平成28年3月15日【介護保険制度改革における新たな総合事業の取り組み】

2016-03-15

平成28年3月第1回定例会 280315

『介護保険制度改革における新たな総合事業の取り組み』

◆ 久保田英賢 議員

今回は2つのテーマに関してお伺いをいたします。

1番目は「介護保険制度改革における新たな総合事業の取り組み」についてです。
 新しい介護保険制度が平成27年4月より順次施行されています。今回の制度改正は、医療法などの法律を一まとめにした地域医療・介護総合確保法として進められてきたものであります。つまり介護のみならず、医療、看護などと一緒になった大きな仕組みとして見ることが必要になります。その大きな仕組みの柱となるテーマが、10年後の2025年度をにらんだ地域包括ケアシステムの構築であると考えます。今から10年後には、人口比率の高い団塊の世代が全員75歳以上の後期高齢者となります。昔に比べて元気な高齢者がふえているとはいえ、75歳以上ともなれば、何らかの疾患や身体のふぐあいを訴えるケースが一気に高まります。そうした時代に、今までどおりの医療、介護の仕組みを続けていれば、保険料の増大や財政悪化などによって制度を維持していくことが危うくなってくると考えられます。
 こういった背景の中、川上に当たる急性期医療を初めとして、本当に必要なサービスを必要な人のもとへと届ける重点化と効率化が図られる必要が出てまいりました。急性期を脱した人はできる限り早期に在宅へ移行し、そのための受け皿として、医療と介護が密接に連携しながら、重い状態の人でも在宅生活を続けられるような仕組みを目指していると思います。これにより、介護保険のあり方も急転換することとなってきました。具体的には、介護保険を重い療養ニーズや認知症がある人へのケアへと少しずつ特化させ、軽度の人へのサービスの保険給付を少しずつ減らしていこうというものであります。この仕組みの改革によって、介護保険制度の地域支援事業のあり方などが大きく変わりました。
 ここでお伺いをいたします。制度改革に伴い、新年度予算にも新たな地域支援事業の経費が計上されております。具体的に、新しい介護予防・日常生活支援総合事業ではどのような形で行っていくのか、お伺いします。市長の明快なるご答弁をお願いさせていただきます。

○議長(森下賢人 議員) 市長の答弁を求めます。  
       
◎市長(内野優) 

久保田英賢議員のご質問にお答えいたします。
 1番目の「介護保険制度改革における新たな総合事業の取り組み」についてでございます。
 議員がおっしゃられるとおり、2025年問題という形の中で、やっぱり住みなれた地域で、自分らしい暮らしが継続できる医療、介護、介護予防、生活支援、住まいが一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を目指しております。平成27年度の介護保険制度改革では要支援者の通所と訪問サービスが、介護保険の給付から、同じ介護保険事業である地域支援事業に移行することになっております。そういった面では、全国一律だった要支援者への介護保険サービスに加えて、地域住民との協働によって、地域の特性に合ったサービスの提供が求められておりますし、幅広いサービスの利用ができるようになります。そのため市では、平成28年度より生活支援コーディネーターを置き、地域ごとのニーズの把握や問題の抽出を行い、関係団体と連携して海老名らしい生活支援の体制整備を進めていきたいと考えております。
 しかしながら、やはり何といっても介護保険は、第2の国保ではありませんけれども、特養老人ホームをつくると1ベッド300万円の経費がかかります。もう既に3700名ぐらい認定者がいらっしゃいますけれども、使われているお金が50億円近くになっていく。そうしますと、1人頭大体140万円から150万円というお金が使われています。それから、後期高齢者医療は広域連合でやっていますけれども、1人平均70万円と言われています。そういった面では、まず、そういったシステムをつくりながら、元気な高齢者という形も必要ではないかなと思っております。
 つい最近、テレビを見ておりまして、おもしろい会話がありました。ある医療機関で高齢者のおばあちゃん同士が話していました。このごろあの人が来ないね、ふだん来る人が来ない、病気にでもなったのかという話でございます。それだけ高齢者の関係の医療というものは増大になっておりますので、病院へ行かなくてもいいような元気な高齢者を目指す、そのことも重要ではないかなと思っています。
1番目の詳細につきましては清田保健福祉部次長から答弁いたします。
 以上でございます。

○議長(森下賢人 議員) 

1番目の詳細について清田保健福祉部次長。

保健福祉部次長(清田芳郎) 
1番目の「介護保険制度改革における新たな総合事業の取り組み」についての詳細でございます。平成29年4月からの新しい総合事業では、介護予防事業にあわせまして、要支援者の通所・訪問サービス事業が地域支援事業として実施されてまいります。新しい総合事業の中では、従来の介護予防事業に加えて、住民運営の通いの場の充実などによりまして、高齢者の介護予防となるような多様な介護予防サービスが必要となってまいります。そのため、平成28年度から地域包括支援センターの区域を担当とする生活支援コーディネーターを導入してまいります。生活支援コーディネーターは、担当地域の中での社会資源や高齢者ニーズの把握を通して、必要とするサービスの洗い出しを行うとともに、地域での関係団体とのネットワークづくりに取り組んでまいります。このように地域の中で関係するさまざまな方との協働を重ねることで、その地域の特性に応じた住民主体のサービス体系の整備が図られるものと考えております。
 いずれの事業におきましても、引き続き、関係者と連携を強化し、高齢者を地域で支える体制づくりを図ってまいります。
 以上でございます。

◆ 久保田英賢 議員

「介護保険制度改革における新たな総合事業の取り組み」という問題ですが、先ほどいろいろご答弁をいただきました。私も視察等でもいろいろなところでこのお話を聞いて、もう先進的に動かれている自治体もありますが、市民とこの手の話をしますと、要支援1、2って、もう介護保険から外されてしまうのでしょう、もう介護保険制度の枠組みからなくなって、もう要支援1、2の人は排除されてしまうのでしょうというようなことがよく言われています。介護保険の枠組みから外れているという理解をしている人がいますが、実際のところどうなのかということをご説明いただきたいと思います。

◎保健福祉部次長(清田芳郎) 

平成29年4月からの移行は、同じ介護保険制度の給付費という中から地域支援事業に移行するということでありまして、介護保険制度の中に残って、その中で運営するということでございます。
 以上でございます。

◆ 久保田英賢 議員 

そうしますと、訪問介護とか従来通所介護なんていうものもありまして、今度制度が変わると、日常生活支援の地域支援事業のほうに移ったときには介護保険ではなくなってしまうということではなくて、しっかりと新たな総合支援事業の中でも介護保険の枠組みの中からお支払いをされるという理解でよろしいでしょうか。

◎保健福祉部次長(清田芳郎) 

重複いたしますけれども、給付費ではなくて、地域支援事業に移行した部分についてはそういう形になろうかと思います。
 以上でございます。

◆ 久保田英賢 議員 

ということは、介護特会の中からという認識だと思います。そういう認識を持たれていない方がいっぱいいらっしゃいますので、私もしっかりと伝えていきたいなと思います。
 先ほど生活支援コーディネーターのお話がありました。今度、地域の中で日常生活を支援していく枠組みをつくっていくためにコーディネーターの配置をされるというお話でありましたが、そのコーディネーターは、どんな形で配置をして、どのように活動していくのか、お伺いしたいと思います。

◎保健福祉部次長(清田芳郎) 

生活支援コーディネーターの活動でございますけれども、生活支援コーディネーターは、地域福祉に実績のある社会福祉協議会に委託をしたいと考えております。社協の地区担当6人が、市内6カ所にございます地域包括支援センターの区域をそれぞれ担当しまして、地域ごとの課題ですとかを協議しながら、高齢者に対する課題の抽出ですとかニーズの掌握を行って、地域のネットワークづくりをしていくというように考えております。
 以上でございます。

◆ 久保田英賢 議員 

包括支援センターが6つあって、その包括支援センター圏域の中にコーディネーターを配置する。その配置するコーディネーターに関しては、社協のほうにコーディネーターの役を委託していくということだと思うのですけれども、そうしますと、6つの圏域はそれぞれコーディネーターがいますが、市全体としてはどのようにその6つをまとめていこうとお考えか、お伺いします。

◎保健福祉部次長(清田芳郎) 

地域で活動する生活支援コーディネーターに加えまして、市全域を見る生活支援コーディネーター1名も置きます。その1名が各地域の取りまとめですとか地域間の調整、連携などを行うことによって、地域差の解消ですとか連携強化ができるものと思っております。
 以上でございます。

◆ 久保田英賢 議員 

そうすると、先ほど地区の部分、6つの包括圏域は社協の担当がつくということなのですけれども、全体に関してはどう考えればよろしいのでしょうか。

◎保健福祉部次長(清田芳郎) 

全体のコーディネーターにつきましても、社会福祉協議会に委託して実施していきたいと考えております。
 以上でございます。

◆ 久保田英賢 議員

 そうしますと、6つの包括の圏域に生活支援コーディネーターが1人ずつ配置される、そして、それを取りまとめる全体のコーディネーターがつくというイメージかなというふうに思うのですけれども、その6つの1つ1つの枠組み。協議体みたいになるように思うのですけれども、それぞれの協議体はどういう形で運営をされていこうと思っているのか、お伺いをしたいと思います。

◎保健福祉部次長(清田芳郎) 

協議体というお話なのですけれども、地域の中でどう協議を行っていくかということだと思います。現在市で考えている協議の方法は、1つの固定した協議体をつくって話を進めていくということよりも、状況に応じて必要な関係者が迅速に集まることができて、円滑に協議ができる、情報の交換ができるような会議形式にしたいと考えております。
 以上でございます。

◆ 久保田英賢 議員

 そうすると、今も各自治会の中でケア会議とか、連合の枠組みの中でやっている地域なんていうのもあると思いますが、今後は地域福祉、特に日常生活の支援に関してはそういう協議体の中でいろいろな課題が出たときに、そういう課題に対して関係している人たちが集まって問題解決に向けて協議をしていくという、そんな理解でよろしいでしょうか。

◎保健福祉部次長(清田芳郎) 

まずはそういう理解でよろしいかと思います。

◆ 久保田英賢 議員

 今、地域の福祉の問題、いろいろと地域の皆さんにお願いをしていっていると思います。例えばサロンなんていうのも、これは各地域で常設サロンが今市内には3つ、さつき町、東柏ケ谷、上今泉にあると思いますが、今後そういうサロンみたいなところにデイサービスではないですけれども、通っていくなんていうことも日常生活支援事業の一部にもなっていくのかなと思いますし、先ほど包括圏域という話がありましたけれども、包括圏域が6つと聞くと、ああ、6つなのだと思うのですけれども、冷静に考えると6つの包括圏域って結構広いのですね。やっぱりその6つの包括圏域の中で問題が全部解決、そこの枠組みでできるかというと、私は包括圏域ではやっぱり広過ぎて、地域の問題を吸い上げるにはちょっと難しいような気もします。そうなると、もっと包括圏域の中を細分化して、それぞれの地域の中で同じような協議体ではないですけれども、そういうものをつくっていく必要があると考えます。
 その中で今、社会福祉協議会がやられている地区社協というのが平成19年から、徐々に地域のふれあいまちづくり事業という形の中で進められておりますが、今、市内には13あると言われています。ただ、この地域もすごく偏っておりまして、国分寺台、中新田、東柏ケ谷、大谷、国分、下今泉、上今泉ということで、ほとんど北部なのですね。こういう地域福祉をこれから社協に任せて、そして社協がそういう協議体を運営していく、コーディネーターになっていくという中では、包括圏域からもう1層下の地域に根差した組織というものをつくっていかなければ、生活支援の問題も形にしていくのはなかなか難しいというふうに私なりには思うのですが、地区社協というものに限らずですが、包括圏域からもう1層下の組織の運営というものに関してのお考えがあればお伺いしたいと思います。

◎保健福祉部次長(清田芳郎) 

まずは、医療と介護の連携というのが地域包括ケアシステムの大きな柱になっております。医療と介護の連携をやる中で中核的な役割を示していくのが地域包括支援センターの役割になってこようかと思います。地域包括支援センターも含めて、まず医療、介護の連携、それ以外に生活支援ですとか介護予防とかが出てくると思います。そういうことを地域包括支援センターの区域の中で関係者が協議をして、どういうサービスを体系づけていくかという協議がまずは先だと。その次の段階でもっと細かいことがあれば協議をしていくような考え方を持っております。
 以上でございます。

◆ 久保田英賢 議員

 ありがとうございました。いずれにしましても、新しい仕組みに介護保険制度も変わって、それを地域で運用していくという中では、しっかりとその地域との連携、コーディネーターを中心にそれぞれの地域の事情に合わせた打ち合わせというものが必要になっていくと思いますので、今後、認知症の問題も地域で解決をしていかなければならないと思いますが、ぜひその辺もしっかりとお話をしていただいた中でつくり上げていっていただければと思います。終わります。

平成28年3月15日【海老名市北部地域における農業施策の方向性】

2016-03-15

平成28年3月第1回定例会 280315

『海老名市北部地域における農業施策の方向性』

◆ 久保田英賢 議員 

2番目は「海老名市北部地域における農業施策の方向性」についてです。
 市長は、施政方針の中で「『地域経済の活性化、地域力アップのまちづくり』」について述べられていますが、私も海老名固有の財産を生かしたまちづくりは、これからの海老名市にとって非常に重要なことだと思っています。前回の一般質問でもこの海老名市固有の財産である歴史や田園風景について質問させていただき、その重要性については共通の認識であることが確認できました。3川の結節点であるがゆえに、河川の氾濫が頻繁に起こり、沖積平野ができ上がったこの土地は、まさに農業を行うにふさわしい土地となっていたわけであります。「海老名市史」「えびな歴史ものがたり」では、海老名市で米づくりをしながら人々が定着したのは2000年くらい前、弥生時代の中期の時期で、本郷中谷津、国分尼寺の遺跡でその状況が発見され、河原口坊中遺跡では農機具も出土していることから、大きなあかしでもあると言えます。
 こうしてできた約2000年も続く海老名の肥沃な大地は、他市にはない、まさに海老名市だけの固有の財産であります。2000年の歴史を持った農地こそ海老名市の大きな財産であり、まちづくりの資源であると思います。新年度予算を見ると、地域営農活動の促進や都市農業などの促進に予算が例年より充実しております。市としてもこの資源を生かしていこうとの考えがうかがえます。また、四次総合計画の平成28年度実施計画を見ても、総合戦略の中に魅力ある農業の振興が入っており、今後農業振興に注力していこうという姿が感じられます。
 ここでお伺いいたします。市として、悠久の農地を生かした農業振興を今後どのように進めていこうと考えているのか、お伺いします。また、北部地域は農用地も集約されていますが、この北部地域の農業施策の方向についてもお伺いをいたします。

○議長(森下賢人 議員) 市長の答弁を求めます。

◎市長(内野優) 

久保田英賢議員のご質問にお答えいたします。
「海老名市北部地域における農業施策の方向性」についてでございます。
 海老名は今、さまざまな攻めの農業を展開しようとしています。これは農地の集団や集約化を図るとともに、農業生産法人の設立などを検討しております。さらに、ICTを活用した農業施策の推進や第6次産業化の支援などを行って、農業従事者の収益向上に努めてまいりたいと思っています。なかなか難しい問題ではありますけれども、特に北部地域は農用地も集約されております。そして、その間に246バイパスが走っておりますし、その南側には産業技術センターがございます。あるいはその近くにはリコーなどの工業地域、そして西口になっております。そういった面では、残すべき農地をしっかりと残していくというビジョンが必要ではないかなと思っております。そういった面では、北部のこの地域は県内一の生産量を誇る酒米の山田錦も多く栽培されております。地域の特性に着目しながら、しっかりと農業振興ビジョンに位置づけながら、1つずつやってまいりたいと思っております。

◆ 久保田英賢 議員   

 今、市長の答弁にもありました。あの地域は本当に農用地が集約をされているわけでありますけれども、この北部地域に新たな新設道路の計画があるということを伺っております。昨年、地元にもお話があったように聞いておりますが、新たな道路建設の予定はどんなものか、お伺いをしたいと思います。

○議長(森下賢人 議員) 建設部長。

◎建設部長(御守伸) 

議員おっしゃっているのは下今泉の新設道路のことだと思いますけれども、こちらにつきましては、海老名市の道路交通マスタープランにおきまして地区幹線道路として位置づけられております。下今泉地区周辺の道路交通の分散化を図ることを目的に、市内の道路ネットワークを担う重要な路線となってございます。下今泉保育園付近の変則5差路の解消、改良、また、県道51号、町田厚木と市道63号線。酒造会社の裏の道路、県道へ抜けるまでの道路、また、県道を挟んで相模川に向かう市道65号線が変則的なクランクの交差点になってございます。こちらのほうを解消するのが目的、また、1つとしてはバリアフリーに対応した歩道などを整備する計画でございます。今年度におきまして現況測量、また、境界確認等を行いまして、概略設計等を行っているような状況でございます。

◆ 久保田英賢 議員  

ホームセンターから直進、東のほうに真っすぐの変則の交差点をそのまま直進で抜けて、今泉中学校のほうに行こうというような道路と聞いていますけれども、もともと地域の中では、西口ができて渋滞がある中では、やっぱりこの道路を考えていかなければいけないよねというような話もありました。実際西口のららぽーとがオープンした中で、渋滞自体は今そんなにあの付近は起こっていないように思いますが、この道路の意義というか、渋滞……。西口だけの対策だけではないと思うのですが、この道路ができることによっての効果というものをどうお考えなのか、お伺いしたいと思います。

◎建設部長(御守伸)

 答弁は重複するかもしれませんけれども、やはりこちらは道路交通マスタープランに位置づけられております地区幹線道路として考えてございます。こちらを整備することによりまして、先ほどの下今泉保育園の変則5差路の解消にもなりますし、また、平成17年度の交通量推計では5000台、32年度では8200台というふうな交通推計が出ている中で、交通の分散化が図られることによりまして、県道への渋滞の負荷が削減されるのではないかと考えてございます。
 以上です。

◆ 久保田英賢 議員

わかりました。道路建設に当たって、昨年地元との協議があったと思います。この地域、まさに、先ほどの市長の答弁にもありました酒米を中心に、農用地の中で農業の振興が非常に図られている場所で、聞くところによると、一部農用地にもかかってくるような部分もあるというふうに聞いておりますが、地元との現状の協議の状況がわかれば教えてください。
◎建設部長(御守伸) 
議員おっしゃるとおりでございまして、道路の新設や拡幅整備に当たりましては、沿線地権者を含めまして、関係者の皆様の協力が必要不可欠となってございます。昨年度改正いたしました事業説明会におきまして、一部の地権者の方からさまざまな意見を頂戴しております。今後も関係者の皆様の理解が得られるように十分な調整を行いながら進めてまいりたいと考えてございます。
 以上です。

◆ 久保田英賢 議員 

 今、酒造会社のところから北側を見渡しますと、一円の田園風景が見えると思うのですけれども、その間に道路が通って分断されるという部分に関しては地元の思いもいろいろとあるのだろうと思いますが、この道路ができることによって、北部地域の農業という観点の中で何か農地に与える影響等というものがあるのか、どうなのか、お伺いしたいと思います。

◎建設部長(御守伸) 

私が答えるところかどうかはあれなのですけれども、先ほど説明会を行ったときにもさまざまなご意見をいただきました。今まさに議員おっしゃったように農作業への影響がないのかとか、また、景観面の部分で配慮はできるのかとか、また、田んぼへの用排水路への計画高さがどうなるのかとかといったご意見をいただきました。どのような状況になるかというところで先ほどの概略設計等をやらせていただいておりまして、こちらのほうを地元からの宿題というふうにいただいておりまして、こちらのほうの回答を今準備しているような状況でございます。農作業への影響というところになりますと、やっぱり道路をつくっていくとなりますと反比例する部分がございます。地元からの意見をよく捉えまして、影響のないというのはちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、影響にも配慮したような形での道路をつくっていきたいと考えてございます。

◆ 久保田英賢 議員

 ありがとうございました。まさにきれいな形で農用地ができ上がっている場所でありますし、先ほど来、酒米なんていう話も出ておりますので、道路ができることによって農用地がなくなってしまう。農用地はしっかりとつけかえをしていかなくてはいけなくて、そういう圃場整備なんていうことも重要になってくることでありますし、何よりも地元の農家が、整備されたきれいな北部の農地に関して、この道路ができることによってその価値が下がらないような、逆にこの道路ができたことによって北部地域の価値が上がる、海老名市全体の農業としても価値が上がるような、そんなことをしっかりと地元の皆さんとお話をしていっていただいて、つくり上げていっていただきたいなと思います。
 次なのですけれども、今、南部と中部には営農組合ができ上がっております。過去に私、北部の営農組合の関係の質問もさせていただいたのですけれども、そのときは今後考えていきますというような答弁がありました。農地という部分、やっぱり北部の部分に関しても農地の集積をしていく集団化というものは必要だと思いますし、営農組合的な役割というのは北部にも重要なものであると私は考えておりますが、その北部の営農組合に関しての考えをお伺いしたいと思います。

○議長(森下賢人 議員) 都市・経済担当理事。

◎都市・経済担当理事(畑めぐみ) 

北部における営農組合の今後の考え方ということだと思います。まず、議員ご指摘のとおり、中部、南部と整備を進めてまいりまして、営農組合設立と同時に、ライスセンターといいますか、拠点の整備もあわせて行ってきているところでございまして、北部につきましても、何らかの団体とセットとなる拠点整備というものは必要性があることは認識しております。
 ただ、同じ市内といいましても、やはりそれぞれの地域によって営農のスタイルですとか、あるいは地元のニーズというのも若干違うようなところも聞こえてきてございますので、この件についてはこれまでとまるきり同じような営農組合としての形がいいのかも含めて、検証が必要なのではないかなと思ってございますので、北部の地域としてどういった形で、どういった施設が必要で、どのような運営方法が適切なのかということにつきましても、地元農業者の方々としっかり意見交換をして、ご意向などを十分に把握した上で検討してまいりたいと思っております。
 以上です。

◆ 久保田英賢 議員

 ありがとうございます。ちょっとこれは市長に伺いたいのですけれども、さっきの答弁の中でも農業生産法人のお話がありました。今、北部の営農組合のお話を伺ったのですけれども、南部、中部ができ上がっている中で、北部の話だけではなく、海老名市全体としての考えという部分に関して市長のお考えがあればお伺いしたいと思います。

◎市長(内野優) 

農業法人化というのは意外と難しいということを聞いています。さまざまな点で。これは大谷の営農組合の経験の中でも生まれておりますし、そういった面では、海老名全域の中で農業振興公社というものをつくっていって、その中で行政と農業者の皆さんが手助けしながら1つのものをつくっていくといった組織は必要だと認識しています。私ども今回、農業振興プランをつくっておりまして、ある程度固まっております。今、農業者への聞き取り等も行いながら始まっておりますけれども、来年度、28年度は、その公社に向けた研究というか、調査をしていきたい、そのスタッフをちゃんと配置しながらやっていきたいと思っています。
 以上でございます。

◆ 久保田英賢 議員

 ありがとうございます。まさに南部は南部の役割で、中部は中部、そして北部、海老名市の中でもそれぞれの特性がやっぱり違うと思います。ただ、それを海老名の大きな、先ほども話をさせていただきましたが、資源として、これからのにぎわいも含めてですが、そのように活用していくのであれば、しっかり海老名市全体の考え方も必要だと思いますので、ぜひその点に関しては、振興プランというものができ上がった中で進めていっていただければなと思います。
 28年度予算に農業基盤整備事業費の計上があります。現在、海老名市内は用水路と排水路を分離している現状があると思いますが、現在の状況もしくは28年度に何か計画があるならばお伺いをしたいと思います。

○議長(森下賢人 議員) 経済環境部長。

◎経済環境部長(神部孝志)

 農業基盤整備についてのご質問ですけれども、本郷上谷津、中谷津のほうは、農業用地としまして計画的に、今年度、来年度、再来年度にかけて整備しております。そのほかの地域におきましても、必要なところは順次整備のほうを考えたいと思っております。
 以上です。

○議長(森下賢人 議員) 久保田英賢議員。

◆(久保田英賢 議員)

 前回も用水路と排水路の話をさせてもらいました。現状の中では下今泉の北部の地域も用水路と排水路が分離をされているところもあると聞いておりますけれども、前回もちょっとお話をさせていただきましたが、海老名の1つの目玉ではないですけれども、農業の1つの基盤になってくるような部分に関しては、やっぱり6次産業化の問題なんかもあると思います。その中で、海老名の北部の地域、酒米の生産が活発に行われておりまして、まさに農地の集積が進んでいます。地域間の連携が図れれば、用水路、排水路の関係がしっかりとできれば、高品質の、まさに世界基準の有機JASの認定をとることも可能になります。今、各地域の中で用水路と排水路を分離することによって、そういう声があれば進めていける。そんなお答えもあったのですが、北部地域の有機JASの関係での用排水分離のことに関しまして考えがあればお伺いしたいと思います。

○議長(森下賢人 議員) 経済環境部長。

◎経済環境部長(神部孝志) 

食の安全の消費者意識が高まる中、市内農産物の価値向上の手段として、議員おっしゃるとおり、有機JAS認定の取得も有効な手段の1つであると考えております。酒米で認定する場合は、上手の田んぼで使用した農薬が流入しないように用水路と排水路を分離する、いわゆる用排水分離を行っていなければなりません。ご指摘のとおり、上今泉、下今泉地区につきましては、現在用排水分離ができている部分とできていない部分がある状況です。そこの部分については、今後順次考えていきたいと考えております。

◆ 久保田英賢 議員

 いかに海老名のまちのブランド力を上げていくかという部分に関しては、先ほども冒頭登壇で話をさせていただきましたが、2000年から続く肥沃な大地というのはほかのまちにはないわけでありますし、海老名の歴史を振り返った中で、これだけ肥沃な土地がある、これこそ海老名の資源である。そんな中では、そういうことを生かした施策というのは非常に重要だと思いますし、有機JASのことに関しては全国的にもまだ本当に数例しかないとも聞いておりますので、ぜひ地元農家の皆さんと研究を進めていっていただいて、海老名発の有機JAS酒米なんていうのも可能であると思いますので、研究をしていっていただければと思います。
 観光資源の1つに私は農地はなると思っていますし、そういう考え方も28年度の中には見え隠れしているかなと思いますが、海老名市全体を見たときに、北部の地域というのはまさに中心市街地、西口からも近いわけで、こういう場所で農業が進んでいる、見せられような農業をつくっていけるという部分に関しては、海老名としてもすごく拠点になると思いますし、先ほどお話をさせていただいた、まさに農業の6次産業化をしていくモデルケースにもなってくる場所かなと思います。地元でつくった野菜を地元で消費していく、地元で使っていくということが、農業者としても出口がちゃんと見えていれば、一生懸命つくれるよというような話も聞いています。
 そんな中で、例えばですけれども、北部地域に農家レストランみたいな……。農家レストランって農用地につくれますよという特殊なもので、普通の法律の中では多分できないというふうに聞いておりますが、例えば観光資源の1つとしてそういうものをつくっていく中で、市がそういう部分で進められるようなことが何かあるのかどうか、お伺いしたいと思います。

◎都市・経済担当理事(畑めぐみ) 

農政と都市計画両方の制度に関することですので、私のほうから回答させていただきますけれども、議員ご指摘のとおり、地元で生産される農産物ですとか、その加工品をレストランなり、直売所なり、そういったところで出口と同時に提供していくというのは農業の6次産業化の有効な手段の1つということで、国のほうでも近年非常に後押しをしているというふうに感じているところです。特にそのレストランが農産物の生産を身近に感じられる農地の周辺にあるような場合には、周囲の風景とも相まって、できたところを見ながら味わえるというようなことで、地域の観光の拠点ともなり得る可能性があるとも認識しております。議員ご指摘のとおり、一般に農地というのは通常、市街化を抑制するところに保存すべきものとしてつくられておりますので、普通に考えると、農地法なり、農振法なり、あるいは都市計画法という制度がさまざま絡み合っておりまして、レストランのような集客施設というのは基本的にはできないことになってございますが、先ほどもご指摘ございましたとおり、近年、国家戦略特区という手法を活用することによりまして、一定の条件をクリアした農家レストランというのは道が開かれたところにございます。
 ただ、この件につきましても、お話しありましたとおり、まず設置者が農業者でないといけないですとか、あるいは提供する食品の半分以上というか、主にというふうに言われていますけれども、地元産、市内産でなければいけないですとか、そのほかにも細かないろいろな条件がついておりまして、実際農家レストランをやろうとするのは農業者なりの方なわけなのですけれども、クリアしなければいけないハードルは低くはないと考えております。ですので、市の役割といたしましては、そういった新しい制度がどんどん出てきておりますので、そちらについては実際のニーズなりご相談が出てきた場合に備えまして、しっかりと関連制度を研究していきながら、そういったものをつくりたいのだけれどもというようなご相談あれば、最新の情報を提供できるように準備していきたいと考えております。
 以上です。

◆ 久保田英賢 議員

 今現在、国家戦略特区の部分でいうと、新潟とか、そちらのほうが進んでいますけれども、エリアでいうと、市長もこの間、話していましたけれども、首都圏って特区に余り合致をしてこないというところでは、この件も結構難しい話なのかと思いますが、ただ観光のスポットをつくってくれ、そういうことに協力してくれと言っているのではなくて、海老名市というまちが歴史に裏打ちをされた肥沃な大地を持っている土地なのだということから、農家レストランであるとか、そういうにぎわいをつくっていくという部分に関しては、ぜひ市としても協力をしていっていただきたいなと思います。
 そして、加藤副市長に1つお伺いをしたいのですが、歴史の部分で、昔、市史をつくられたり、農業の部分に関していろいろとお考えをお持ちだと思いますので、ぜひ副市長から海老名の今後の農業の振興に関してご意見があれば伺いたいと思います。

○議長(森下賢人 議員) 加藤副市長。

◎副市長(加藤豊彦) 

上今泉方面、北部方面の農業につきましては、今までの答弁にもありましたように、それなりに用排水分離がある程度進んでいるところもございますし、農用地と、いわゆる第1種農地といいまして、開発が一切できない農地がまとまっています。したがって、これについてはそれなりの北部の営農拠点をつくった上で、さらに振興させるべきではないかと思います。
 また、海老名市全体の農業につきましては、いわゆる3Kの産業と言われてきた農業が、今後ICT化によって大きく脱却するのではないかと思っておりまして、これを実現するために現在、先ほど市長が申し上げたように農業振興プランでもその面を強化していくというふうな計画として策定しようと考えております。
 以上でございます。

◆ 久保田英賢 議員 
 ありがとうございます。西口が開発をされ、28年度2億8500万円ほど新たな税収として入ってくる。そして、29年度には8億4000万円という新たなお金が入ってくる中では、まさにこれからの10年先、20年先というものを見据えたときに、計画にもあります海老名のビジョンというものをしっかりつくっていくべく、それにおいては私は1つ、歴史に裏打ちされた海老名の農地というものをしっかりと打ち出していっていただきたいということをお願いして、この質問を終わらせていただきます。