平成30年9月第3回定例会 30.9.19
「公立保育園のあり方」
◆ 久保田英賢 議員
2点目は「公立保育園のあり方」についてです。
海老名市のかがやき持続総合戦略の人口ビジョンにおいても、総合戦略の積極的な施策の展開によって今後も人口は増加し、推計では平成38年に約14万人と見込まれております。それに伴い、子どもの数も増加していくと考えられ、保育園についての待機児童問題も今後しばらく続くものと考えられます。市内には、認可保育園24園、小規模保育施設4園で、定員が2145名となっております。そのうち公立保育園は6園ですが、昨年、下今泉保育園が建てかえとなり、それに伴い新たな手法として指定管理による運営となりました。市では子ども・子育て支援事業計画を平成27年3月に策定され、その中で、公立保育所のあり方について取り組みの方向性などを示されています。市全域を考えると、待機児童の状態も地域ごとにまちまちとなっております。また、公共施設の再整備の問題や将来的な人口減少社会を想定した保育行政の方向性や、公立保育園のあり方をさらに具体的に考える時期に来ていると思います。市では現在6園ある公立保育園を今後具体的にどのようにしていこうと考えているのか、お伺いをいたします。
以上、内野市長の明快なるご答弁をお願い申し上げ、この場からの質問とさせていただきます。
◎市長 内野優
久保田英賢議員のご質問にお答えいたします。
2番目の「公立保育園のあり方」についてでございます。
現在、本市では待機児童を重要な課題として捉え、保育園の新設等による定員拡大の取り組みを鋭意進めております。しかしながら、人口減少社会が到来していることから、近い将来、保育需要も減少することが想定されるため、老朽化対策も含め、今後の公立保育園のあり方を整理いたしました。公立保育園のあり方については、平成27年3月に策定した子ども・子育て支援事業計画の中で位置づけております。この中で、公立保育園は保育需要が供給量を下回り、保育施設に余裕が生じる場合には、定員を減少または廃止するなどの需給調整を行い、民間保育園の経営を圧迫することのないよう運営をしていくこととしております。これらを踏まえ、今年度、保留者が大幅に減少したことや園舎の老朽化問題への対応が必要となったことから、今回具体的な公立保育園のあり方を策定いたしました。さらに、現在、平成26年度以降、未就学児の人口は減少を続けておりますので、人口減少社会への対応も加味する必要があるものと判断しております。
◆久保田英賢 議員
2つ目であります。「公立保育園のあり方」についてでございます。
公立保育園でも今、新しくあり方に関しての役割が3つあるということをお聞きしました。1つが障がい児等の保育、年度途中の受け入れ枠の確保、そして市内保育園の指導などの役割というようなことだったと思いますが、それぞれの詳細に関してお伺いしたいと思います。
◎保健福祉部次長 小澤孝夫
1点目の障がい児等の保育につきましては、現在、公立、民間保育所を問わず、障がい児の受け入れを行っております。しかしながら、ここ数年、障害者手帳や診断書を持たない気になる子どもの受け入れが増加傾向にあることから、公立保育所が積極的に障がい児等の特別な支援が必要な児童を受け入れる役割があると考えているものでございます。
2点目の年度途中の受け入れ枠の確保をするため、年度当初の受け入れ抑制につきましては、年度当初は民間保育所の安定的な運営を図るため、民間保育所の入所を優先させております。また、年度途中の入所申し込みは、転入や出産、特に育児休暇明けの1歳児の申し込みが多くなるため、これらを受け入れることができる体制を整える必要があるものでございます。
3点目の市内保育園の指導などにつきましては、公立保育園は職員の年齢構成が民間保育園と比較してベテラン職員が多い傾向にあり、豊富な経験をもとに、さまざまなアドバイスが可能であると考えております。また現在でも、保育の質の向上を目指し、さまざまな研修を実施しておりますが、今後はさらに公立保育園職員が積極的に各種研修を企画したり、参加したりすることにより、海老名の保育行政を牽引していく気概を持っていくことも必要だと考えているものでございます。
以上でございます。
◆ 久保田英賢 議員
1つ障がい児に特化をする受け入れを考えていきますというようなお話でありました。もちろん全体の需要数が減ってきた中での公立の役割だと理解をしておりますが、私が1つお願いしておきたいのは、特化をするような公立の保育園はつくってほしくないなと思います。障がい児に特化するようなものではなくて、今、世の中的にはインクルーシブ、普通学級と障がいの子とをあわせてというようなことが進められている中で、ただ、やっぱり障がいのある子たちに対する対応とかは非常に難しい部分もありますので、そういう部分は公立が少し先導していくというようなところでの役割を担っていただければなと思います。もちろん民間の園にそういう障がいのある子が入ることによって、市としては市単での補助もしっかりと入れていただいておりますし、それに対応できるようなこともやられていますので、そういう意味では、公立だけではなく、広くみんな受け入れはするけれども、公立としてリードしていくのだというような形でお願いをしておきたいなと思います。
1点、今補助をいただいているのですけれども、例えば障害者手帳とか療育手帳を持っている方々に対してはそれぞれの段階で補助をいただいていますけれども、手帳も持たないけれども、グレーのところで対応が非常に難しいという声を各園で聞いておりますので、グレーな方々に対しても園は先生をみずからつけられているのですね。加配されているのですよ。そういうところに関しての実態も見ていただいて、必要があれば対応ができるような体制をとっていっていただきたいなと思います。公立保育園の部分の障がい児というところで言えば、繰り返しになりますけれども、まずは公立保育園としての役割は全体のリードをしていくのだというところをしっかりとやっていっていただきたいなと思います。
次に、公立保育園のあり方の中で地区別についての考え方ということにも触れられております。北部、中部、南部というところで、基幹の公立保育園をつくっていくのだという中での考え方に関して詳細をお伺いしたいと思います。
◎保健福祉部次長 小澤孝夫
地区ごとの計画の詳細でございますが、まず北部地区につきましては保留者が一番多い地区となっているため、当面の間、受け入れを確保いたします。園ごとに申しますと、下今泉保育園につきましては、保育所としての永続的な運営を図るため、平成29年に建てかえとともに、定員増を図りました。また、完全民営化に向けた段階的取り組みとして、平成30年4月から指定管理者制度を導入し、5年間の指定管理期間中に良好な運営が実施できた場合は指定管理者に対し運営を移管し、完全民営化を図ってまいります。柏ケ谷保育園につきましては、北部地区における基幹施設として存続させますが、将来的に児童が減少し、保育需要が減少した際には定員の減少をしてまいります。
次に中部地区ですが、保留者が北部地区に次いで多い地区となっているため、こちらも当面の間、受け入れ数を確保いたします。中新田保育園につきましては、道路網に恵まれ、車での登園が比較的容易であることから、中部地区における基幹施設として存続させ、将来的に児童が減少し、保育需要が減少した際には定員の減少をしてまいります。また、勝瀬保育園につきましては、今後とも保育需要が見込めるため、民営化を図り、新たな事業者のもとで国庫補助を受けながら、施設の建てかえを図ることが効率的であると考えております。
最後に南部地区ですが、保留者はおおむね解消されており、定員に余裕のある施設の割合も3つの地区で最も高いものとなっております。このため、早い時期から定員の調整を検討すべきであると考えております。門沢橋保育園につきましては、新設園の開設などで門沢橋保育園の周辺地区については3年連続で保留者が減少する状況が続いていること、また、建物の老朽化も進んでいることから、将来的な供給過多を勘案し、廃止としたものでございます。最後に、上河内保育園につきまして、南部地区における基幹施設として存続させ、門沢橋保育園を廃止しても、なお保育需要に余裕がある際には定員を減少させ、余裕のある保育施設については他の用途への転用を検討するものとしてございます。
以上でございます。
◆ 久保田英賢 議員
今回の計画に関しては、子ども・子育て支援事業計画から、さらに公立保育園の具体的なところに深く突っ込んだ形でのものになっていると思います。見ると、最終的には、柏ケ谷、中新田、上河内というところで、勝瀬保育園は民営に、そして門沢橋保育園は廃止というところでありますけれども、その勝瀬保育園においても5年をめどにというところで、なぜ5年のスケジュール感なのか。報告書を見ますと、海老名小学校、中学校との再編のことも含めてなんていうことも書かれていますけれども、このスケジュールをどのように捉えていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
◎保健福祉部次長 小澤孝夫
勝瀬保育園につきましては、5年以内をめどに民営化を進めてまいりたいと考えておりますが、具体的なスケジュールは現時点では決まっておりません。今お話しにありました教育委員会で検討をしている海老名小中学校の再編計画と整合を図り、民営化移行時期を判断したいと考えております。しかしながら、5年後には調理師の職員が2名退職することもありますので、移転を含めた建てかえ計画の整理がつかない場合は、先に民営化を図ることも考えたいと考えております。
以上でございます。
◆ 久保田英賢 議員
全体の考えがある中で、勝瀬保育園は駅から近い、そして規模的な問題も含めて民営化するのが望ましいというようなご判断なのだろうと思います。その中で建てかえをするなら、万が一、海老名小学校、中学校の移転の問題等と絡めるならば、勝瀬保育園を違う場所に建てる可能性もあるということなのかなと思いますが、これはあくまでも計画なのだろうと思います。これから西口の中でまだまだ人がふえてくるときに、駅から近い勝瀬保育園の扱いがどのようになるのかということは、これからまだいろいろと議論するところが多分あると思います。計画は計画として示すものがなければならないと思いますので、しっかりとその状況を見た中で進めていっていただければなと思います。
門沢橋保育園は10年以内にというようなことがありました。計画書を見させていただくと、廃止4年前から募集停止というようなことももう具体に載っています。この辺は、今は保留者は少ないですよと言っていますけれども、人口とのバランスとか、いろいろなことの中で考えていかなければいけないと思いますけれども、この辺のタイミングというのはどのあたりでしっかりと判断をされていこうと考えられているのか、お伺いしたいと思います。
◎保健福祉部次長 小澤孝夫
門沢橋保育園の廃止の時期ですが、10年以内に考えてございますが、南部地区の保留者がゼロになったとき、こちらが廃止に向けての目安と考えております。周辺の民間保育園を含めた申し込み状況や入所状況にあきが出た場合に、廃止時期を判断してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆ 久保田英賢 議員
ありがとうございます。民間保育園がたくさんできて、そして保留者の数を減らしていこうということで、市もいろいろな施策の中で取り組んでいます。そういう中で公立保育園のあり方が今回具体的に示されました。この部分というのは、来年4月から入所を希望される方々にとってみたら、将来公立保育園が3つになってしまうのというような部分に関しては、やはり驚きが多分出てくることだろうと思いますので、方向性としての考えは、市の考えとして尊重できるものでありますけれども、説明責任というか、なぜこうなのだというところに関しては、特に利用されようとする入園を希望されている市民の方々にはしっかりとお話をしていっていただきたいなと思いますので、よろしくお願いいたします。この問題はこの程度にさせていただきます。