平成25年9月18日【青少年の社会教育の場づくりについて】

平成25年9月18日(平成25年第3回定例会第3日)
【青少年の社会教育の場づくりについて】

◆(久保田英賢) 2番目は「青少年の社会教育の場づくり」についてです。
 社会教育法を見ますと、第2条に「『社会教育』とは、学校教育法に基き、学校の教育課程として行われる教育活動を除き、主として青少年及び成人に対して行われる組織的な教育活動をいう」となっています。また、第3条には国及び地方公共団体の任務が書かれており、1項には「すべての国民があらゆる機会、あらゆる場所を利用して、自ら実際生活に即する文化的教養を高め得るような環境を醸成するように努めなければならない」とあります。このように社会教育法にも定められているとおり、社会教育の重要性は言うまでもありません。とりわけ、青少年、中学生、高校生の時代に受ける社会教育は、その後の人生にとってもとても大きな影響があります。学校教育の役割、家庭教育の役割、社会教育の役割とそれぞれの役割があると思いますが、社会教育の役割は、現代の社会問題にもなっている社会性を学べる場ではないでしょうか。
 ここでお伺いをいたします。海老名市として、青少年、中学生、高校生の社会教育の必要性についてどのように考えているのか、また現在、どのような取り組みをされているのか、お尋ねいたします。

◎教育長職務代理者(仲戸川元和) 2番目の「青少年の社会教育の場づくり」についてでございます。
 青少年の社会教育の必要性については、十分認識を持っております。議員が言われるとおり、社会教育は学校の教育課程として行われる教育活動を除き、主に青少年に対して行われる体育活動やレクリエーション活動などの組織的な教育活動と定義されております。教育委員会といたしましても、これらの組織的な活動、特に地域で行われる活動の参画については、貴重な体験の場であり、重要であると考えております。学校教育の枠を超え、身近な地域社会への貢献は、青少年の人間形成にとって、子どもたちの自信につながり、将来、必ず役立つものと考えております。ご質問の取り組みについてですが、校外の児童生徒の活動については自主的な活動であり、ボランティア活動など把握しきれていないのが現状でございます。

◆(久保田英賢)  続きまして「青少年の社会教育の場づくり」についてであります。ちょっとモチベーションというお話をさせていただきますと、何かを上げようという交換条件つきの外的な動機づけというのは、子どものモチベーションを下げるらしいです。これを上げるから、何かやってみなさいというのはだめだそうです。いわゆる大人による強制的な動機づけはモチベーションが上がらないということで、いかに内発的な動機づけを持たせるかが重要だそうです。要は子どもみずからがやりたいと思う気持ちにさせることが非常に重要だ、そのためにはみずからやる気を喚起させることがで、大人があれや、これやとさせるのではなくて、みずから考え、行動する力を育む場所が、その経験をする場所が非常に重要であるというような話がありました。例えばみずから目標を持って、その目標に向かって行動する、その結果、小さな成功体験が得られる、この流れを数多く経験する場を提供することが今、大人に求められているのではないかと思います。この場というのが社会教育の実践だと私は思います。
 ここでご質問したいのですけれども、海老名市には海老名市ジュニアリーダーズクラブという組織があります。社会教育を実践している団体だと思っておりますが、現在の活動の現状と行政のかかわりについてどうなっているか、お伺いします。

◎教育部次長(植松正) ジュニアリーダーズクラブの活動と行政とのかかわりについてというご質問でございます。海老名市ジュニアリーダーズクラブの活動につきましては、現在、中学生及び高校生13名、学生アドバイザー1名と事務局の成人者1名の15名で組織をされております。主な活動といたしましては、単位子ども会の新入生歓迎やクリスマス会等のイベントに参加いたしまして、子どもたちのリーダー的な存在となり、遊びやレクリエーション等で場を盛り上げ、子どもたちの憧れの存在として活動いたしております。平成24年度の子ども会からの依頼件数は20件ございました。加えまして、教育委員会事業でありますサマースクールやPTA行事などにもご協力をいただいているところでございます。また、会員相互のスキルアップと親睦を図るため、市外のジュニアリーダーと交流を図ったり、県立愛川ふれあいの村キャンプ場でジュニアリーダー養成研修会を開催したり、一般参加者を募り、アウトドア合宿を実施するなど、野外活動にも積極的に取り組んでいることも承知をいたしてございます。
 ジュニアリーダーズクラブは子ども会を中心として活動を行っていたため、平成23年度までは海老名市子ども会育成連絡協議会の参加で活動しておりましたが、連絡協議会解散後は自主的な運営となり、ジュニアリーダーOB、OGによる支援サポーター制度を設けるなどしながら運営資金に充て、活動している状況にございます。子ども会を所管する教育委員会といたしましては、現在ジュニアリーダーの活動を支援する形で、毎月開催される定例会の場の提供や単位子ども会との調整役として協力をしてございます。しかしながら、議員がおっしゃいますように、ジュニアリーダーの活動は青少年の日常生活が営まれる地域における社会教育活動であり、地域の人とのかかわりや思いやりの心を育成する体験の場であると考えております。そのため、これまでの活動範囲にとどまらず、積極的に市や地域のイベントに参加できるように、行政もしくは行政に近い青少年育成団体との強い連携が必要ではないかと考えております。地域の大人と子どものパイプ役となるジュニアリーダーは、将来の地域活動の担い手、地域とのつながりを深め、良好な人間関係を築いていく青少年の1人だと思っております。
 以上でございます。

◆(久保田英賢) ありがとうございます。まさにその場づくりというのが、子どもたちの健全育成には重要だというふうに私も思っています。昭和61年5月に結成されたジュニアリーダーズクラブは、先ほど答弁があったように、いろいろなところでレクリエーションをやったり、野外教育をやったりして、参加している子どもたちの憧れの存在になっています。その子たち自身が、まさにそこで社会性を学べる場として活動しています。
 ちょっとご紹介させていただきますと、先日、南相馬の子どもたちを少しでも放射能から遠ざけようという目的で、市内のお寺にて寺子屋合宿が開催されました。海老名の小中学生が28人、南相馬からの小中学生が16人参加をして、3泊4日で開催されました。その実行委員会に何とジュニアリーダーズクラブも入っていたと。実行委員会の大人にまじって4日間のプログラムを、その参加する子どもたちがどんなことをやったら喜ぶかということを一緒に考えたわけであります。そして4日間、そのジュニアのメンバーはそれぞれの班につきまして、寝食をともにしました。皆さんがその光景をご想像いただければ、私が多くを語る必要はないと思いますが、最終日には、参加をしていた子どもたちが、私も中学生になったらジュニアリーダーズクラブに入りたい、また、南相馬の子どもたちは帰りのバスで、ジュニアから習ったゲームとか歌をずっとやりながら帰ったそうです。そして、ある中学生は、俺は南相馬に行ったら南相馬でジュニアリーダーズをつくるのだ、そんな言葉も上がっていたと聞きました。大人があれや、これや言うのではなくて、寺子屋合宿という場でみずから考え、行動して、そしてみずから目標を持って、その目標に向かって行動した。その結果、小さな成功体験を得られることで、ジュニア自体のモチベーションが上がって、その姿を見ていた参加者の子どもたちがそのジュニアに憧れを抱いて、自分もこうなりたいのだという目標を持つ、この循環型の社会教育こそが今大事なのではないかなと私は思います。
 先ほど答弁でもありましたけれども、24年度からは、市子連が解散し、自主運営になったと。そして今、会費2400円で活動しています。23年度までは約30万円の補助金が市子連を通じて入っていまして、いろいろな活動の役に立っていたと。一方、市子連が解散して、単位子ども会に関しては、25年度予算で、31単位子ども会に対して116万5000円の予算計上をされています。市長、海老名市の青少年の社会教育の場である、そういうジュニアなどの団体に関しまして、ぜひ以前と同じようなご支援をしていただきたいなと考えるのですけれども、いかがでしょうか。
◎市長(内野優) 基本的に団体は、その当時の歴史的なものでできています。例えば青少年指導員は、じゃ、全国的に青少年指導員という組織があるかというと、神奈川しかございません。じゃ、神奈川ですと、青少年指導員を把握しているのは教育委員会かというと、違うのです。県民部なのです。市に来ると教育委員会なのです。今、青少年指導員は市長部局に入っていますけれども、学校との連携を密にということで、教育委員会に戻す、戻さないという議論を今しているらしいです。その結果を見て、私ども考えますけれども、やっぱりここの段階でいくと、市子連も解散をしましたけれども、各団体がどういう形で今後活動するか、何が役割なのか、しっかりと見直す時期だと私ははっきり思っています。見直した段階で、その組織がこういった活動をすることに対しての必要な援助はしていきたいというふうに思っています。
 先ほどのジュニアリーダーもそうでありますけれども、私も子ども会の役員をやっているときに、子ども会の会員からジュニアを引き継ぎいたしました。そういったことも必要でありますけれども、もう中学生ぐらいになると、独自に自分たちでこういった活動をしたいというものについて、今、市民活動については助成制度を持っています。提案の審査をしています。自立を促す関係では、そういった新しい制度をつくってもいいのではないか。いわゆる子どもたちが親に頼って、親と一緒にやっていくことが今までのパターンですけれども、子どもたちの活動そのものについて、意外と少し見直す時期に来ているなとつくづく感じます。今後はそういった総合的な観点から判断をしていきたいと思っています。
 以上でございます。

◆(久保田英賢) ぜひ海老名は社会教育参加が盛んなまち、そんなものを目指していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。