばすという健康寿命の指標が重要視されるようになりました。厚生労働省が2018年に発表した資料によると、男性の平均寿命は80.21歳、健康寿命は71.19歳となっており、約9年間の開きがあることが分かります。さらに女性の平均寿命は86.61歳、健康寿命は74.21歳と、男性以上に大きな差が生じております。健康寿命を延ばすことは、誰もが生き生きと充実した生活を送ることにつながるものであります。
 海老名市では、健康寿命延伸のための事業として、生活習慣病の予防やがん対策、食育推進、特定健康診査、特定保健指導などを実施され、受診率の向上、生活習慣病の指導などを行っております。健康づくりの動機をつけるために、健康マイレージ事業や未病センターを設置し、健康づくりの見える化も図っております。介護予防としては、要介護状態にならないように、地域包括支援センターと連携し、運動機能の向上、栄養改善、認知症予防などの教室や相談の取組も行われております。また、全国に先駆けてオーラルフレイル健診をはじめフレイルサポーター養成等のフレイル事業にも取り組んでおります。
 健康寿命の延伸は、高齢者自身の生活を豊かにすることはもとより、医療費の抑制にもつながるため、その取組は近年注目されております。海老名市では、さきに述べたとおり、健康寿命を延伸するための様々な取組が行われていますが、今後、高齢化もさらに進んでいく中、健康寿命延伸についてどのように考え、今後どのような取組をされていくのかお伺いをいたします。

◎市長(内野優) 久保田英賢議員のご質問にお答えいたします。
「健康寿命延伸に対する取り組み」についてでございます。
 市民の笑顔と元気の源は、やはり健康であります。しかしながら、今年度は、新型コロナウイルス感染症の流行により、市民の健康に係る事業については、中止または縮小せざるを得ない年となってしまいました。感染症対策は今後も継続されるため、その状況下でも効果が上がるように工夫しながら市民の健康増進施策を推進してまいりたいと考えております。詳細につきましては保健福祉部長から答弁いたします。

◎保健福祉部長(岡田尚子) 1番目の「健康寿命延伸に対する取り組み」についての詳細でございます。
 市におきましては、市民の皆様が一日でも長く、それから健やかに、心豊かに生活を送ることができるように様々な事業に取り組んでおるところでございます。しかしながら、市長が答弁いたしましたとおり、新型コロナウイルス感染症の流行によりまして、講座ですとか教室で中止または縮小したものもございます。例えば市役所の1階に未病センターを設けておりますけれども、今年度、市独自で肌年齢測定器を整備したのですけれども、緊急事態宣言が発出されている間については閉鎖している状況となっております。それから、議員もお話しいただきましたように、フレイルですね、加齢に伴う認知機能や筋力の低下など、健康障がいを起こしやすい状態、こちら、フレイルと言うのですけれども、このフレイルサポーター事業など新たな事業展開を予定していたのですけれども、カリキュラムの全てを実施するということが難しくなってきております。このような状況ですので、今後は、医師会、それから歯科医師会、薬剤師会の三師会、こちらにも協力をいただきながら、また、企業などの創意工夫を凝らした取組なども参考にしながら、感染症対策が継続中でも効果の上がる取組について展開してまいりたいと考えております。
 以上です。

◆(久保田英賢 議員) ご答弁ありがとうございました。日本では2011年から、「健康寿命をのばしましょう」をスローガンに、国民全体が人生の最後まで元気に健康で毎日が送れるようなスマートライフプロジェクトというものが提唱されて推進されております。このプロジェクトで大事なところが、適度な運動と適切な食生活、そして禁煙、この3つの分野が具体的なアクションで呼びかけられていると言われています。先ほどご答弁の中でも市もいろいろな事業をやっていただいております。課をまたいでそれぞれのところで行っておりますが、残念ながら昨年度はコロナ禍の中でなかなか取り組みづらいものであったと聞いていますけれども、念のため、昨年の実績についてお伺いしたいと思います。

◎保健福祉部長(岡田尚子) 今年度にかけての実績でございますけれども、生活習慣病予防のがんの集団検診、こちらは18回予定しておったところですが、15回の実施でございます。それから、食育に関する教室をやっていたのですけれども、調理を含めて一緒にごはんを食べるというところまでやっていたのですが、やはり一堂に会しての調理、それから、食事ということ、感染リスクを考慮しまして中止といたしまして、その代わりに、管理栄養士が感染予防対策のアドバイスをしながら、調理の動画をユーチューブで配信するといった取組をいたしました。それから、レシピをホームページに掲載して配信を行っております。また、健康教室ですけれども、113回の開催を予定したのですが、85回にとどまっております。延べの参加人数は1163名となっております。それから、健康相談、こころの相談を行っております。健康相談につきましては88回を予定しましたけれども、43回の開催ということでございます。また、こころの相談につきましては、このような時期だからこそ、心が揺れて不安になってしまうということもありますので、確実に実施していきたいという考えの下で12回全てを開催いたしました。21人の方からの相談に対応しております。そのような状況となっております。介護予防教室でございますけれども、130回予定しておりましたが、106回となっております。
 以上でございます。

◆(久保田英賢 議員) こういう事業が行われることによって外出をして、ふだん家にいる方々もそういうところで出るということ自体もまた1つは健康増進のものになると思うのですけれども、こういう状況の中では開催がなかなかままならなかったという現状だったと思います。その中でもメンタルの部分のことはしっかりと取り組んでくれているというところは非常にありがたいと思います。市で、どこの市もそうなのかもしれませんけれども、みんなが将来現役で過ごせるまちがすばらしいと思いますが、そういう健康増進に関わる、海老名市として健康増進の目標みたいなものを設定されているのかということをお聞きしたいと思います。

◎保健福祉部長(岡田尚子) こちら、指標につきましては、平成25年、少し前になるのですけれども、10年の計画ということで、スポーツ健康推進計画というものを策定しております。こちらは、先ほど議員おっしゃったような食事ですとか、運動、たばこの面もそうですけれども、それから、健診の受診率などにつきましても、様々な指標を置きまして、この目標値について設定しております。せんだって、中間評価を行いまして、約50パーセント、半数が改善の方向にあるということが分かっております。
 以上でございます。

◆(久保田英賢 議員) スポーツと健康の計画の中に様々な項目が織り込まれているということでありました。10年間の計画と聞いておりますけれども、その中間の中では、およそ50パーセントぐらいの達成だということなのかと思いますが、計画の中で中間を確認したときに、今までの中での何か課題とか、今後、新たにまた残りの期間、その課題にどういうふうに取り組んでいこうかという、そういうお考えがあればお伺いしたいと思います。

◎保健福祉部長(岡田尚子) 計画の策定のときのアンケート、こちらから見えた課題では、青壮年期、いわゆる働き盛りの方が時間的余裕がなくて、例えば運動不足になるとか、朝食が思うように取れないとか、そのような課題がございまして、特にふだん運動が十分にできているのか、そういうようなところがどうも芳しくないと、きちんとできていないというような状況になっております。この中間評価におきましては、改善傾向が多少見えてはいますけれども、若い時期からのライフステージが途切れることなく、適度な運動習慣を確立したり、しっかりと食事を取るといった生活習慣の改善ですね、さらには介護予防につながる取組などは本当に継続して実施していく必要があると考えております。このようなところをどういうふうに取り組んでいくかということが課題になっておりまして、特にコロナ禍におきまして、この取組については、これまで当たり前のようにやってきた講座ですとか、そういったものもままならないような状況になっています。このあたりも勘案しながらどのように工夫していくかということが課題と考えております。
 以上でございます。

◆(久保田英賢 議員) ありがとうございました。高齢になっていきなり生活習慣病になるわけではないですし、いきなり体の機能が低下するわけではなくて、今、保健福祉部長がご答弁いただいたように、やっぱり若いときからの食事であるとか、運動であるとか、そういうものの積み重ねが年齢を重ねたときの体に影響がいろいろ出てくるというところでは、子どもの頃の食育も非常に重要だと思いますし、特に20代ぐらいになると朝食を抜いてとかいろいろあると思いますけれども、そういう積み重ねがもしかしたら健康増進の一番のキーワードになってくるのかなと思います。
 いろいろな事業をやっていただいているというところに関しては本当によく分かりました。40代後半ぐらいから健康に関する意識はやっぱり変わってくるのですよね。自分自身、もう50代になっていますから、私のことも含めてなのですけれども、これ、平成29年にも一般質問をさせてもらって、お話ししたのですが、何か健康診断、健診を受けて、結果が出てきて、その結果を見て、印がついていますよね。AだとかBだとかCだとか、いろいろコメントもあります。こういうのを見ても、じゃ、要観察もしくは要検査となっても、なかなかすぐに動かない。それを放置しておくことによって成人病になっていってしまうとか、もしくは健康状態がよくなくなってしまう、そんなことにつながるのかなという中では、そのときも海老名市が災害協定を結んでいる東海市の例のお話をさせてもらいました。東海市は平成23年10月から健康診断の結果を市のある窓口に持っていくと、あなたの食事はこういう食事をしていったほうがいいですよ、もしくはあなたのこの数値を見るとこういう運動をしていったらいいですよというのが医師会、歯科医師会、薬剤師会、そういう人たちと連携をして、1つのプログラムをつくられています。
 例えば久保田さんが健康診断の結果を持ってきました、そうしたら、この数値だと塩分が多過ぎるので、塩分は9グラム以下にしましょうみたいなことが書いてあったり、あとは食事のエネルギー量はこれぐらいにしてくださいなどなど、その4つの分野に関してしっかりとその人用のカルテをつくってくれます。運動に関しても有酸素運動と筋肉の運動に関してしっかりとメニューがあって。
 ここでやっぱり東海市がすごいなと思うのは、それを渡して終わりではなくて、例えば運動のことで言うと、市内に9つの公園があるみたいなのですけれども、その公園の外周に星のマークがついていて、例えば少しハードな運動が必要な人には星4つの区間を30秒でウオーキングしなさい、そこまで必要ではない人は星1つのところを30秒で運動しなさいみたいな、自分が何かをやろうと思ったときに、自分の身の回りでつくっていただいたプログラムを実行できるというようなことを東海市のほうでは平成23年から取り組まれております。海老名市にも運動公園もありますし、各公園に関しては健康遊具も設置されています。
 私は、これは先ほど保健福祉部長も答弁されているところで、集めて何かをやるとかということも必要だと思うのですけれども、このウィズコロナの時代の中では、それぞれが自分の健康を考えて、みずから何かを起こせる、しかも、それはあまりお金を使わないで、今ある社会資源を使って行っていくということが非常に重要だと思うのです。例えば健康遊具の問題とか、もしくは公園の外周の道路のペイントの問題とか、そういうようなことは海老名市として、まちづくり部としてどのように対応ができるのか、お伺いしたいと思います。

◎まちづくり部長(谷澤康徳) 議員から今東海市の例ということでございましたけれども、ペイントの関係でございますが、公園でいきますと、実際やっているところも海老名市もございまして、運動公園だったり、東柏ケ谷の近隣公園、こういったところにつきましては、距離標示や白線などの標示を行わせていただいております。また、その他の場所につきましては、例えば公園だけではなくて道路みたいなところも考えていきますと、歩道が想定されますけれども、歩行等に支障がない部分でありましたら、基本的には保健福祉部がいろいろお考えになられて、そこに協力するという意味であれば、うちのほうもできることはやっていきたいと思っております。
 以上です。

◆(久保田英賢 議員) ありがとうございます。今、ペイントというか、距離標示があるのは、運動公園にあるのは私も見てきて分かっておりますし、大事なところは、ただ、そこにそれが書いてあるだけではなくて、自分の健診の結果を受けて、どういうことをしたらいいのかというアドバイスがあって、それを実行できるような社会資源があるということが非常に大事だと思っております。まちづくり部のほうでは、保健福祉部からそういうことがあれば協力はいとわないというような答弁がありましたけれども、そういう考え方ということに関して。今、健康遊具に関しても、恐らくですけれども、ある意味、健康遊具の選定というのは、東海市は医師会と連携して、こういうものがあって、こういう筋力をつけたらいいよということでやっているらしいのですけれども、今、多分海老名市は、恐らくまちづくり部が中心になっていますが、そういう連携を取っていくということに関してのお考えを伺いたいと思います。

◎保健福祉部長(岡田尚子) もちろん連携は取って進めてまいりたいと思っています。議員おっしゃったとおり、ウィズコロナと言われている中では、一ところに集まってというより、個々の取組も大切にしていかなければいけないと思っていますので、関係機関と連携を取りながら、関係部署とも協力しながら、それから、あわせまして、今ご紹介いただきましたような先進市の事例等も参考にしながら、また、医師会ともアドバイスをいただくなり、協議するなりして進めてまいりたいと思っています。それもそうなのですけれども、保健指導を受けるという、そのアクションを起こすところも大変で、面倒くさがったり、大丈夫かなと思ったり、個人個人の考え方で判断して、なかなかアドバイス、助言させていただくような機会に恵まれないということがあると思いますので、そのあたりも含めていろいろな事例を参考にしながら検討していきたいと思っております。
 以上です。

◆(久保田英賢 議員) ありがとうございます。先ほどまちづくり部長のほうから道路の話がありましたが、南伸道路は結構真っすぐで、ジョギングがしやすくて、ジョギングをしている人なんかも結構多いと聞いていますから、例えば市から南伸道路の部分で、何か一定の標示があって、その標示に対して健康のアドバイスができるとか、もしくは市役所から中新田鍛冶返線を通って、運動公園までのところをジョギングもしくはウオーキングのコースとして使うなど、あまりお金を使わない中で社会資源を使ってのそういう取組がまさにこれから必要で、かつ自分でなかなかできないから何かのきっかけを持って、そうやって市のほうからアドバイスをしてもらう、そんな取組は非常に有効だと思うのですけれども、市長、ご見解があればお伺いしたいと思います。

◎市長(内野優) まず、社会資本ではないですけれども、私どもがつくってきたものを活用してやっていくことは必要だと思っています。先ほど人を集めてやるのではなくて、個人個人が自分の健康を理解して、それについて助言、指導を求めるという形は、そういった方向にウィズコロナの関係では向かざるを得ないという状況がありますので、十分その辺は、来年度の中で、このまま続いておりますので、やっていかなければいけないのだろうと。様々な手法でやっていきたいと思っています。
 以上であります。

◆(久保田英賢 議員) ぜひお願いしたいと思います。先ほど保健福祉部長の最初の答弁の中で、3師会、医師会、歯科医師会、薬剤師会など、また、企業などの創意工夫を持った取組を参考に健康増進を展開していくというようなご答弁がありました。これはどういうことを具体的に言われているのか、お聞きしたいと思います。

◎保健福祉部長(岡田尚子) 新聞報道等もあったのですけれども、市におきまして、昨年の10月、小田急電鉄株式会社、それから、株式会社メディカルガーデン、株式会社ルネサンス、それから、社会医療法人ジャパンメディカルアライアンス、そして海老名市、この5者による健康増進事業等に係る連携と協力に関する協定、こちらを締結したところでございます。今後につきましては、この協定を踏まえまして、3師会と、それから、民間の企業が力を合わせて、これまでの健康といった概念から踏み込んで、前向きに生きようとする心を育んで、また生活全体を創造的、クリエーティブなものにしていきましょうという、いわゆるウェルネスというふうに呼んでいるらしいのですけれども、このウェルネスをコンセプトとした事業展開、こちらに発展していくように市も連携しながら検討や調整をしてまいりたいと考えております。
 以上です。

◆(久保田英賢 議員) ありがとうございます。私もプレスリリース、新聞なんかを読まさせていただいて、ビナガーデンのところに新たなビルが立ち上がるというところで、新たな駅間施設がフィットネス、健診、そして、クリニック機能を有する複合施設ということが明記されていました。海老名の中では駅中心の中で、しかも仕事帰りにも寄りやすかったり、もしくは行くにも車を止めるところもあって行きやすかったりという、そういう場所になるかなと思います。新聞報道を見る限り、5者間の協定を結んだということで、これからその辺のことを詰めていくという中で、ぜひ提案をしたいのは、先ほど保健福祉部長もお話があった、健診の結果を見るけれども、一歩進まないといったときに、どこに相談に行ったらいいのだろう、どうしたらいいのだろうというときには、例えばこういう新たな施設の場所を一角お借りして、市民が誰でも、今、国民健康保険は相談事業があると思うのですけれども、社会保険の人にはそういうものがないと思います。誰でも自分がそこに相談に行けば、先ほどの東海市みたいに食事の問題であるとか、もしくは自分が一人で、自分の身近な家のそばの公園なんかを使って、こういうことをやったらいいというアドバイスが受けられる場所としては非常にこの場所は適地だと私は思います。市内にいろいろなところにいっぱいつくればいいのですけれども、そうすると人が必要になりますし、なかなか予算の問題もあると思います。どこか1つに海老名市の健康増進の1つの拠点というものをつくって、そういうことを進めることは非常に有効だと思うのですけれども、ご見解をお伺いしたいと思います。

◎保健福祉部長(岡田尚子) 一人でも多くの方に健康に関心を持っていただいて、健康寿命の延伸に取り組んでいただくことは本当に大切なことだと思っておりまして、議員がおっしゃったような取組につきましても、具体的な協議はこれからになるのですけれども、そちらも勘案しながら様々なアドバイスを伺いながら、また、民間企業の方も入った協定になっていますので、様々なノウハウを共有できると思いますので、いろいろ研究してまいりたいと考えております。

◆(久保田英賢 議員) 住みやすいまちであることは間違いないですし、子育てに関しても優しいまちであることは間違いないです。やっぱり次に目指すところは健康寿命が長いまちというところを目指していくためには、そういうものをしっかりと整備していくことは大切だと思うので、令和3年度の中で取り組んでいってもらいたいと思います。
 1つ、和光市の話をさせていただきますと、健康寿命と若干ちょっとずれるのですけれども、要介護認定率があると思います。要は、65歳以上の第1号被保険者の中でどれぐらいの人が介護認定を受けているかという率なのですけれども、海老名市は令和2年の数字を見ると15.8、全国では約18パーセントぐらいが要介護認定率というところなのですが、和光市は何と長年9パーセント台を維持されているという中で、次回、健康増進に絡めたこの辺の和光市の話を取り組みながらまた質問させていただきたいと思いますので、ちょっと予告になりましたけれども、よろしくお願いいたします。