平成30年9月19日【学用品等経費負担のあり方】

平成30年9月第3回定例会 30.9.19
「学用品等経費負担のあり方」 
                         
◆ 久保田英賢 議員
 創志会の久保田英賢でございます。議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、市政に関する一般質問をさせていただきます。今回は3つのテーマについて質問をさせていただきます。
 1点目の質問は「学用品等経費負担のあり方」についてです。
 平成29年7月に開催された第1回総合教育会議より、学用品等経費負担のあり方を議論されてきました。今まで3回ほどこのテーマで一般質問をさせていただき、その都度進捗についての質問や提案を交えながらの意見も伝えさせていただきました。そして、このたび、8回の検討会議を経て、保護者負担である制服、運動着、教材、修学旅行、卒業アルバム等の費用についての負担軽減策の方向性を示す最終報告書を提出されると伺っております。保護者や先生たちも入っての検討会でここまで議論してきた結果の最終報告書の内容がどのような方向性になったのか、詳細についてお伺いをいたします。 以上、内野市長の明快なるご答弁をお願い申し上げ、この場からの質問とさせていただきます。
               
○議長 倉橋正美 議員
 市長の答弁を求めます。

◎市長 内野優
 久保田英賢議員のご質問にお答えいたします。
 1番目は教育長から答弁させていただきたいと思います。
 
○議長 倉橋正美 議員
 1番目について教育長。

◎教育長 伊藤文康
 1番目の「学用品等経費負担のあり方」についてでございます。
 これについては、私、自分自身が教員をやっているころ、集金袋を本当に何げなく渡して、来週までに5000円。要するにここにお金を入れて持ってきてと言っていること自体、例えば中学の校長になったときにこんなに制服代をかけて、それを保護者に負担させているのかなという自分なりの思いがありました。このことを、我々教育委員会もそうなのですけれども、保護者と学校に十分話し合いをさせたいなという気持ちがあって、昨年からその検討委員会を設置したところでございます。そういう中で、実を言うと他市の教育委員会からは、海老名市がパンドラの箱をあけたと。本当に今まで、公で議論することがなかったことについて議論を始めたところでございます。
 まず、議論の初めにアンケートをとったら、やはり保護者の高値感というか、負担感がすごく大きいことがわかりました。そういう中で、議会の皆さんの理解も得て、補正で彫刻刀とか、柔道着とか、余り頻度のないものについては公的負担を進めたところでございます。そういう中でも、通学服と言われる制服とかジャージ服、あと学用品について、今までの経緯とか、その決定のことが不明確だったことが実際はあります。修学旅行についても、教育課程の中のことではあるけれども、保護者への説明責任が十分だったかというと、それはちょっと疑問なところがありました。この検討の中で私が非常に感じたのは、やはり公正性と説明責任をしっかり果たしていくことが大事かなと思ったところでございます。そういう中で、8回にわたる議論がありましたので、それについて検討、協議をしてきました。報告書が出されましたので、それを受けて、9月の定例教育委員会で教育委員で話し合って、海老名市の方向性を今後出していきたいと考えているところでございます。
1番目の「学用品等経費負担のあり方」の詳細につきましては教育部長から答弁いたします。

○議長 倉橋正美 議員
 1番目の詳細について教育部長。

◎教育部長 岡田尚子
 1番目の「学用品等経費負担のあり方」についての詳細でございます。平成29年7月、去年の7月、保護者負担経費検討委員会を立ち上げまして、第6回の検討委員会まで、学用品や通学用服、ジャージ、運動着等について協議を重ねてまいりました。去年の11月の第3回委員会におきましては、先ほど教育長も答弁申し上げましたとおり、年間を通じて使用頻度の比較的低い彫刻刀、それから柔道着につきまして協議をいたしまして、補正予算で認めていただきましたので、公費で購入して、児童生徒に無償で貸与しているところでございます。また、第7回、第8回、第8回が最終回となりましたけれども、検討委員会では、そこまでの協議を踏まえまして、海老名市保護者負担経費の在り方の報告書について協議いたしました。報告書は3つで構成されておりまして、1つ目が保護者負担経費検討委員会について、そして2つ目として保護者負担経費に係る現状と課題を整理して、3つ目として保護者負担経費の在り方についての提言ということでまとめております。この提言につきましては、第6回まで協議してまいりました通学用服やジャージ、修学旅行につきまして一定の方向性を示しております。また、小学校6年間、そして中学校3年間で保護者が負担する経費、そして、その負担のスケジュールについて学校から保護者に説明するということを明示しております。今後はこの提言を踏まえまして、適宜見直しを図りながら、よりよい取り組みになりますように努めてまいります。
 以上でございます。

◆ 久保田英賢 議員
 ご答弁ありがとうございました。それでは、順次再質問させていただきます。
 「学用品等経費負担のあり方」に関しては、本当に短い時間の中で、中身の濃い議論をしていただいたなと評価をさせていただきます。柔道着、彫刻刀においては実際にもう実施をされていて、たまたま同僚の宇田川議員と先ほど話していましたら、柏ケ谷中学校の運動会でバザーがあったのですけれども、柔道着は余り買わなかったらしいです。というのは、柔道着が提供されるということの写しでもあるのかなと感じておりました。
 報告書は3つの視点から構成をされているということであります。検討委員会について、現状と課題、そして保護者負担経費の在り方についての提言で構成をされているということですけれども、この提言が一定の方向性を示されているとお聞きしておりますので、具体的な提言の内容に関してお伺いをしたいと思います。

◎教育部長 岡田尚子
 あり方についての提言でございますが、制服、ジャージ服、上履き、運動用Tシャツ等について提言をしております。
 制服につきましては3つです。各学校で制服の仕様書をつくって、業者に広く周知することによって、取扱店とか、それから販売店の拡大を図って保護者負担を軽減していってほしいという提言でございます。また、市のホームページに各校の販売店、価格等を公開することで、入学前から保護者が情報を入手できるようにしてほしいということ。それから、制服の仕様を変更する場合は、生地がどうしても特注だったりする学校がまだ多いと聞いております。その部分については、汎用性があって、流通している生地を使用するようにということ。そして、制服のリユースの方法についても検討してほしいという提言です。
 また、ジャージ服につきましては、各学校で選定委員会を組織して、仕様書をつくって、コンペティションですね。プレゼンテーションなどを含めたコンペを行うこととして、それから、決定業者との契約期間は大体3年から6年が目安かなというふうな考え方を提言しております。また、ジャージ服はカラー、学年で色を分けたりしていますので、その必要性についても各校で議論を行ってほしいという提言でございます。
 上履きにつきましても、各校で選定委員会を組織して、コンペティション方式がいいのではないだろうかというお話と整理しております。
 また、運動用のTシャツとか短パン、それと制服の内側に着るワイシャツとかポロシャツなのですけれども、こちらも仕様を定めた上で、自由化が望ましいとさせていただいています。既に実施している学校もありますけれども、全ての学校で来年度の入学生から実施できることが望ましいといったところまで提言しております。また、学校で指定していなくても、販売店が推奨品というふうに言ってしまうと、これを買わなくてはいけないのかなと思ってしまう親御さんもいらっしゃいますので、もし自由化されている場合は、基本の仕様に沿っていれば構わないのですよということをしっかりと周知するといったことも提言しております。
 その他の取り組みといたしましては、修学旅行ですとか教材、卒業アルバムについても記載をしております。
 以上でございます。

◆ 久保田英賢 議員
 ありがとうございました。内容として本当にいろいろと変化を導き出していただいていて、何よりも、先ほど教育長もお話しされていましたけれども、学校のみんなで考えて、保護者も、子どもも、先生も、みんなで考えて、そして自分たちのものをつくり上げていくという部分。そして、公正、公平で、適正な価格を導き出すというやり方に関しては、よくここまでスピーディーに対応していただいたなと思っております。特に運動用のTシャツとか短パン、ワイシャツ、ポロシャツというものに関して、もう早速来年度から、ある程度の基準を満たせば自由でいいよという部分に関しては、本当に保護者の皆さんは助かるのではないかな。私も保護者の1人なのですけれども、非常に助かるなと思っております。
 1つとして、平成32年からジャージの部分で、先日も海老中が早速コンペを行ったと伺っておりますけれども、例えば制服とか、ジャージとか、上履き、6校ありますけれども、この辺のことに関して具体的に、海老中はこの間やられましたけれども、今後どこかの学校でどんどん進んでいきますよというような計画があるかどうか、あれば教えていただきたいと思います。

◎教育部長 岡田尚子
 今のところ具体的な学校名は挙がってきておりませんけれども、これは先行的に実施しているもので、試行ということでやめることではなく、一定の実績が出ておりますので、ここを皮切りに進めて、促進できればなと考えております。
 以上です。

◆ 久保田英賢 議員
 ありがとうございます。やり方として、学校自体はこういう進める部分に関してはなかなか難しいこともあると思うので、教育部、教育委員会のほうでしっかりとフォローしていっていただきたいなと思います。
 リユースに関して、前回も必要性を理解されているというご答弁もいただいておりますし、公立中学校における制服の取引実態に関する調査という公正取引委員会から出されているものでも、リユースというものに関しては促進をしていくようにというようなお話がありました。ぜひ仕組みを確立していただいて、新品を買うときにも、同じような形でリユースという選択肢もあるのだよということを各学校に周知していただきたいなと思います。
 制服等の部分に関してはこれで一定のめどがついて、これから具体的に、やり方としては、各学校で検討会をつくって、それから進んでいくということができました。報告書の中に、教材、修学旅行、卒業アルバムに関しても方向性をということでありましたけれども、修学旅行と、特にアルバムの部分に関してはどういう方向性でお考えになられるのか、お伺いしたいと思います。

◎教育部長 岡田尚子
 修学旅行と卒業アルバムついてというお尋ねでございますけれども、まず修学旅行につきましては、実施の趣旨ですね。こちらをしっかりと理解していただけるように、説明責任を果たしていくべきであるとしております。さまざまな課題があるということも認識しておりまして、今後の方向性につきましては、別途検討会を立ち上げて検討することも考えております。そして、卒業アルバムにつきましても、やはり学校で選定委員会を立ち上げるということを検討して、学校ごとでコンペ等の実施を検討することとしております。
 以上でございます。

◆ 久保田英賢 議員
 修学旅行に関しては、別途また検討会をつくられるということで、深い議論をしていっていただきたいなと思うのですけれども、先ほど永井議員からも修学旅行の時期の話がありましたが、やっぱり場所の問題という部分に関しては、教育長、毎回毎回説明責任と言っていただいているので非常に重要なことだと思うのですけれども、これは多分1年生のときに決めますよね。3年で行く修学旅行の場所の選定は恐らく1年生で決められると思うのですけれども、その1年生の段階からしっかりと、ここに修学旅行に行くのは、こういう目的だから、ここなのだ、だからこういう行程でこの修学旅行をうちの中学校はやるのだというような議論というのはしっかりやっていっていただきたいなと思いますし、費用の問題に関しても、こういう行程で、このように考えて、こういう仕様書ができました。だから、各旅行会社、自分のところで提案できるようなものをしっかり出してきてくださいというようなやり方が適当なのかなと思います。私はそのように思う中で、また別途検討会をつくっていただけるということなので、しっかりと深い議論をしていっていただきたいなと思います。
 卒業アルバムもなのですけれども、ちょっと聞いたお話の中で言うと、1年生、2年生で撮りためて、3年生で卒業アルバムに使うというところなのですけれども、ある学校で、1年生、2年生で使っていた業者と3年生でアルバムをつくるときの業者が違って、その写真がないというようなことがあったと聞いております。卒業アルバムに関しては1学年から3学年まで、やっぱりセットだと思うのです。そういう中では、どういう形でやるにせよ、仕様の問題としては1年生から3年生まで、しっかりと3学年の面倒を見ていくのだというような形での仕様にしていっていただきたいなと思います。この点に関しては要望とさせていただきます。
 次に、先ほどもお話ししましたけれども、海老名中学校で今回、実際にコンペを行われたということです。ジャージのコンペを行われたということなのですけれども、このコンペは具体的にどういうやり方でやったのか、実際やった形の中でどういう選定をされたのかということをお伺いしたいと思います。

◎教育部長 岡田尚子
 海老名中学校のコンペでございますけれども、まず、選定委員会を学校で設置しまして、その準備段階からは市教委もしっかりとかかわった中で、8月21日と23日の両日でコンペを実施いたしました。こちら予想を上回る13社が参加しまして、1社当たり3つの提案までということで設定をしておりましたので、合計で36の提案がございました。審査の結果、制服メーカーが提案した製品、ホームページにも結果を掲載させていただいていますけれども、来年度からその製品を採用することにいたしました。価格的には現行よりも2割安く、さらに質も向上しているというふうな判断ということです。
 以上です。

◆ 久保田英賢 議員
 予想を上回る13社ということで、やっぱり社会的にも関心を持たれているのかなというふうにも思いました。そのコンペをやる部分に関して、実際審査基準とか、要綱とかをつくってこられてきていると思います。選定委員もいられると思いますけれども、その要綱とかという部分をつくり上げるとき、もしくは審査をする、点数をつける、そういうものも拝見をするとつくられていると思いますけれども、この部分というのは検討会で議論をして、じゃ、こういう格好で要綱をつくっていきましょう、もしくは点数の配分はこういう形でしましょう、そんな議論が検討会のほうであったのか、どうなのか。そのことと、あとは選定委員というものに関してはどういうメンバーでやられたのか、お伺いをしたいと思います。

◎教育部長 岡田尚子
 こちらの検討委員会では、コンペの実施を推奨するというそこの提言まででございます。選定委員会に関する要綱ですとか基準につきましては、海老名市教育委員会事務局が学校と調整をしながら作成しております。
 なお、財務上ですとか、それから商取引とか、いろいろな法律面で違法性があってはなりませんから、そこをきちんと担保できるように市長部局ともやりとりしながら、また、必要に応じて公正取引委員会の助言ももらいながら、そういった基準や要綱については作成しております。また、選定委員会の構成でございますが、今申したとおり、教育委員会も積極的にかかわってサポートはしているのですけれども、委員は、校長、教頭、総括教諭、それから体育と家庭科の教諭、保護者2名の合計8名で構成をされております。
 以上でございます。

◆ 久保田英賢 議員
 わかりました。市長部局を含めて、しっかりとそのプレゼンテーション、プロポーザルのやり方なんていうことも精査をしていっていただいているということであるので、それはそれで安心しました。やはり学校現場に全部それをやってくださいといっても、正直、その部分に関してはなかなかプロではないと思いますので、契約検査課であるとか、そういう市長部局の中でしっかりとアドバイスをもらっていく中でのプロポーザルのやり方というものは非常に重要かなと思いますので、その点に関しては引き続きお願いをしておきたいと思います。
 今回13社の中で1社が選ばれて、価格が約20パーセント落ちて、価格だけでなくて、よりいいもので選ばれたということは非常に望ましいと思います。その中で実際、今回選ばれた業者、4月からそれを子どもたちが着るわけですけれども、保護者目線の中で考えると、今回業者がかわったわけです。利用の仕方とか、購入の仕方とか、その点に関して変わることがあれば教えていただきたいと思います。

◎教育部長 岡田尚子
 販売の方法につきましては、コンペの中で、業者のプレゼンテーションの中で、選定委員会のほうが確認をするという作業も必ず含まれておりまして、今回選定された業者についての販売ルートでございますけれども、販売店を通しての販売、それから出張販売などです。それから、一部委託業者を通じての販売ということを考えているということですけれども、詳細については今学校と調整中といった段階でございます。
 以上です。

◆ 久保田英賢 議員
 ちょっと伺ったところによりますと、従来制服を買うときに、体操着、ジャージも一緒に買えていたのだけれども、業者がかわることによって、そういうことができなくなる可能性があるということを伺いました。それが便利なのか、不便なのかという部分に関しては主観の問題もあると思うので、ここでの言及は避けたいと思いますけれども、ただ、保護者から言うと、安くなって、いいものになってくれたのはうれしいけれども、制服とジャージをまた別々に買わなければいけないとか、お母さんやお父さん、結構忙しいですから、それにまた、余計に時間を費やさなければいけないとかということになると、今までと変わったのだなという中でちょっと不便さを感じるかもしれない。そういう方もいらっしゃるかもしれないと思いますので、これはこれで実際始まったことなので、もちろんやっていただいた中で、そういう従来と違う形、変わったものであるならば、1回やってみて、どうだったのか。先行されているわけですから、今後の参考にもなると思うので、その辺は実際検証して、保護者の声を聞いて、また次につなげるということは大事だと思いますけれども、教育長、その点に関してはどうでしょうか。

◎教育長 伊藤文康
 この件は忘れもしない、久保田議員の提案で、コンペ方式でやったほうがいいのではないかということで、我々はコンペを実施したわけでございます。それが実現したということです。ただ、本当に安くなったり、今までは1社だけだったという取引に13社も来たということで、それはある程度公正性ができたのですけれども、利用する保護者のほうで何らかの不便があるということなら、やはりそのことは、海老名中学校でも年度年度で見直すことが可能なら見直し、それから、これから行う他の5校。去年新しくしたばかりのものは、すぐはできないでしょうけれども、3年間から6年間のスパンでやるのでしょうけれども、そういう中で保護者が不便だ。要するに保護者と教員が話し合って決めるものですから、保護者の意見を尊重して、見直しを図ってまいりたいと考えています。
 以上でございます。

◆ 久保田英賢 議員
 ぜひ新しい取り組み、教育長は県内を含め、全国的にもパンドラの箱をあけたということですので、あけたら、もうどんどん前に進むしかないと思いますので、よりいいものをしっかりとつくり上げていっていただきたいなと思いますので、よろしくお願いいたします。以上でこの質問に関しては終わります。