平成31年3月13日【市内交通網の現状と今後の整備について】

平成31年3月第1回定例会 31.3.13
「市内交通網の現状と今後の整備」

◆ 久保田英賢 議員
 創志会の久保田英賢でございます。議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、市政に関する一般質問をさせていただきます。今回は3つのテーマについて質問をさせていただきます。
 1点目は「市内交通網の現状と今後の整備」についてです。
 このテーマは、平成29年12月定例会にて取り扱わせていただきました。前回の一般質問では、1998年から運転免許証の自主返納が制度化され、免許返納が進められている中で、お出かけの足を奪われてしまう方々に対する交通網を補完する市内交通網整備の必要性について提案をさせていただきました。新年度、交通弱者に対する移動支援について新たな事業を計画していると思いますが、現在の市内交通網の状況と新たなる事業の内容についてお伺いをいたします。
  以上、内野市長の明快なるご答弁をお願い申し上げ、この場からの質問とさせていただきます。
               
○議長 倉橋正美 議員
 市長の答弁を求めます。
               
◎市長 内野優
 久保田議員のご質問にお答えいたします。
 1番目の「市内交通網の現状と今後の整備」についてでございます。
 市内の交通網の現状は、鉄道3線や民間バス路線、コミュニティバスが運行しており、公共交通の充足度は高いものと認識しております。一方で、高齢化等による、外出が困難となる、いわゆる交通弱者については、社会問題となっており、高齢者等の移動手段の確保は重要な課題であると認識しております。高齢者や妊婦、子どもを連れての移動は、健常者と比べ、容易ではないことから、新年度は、誰もが利用しやすい地域公共交通を目指し、ワゴン車両による実証運行を実施いたします。また、社会福祉協議会が、高齢者等の外出支援策として、ぬくもり号を運行しております。現在の運行状況は、さくら号を加え、市内5ルート、6台で実施しております。利用状況については、平成29年度は約4万3000人の方が利用しております。今年度は11月末までで約3万3000人の方が利用しており、通院や買い物に便利との声が聞かれ、一定の効果があると考えております。ぬくもり号につきましては、他の公共交通の状況も踏まえ、運行方法、運行ルートなど、さまざまな角度から検証してまいりたいと考えております。今後も交通弱者に対する移動支援策について積極的に取り組んでまいります。
 1番目の詳細につきましては理事兼まちづくり部長から答弁いたします。
 以上でございます。
                
○議長 倉橋正美 議員
 1番目の詳細について理事兼まちづくり部長。

◎理事兼まちづくり部長 武石昌明
 1番目の「市内交通網の現状と今後の整備」についての詳細でございます。
 本市には、鉄道3線9駅で、1日当たり約40万人の乗降があり、定期路線バスについては、海老名駅を中心に31系統が運行され、1日当たり約3万人のご利用がございます。また、市では、公共交通不便地域の解消を目的に、現在3ルートでコミュニティバスを運行しており、1日当たり約700人の方にご利用いただいております。このようなことから、海老名市の公共交通不便地域はおおむね解消されているものと認識しております。しかしながら、高齢者や妊婦、お子さんを連れての移動は、容易ではないことから、誰もが利用しやすい地域公共交通を目指し、ワゴン車両による実証運行を行いたいと考えております。特に、門沢橋、中野、社家地域は、JR相模線沿線で、若い世代の居住がふえております。駅等までの公共交通が十分ではないことから、バスの実証運行を平成31年10月ごろから2カ年実施してまいります。実証運行に当たっては、地域の方々の意見を踏まえ、運賃やバス停の位置、運行ダイヤ等を検討してまいります。
 以上です。

◆ 久保田英賢 議員
 ありがとうございました。それでは、順次再質問させていただきます。
 まずは「市内交通網の現状と今後の整備」の件で再質問させていただきます。前回市長は、誰もが利便性を感じられるような交通網の整備をどのようにしていくかは大きな課題である、保健福祉部とまちづくり部が一体となって整理をして進化させていき、交通網整備につなげたい、こういうふうに答弁をされていました。この間、約1年ちょっとの間ですけれども、どのような検討を行って、今回のような実証実験に至ったのか、経緯をお伺いいたします。

◎理事兼まちづくり部長 武石昌明
 まず1点目の検討でございますけれども、市内の南部地域のほうにはどういった交通網がよろしいのかといった検討を部内のほうで進めてまいりました。そういったことから、実証実験につきましては、ワゴン車両を用いて、期間は平成31年10月ごろから2カ年を予定してございます。内容といたしましては、1年目は無償による運行を行い、運賃、ルート及びバス停の位置などの検証と需要測定を行います。また、2年目では、有償での需要測定を行っていきたいと考えてございます。運行便数については、平日12便程度、それから、土休日は6便程度を現在考えてございます。運行地域は、先ほどもご答弁させていただきましたけれども、門沢橋、中野、社家地域を主体に、公共施設や鉄道駅など、利用頻度の高い施設とを結ぶことを考えてございます。なお、この地域にはぬくもり号が運行してございますので、実証運行の結果を踏まえた中で、地域公共交通のあり方を検討してまいる考えでございます。
 以上です。

◆ 久保田英賢 議員
 ありがとうございます。地域が門沢橋、中野、社家エリアということでお伺いしました。実証実験をしていくに当たって、地域の人たちからの意見の聴取とか、その辺のことは既に行われているのかどうなのか、お伺いしたいと思います。

◎理事兼まちづくり部長 武石昌明
 門沢橋、中野、それから、社家地域の方々とは、勉強会というものを立ち上げて、第1回の勉強会をやったところでございます。今後、勉強会を進めていきまして、地元からのご意見等は承っていきたいと考えてございます。
 以上です。

◆ 久保田英賢 議員
 第1回ということなのですけれども、その勉強会というものはどういったものなのか、具体的に1回しかまだ行われていませんけれども、市が新たに南部地域にそういう交通弱者の対策をするよというようなことは、市民の皆さんからしたら非常に喜ばれることだと思うのですけれども、1回目の勉強会でどんな意見が出たのか、お伺いしたいと思います。

◎理事兼まちづくり部長 武石昌明
 1回目の勉強会の内容でございますけれども、南部地域はやはりバスが運行していないということで、お子様だけで利用がなかなかできないといったことがございました。それから、駅を結ぶよりも、店舗など、生活に関係する施設に接続したほうがよいのではないかといったことが子育て世代からは意見が出てございます。一方、高齢者からは、移動がなかなか大変なので、こういった公共交通の需要度は今後も増してくるでしょうということと、それから、駅と駅を接続するのではなくて、できるだけ近い場所から乗って、そういった施設のほうに行きたいといったご意見がございました。
 以上です。

◆ 久保田英賢 議員
 恐らく今、幅広い年齢層の方々が参加されている勉強会で、いろいろな意見を伺いながら、実証に向けて進んでいるのかなというふうに思います。前回、私も公共交通網の整備というところの中でお話をさせていただいたのは、各地域から海老名駅中心に走らせるのではなくて、その地域、海老名には、先ほど市長のお話もありましたけれども、駅がたくさんあると、それぞれの駅と結ぶ、そして、周辺の施設と結ぶというような提案をさせていただきました。これは鉄道網がこれだけ小さなまちの中で発達しているというまちは本当に少ないと思うのですよね。そういう中では、各地域から海老名駅だけではなくて、駅を中心とした交通網の面の整備をそれぞれしていく、そして、面と面をつなげていくことによって、市内全体で交通網の整備ができるのではないか、こんなことを前回お話しさせていただきました。今回、南部の3つのエリアの中で実証実験に移るということなのですけれども、具体的にルートなんかはまだ決まっていないと思いますが、どういうふうに進めていこうとお考えなのか、お伺いしたいと思います。

◎理事兼まちづくり部長 武石昌明
 今考えてございます地域にはぬくもり号が走ってございますので、まちづくり部と保健福祉部の中でまずワーキンググループを立ち上げてまいります。それから、先ほども申し上げました、地元との勉強会によって意見を吸い上げまして、どういったところにバス停を設置したほうがよろしいのか、それから、ルート、最終的には運賃等もしっかり検証していきたいと考えてございます。
 以上です。

◆ 久保田英賢 議員
 ありがとうございます。これからなのだろうというふうに思います。先ほどぬくもり号の話がありました。ぬくもり号は今無料で、高齢者に対してと障がい者の方々に対してということで特化をして走らせております。そこと、今度は地域の交通弱者の方々をカバーするものというのは、どういうふうに進めていったらいいのかというところは非常に課題があると思うので、まちづくり部と保健福祉部のワーキンググループ、非常に重要なことだと思うので、しっかりと進めていっていただきたいというふうに思います。
 ところで、平成31年度の予算では、ぬくもり号が社協への補助事業から委託事業に変わっております。その変わった理由、経緯に関してお伺いしたいと思います。

◎保健福祉部次長 萩原明美
 平成30年3月、ちょうど1年前になりますが、国土交通省のほうから、高齢者の移動手段確保のための制度として、道路運送法上の解釈が見解が示されました。この見解の中では、社会福祉法人等が自主的に行う輸送サービスの形態などが示されたものです。このため、利用者に負担を強いることなく、現行のサービスを継続するために、市の直営事業として業務委託にて実施することが望ましいと判断したためでございます。

◆ 久保田英賢 議員
 法律の解釈が変わって、改めて今度は補助から委託に変わったということだと思います。ということは、今度は、直接市がぬくもり号を運行していくということになるわけで、今までは社協の独自事業に市が補助していた、今度は委託という形になるということは、市としてのリスクも考えていかなければならないことだと思います。市の直営のリスクというものに関してはどういうふうにお考えなのか、お伺いしたいと思います。

◎保健福祉部次長 萩原明美
 現行の運行は可能となっておりますが、そこで運転していただく方の確保ですとか、また、引き続いてになるかと思うのですが、安全運転のための研修、そういったものが大変重要であり、また、課題であると認識しております。社会福祉協議会のほうに委託という形で業務は実施していきますので、そういった経験等もございますので、社協とも連携を図りながら取り組んでいきたいと思っております。

◆ 久保田英賢 議員
 ぬくもり号の実績を調べさせていただきまして、先ほど市長のほうからもご答弁がありましたけれども、各ぬくもり号、非常に伸びているのですよね。買い物にいくに当たっても非常に便利だし、病院に行くにも非常に便利だという声をたくさん聞いております。中には、定員が少なくて、途中で乗れない人も出ているというぐらい、年々乗車数が伸びているという中では、ぬくもり号自体の存在意義というのはしっかりと、先ほどのワーキンググループで考えていっていただきたいと思うのですけれども、1点、市の直営だから、社協事業だったからいいとかということではないのです。いずれにしても、安全対策というものに関しては、法の解釈が変わった部分からにおいては、しっかりと市としては行っていくべきだというふうに思います。そういう中では、運行に関しては、交通事業者をも含めて検討していくべきだと考えますので、その辺、ワーキンググループの中で、交通網の整備の問題と、そして、ぬくもり号のあり方をしっかりと考えていっていただくことをお願いして、この質問は終わりにしたいと思います。