平成30年6月第2回定例会 30.6.12
「障がい児・者に対する支援」
◆ 久保田英賢 議員
2点目は、「障がい児・者に対する支援」についてです。
平成23年に市議会議員に当選させていただいてから、「障がい児・者に対する支援」についてのテーマで、過去4回質問をさせていただいております。私自身、ライフワークとして、このテーマもシリーズで質問をさせていただきます。昨年度、基本理念、ともに認め合うまち・海老名宣言も策定され、障がい者福祉に対する取り組みについてさまざまな施策を展開されており、高く評価をしております。しかし、現状を見ますと、障害者自立支援給付費も、サービスなどの充実により年々増加し、平成28年度決算では20億円を超え、平成30年度の予算を見ると24億800万円となっております。また、障がい者の数を見ますと、平成28年では4859人のところ、平成29年には5103人となっており、特に精神障がい者においては、856人から1006人と17.5%の増となっております。
今年度、平成30年度から平成32年度までの3年間を計画期間として海老名市障がい者福祉計画が策定されました。ここでお伺いをいたします。海老名市が考える障がい者を取り巻く現状と課題について、どのような認識をされているのか、また、今後3年間の計画の中でその課題についてどのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。
以上、内野市長の明快なるご答弁をお願い申し上げ、この場からの質問とさせていただきます。
○議長 倉橋正美 議員
市長の答弁を求めます。
◎市長 内野優
久保田英賢議員のご質問にお答えいたします。
2番目の「障がい児・者に対する支援について」でございます。
本市では海老名市障がい者福祉計画第5期をことし3月に策定いたしました。この計画に基づき、障がいのある方が住みなれた地域で、いつまでも安心して、自分らしく生活が送れるよう、さまざまな障がい福祉施策に取り組んでおります。新たな障がい者支援として、就労支援と生活環境の充実に取り組むことを同計画に盛り込んでおります。
障がい児支援については、今年度、子育てと教育の部門を集約した、えびなこどもセンターを設置いたしました。同敷地内のわかば学園や、えびりーぶとの連携により、ライフステージに応じた支援を切れ目なく提供するための一貫した支援体制を構築していく考えであります。今後も、市内のあらゆる支援機関が連携して、この計画の基本理念、ともに認め合うまち・海老名宣言の実現に向けて、支援体制の充実に取り組んでまいります。
2番目の詳細については理事兼保健福祉部長から答弁いたします。
以上でございます。
○議長 倉橋正美 議員
2番目の詳細について理事兼保健福祉部長。
◎理事兼保健福祉部長 橋本祐司
2番目の「障がい児・者に対する支援」についての詳細でございます。
海老名市障がい者福祉計画第4期の目標であった障がい者の地域拠点整備については、障がい者支援センターあきばの開所を初め、市内障がい者施設が充実したことから、目標については達成したと認識してございます。また、専門性あるいは個別性の高い支援についても充実してきていると認識をしているところでございます。
第5期計画の3年間の中では、まず、市内就労支援事業所等と連携を図りまして、福祉的就労の充実を図るとともに、工賃向上を目的に共同受注窓口を設置いたしまして、障がい者の安定的な就労機会の確保にも取り組んでまいりたいと思ってございます。
次に、生活環境についてですが、障がい者が自立した生活を実現するためには、居住の場の確保が重要であると考えてございます。
しかしながら、障がいへの理解不足などによりまして希望する住まいでの生活をすることができないといった問題もあると聞いてございます。こうしたことから、市では、障がい者が地域で希望する住まいでの生活が送れるように、海老名市自立支援協議会、あるいは海老名市差別解消支援地域協議会などとの連携によりまして、また、不動産業者などに障がいへの理解を深める働きかけを行い、障がい者の生活環境の充実に取り組んでまいりたいと思ってございます。
いずれにしましても、今後も障がいについて理解を深めながら、寄り添う気持ちを持った支援を行ってまいりたいと思ってございます。
以上でございます。
○議長(倉橋正美 議員) 久保田英賢議員。
◆ 久保田英賢 議員
続いて、「障がい児・者に対する支援」についてです。
今まで4回の質問を行わせていただいた中で、一貫してお話をしたことは、切れ目のない支援ということをずっと言わせていただきました。出産から幼少期、そして学齢期、成人期、そして老齢期まで、その切れ目のない支援、障がい者に対する切れ目のない支援が必要だというお話をさせていただきました。
特に就学前から学齢期においては、その支援の部分が、福祉と教育が混在するのですね。そして、その混在する部分が非常に重要という部分に関してもお話をさせていただきました。前に奈良県の橿原市で取り組まれている子ども総合支援センターでは、乳幼児期から就労までの教育部門と福祉部門が一体となって、切れ目のない支援を行っている、自立に向けた支援を充実させているというようなこともご紹介しました。障がい者の自立というものをどうやって考えるかということなのですが、やはり自分では全く、全てのことはできない。自立とは、健常者と同じことができることが自立ではないと思います。
その障がい者の人たちが、いかにいろいろな支援につながって、そして必要な支援をしっかりと受けることができて、その人らしい人生につながっていく、その人らしい自立につながっていくことだと私自身は思っておりますし、そのためには、やはり小さいときから、しっかり将来の自立に向けた目標を立てるべきだと思うのですよね。そして、その目標にたどり着くために、どんな取り組み、どんな支援をしていく必要があるのかということを考える仕組みが必要だと思っております。
こんな観点から、今、海老名市では、乳幼児期から、健診でまずいろいろと気になる子がいた場合は、その取り出しをして、にこにこ教室とか、ちびっこ教室で集団を見る、そして保育園、幼稚園の集団の中では、保育所等訪問支援であるとか、出張療育相談であるとかいうようなもので、先生や、もしくは直接見て気になる子の支援につなげていく、そんなことが行われていると理解しております。
わかば学園や、グランメールなどという児童発達支援事業所との連携もしっかりとやられているのだなということは、非常に感心しているところなのですが、ここから先の就学につながるところが、やはり非常に課題があると思っています。
それで、まずお伺いしたいことは、小学校入学後に、例えば課題がある子に対しては、担任の先生が、学校の中だと教育相談コーディネーターに相談が行って、学校訪問相談員、臨床心理士につなげて、本人とか、保護者とか、あと先生とかといろいろと連携をしながら支援をしているということを伺っておりますが、現在で、この点に関して変わった点というのは、あるのか、ないのか、お伺いしたいと思います。
◎理事兼保健福祉部長 橋本祐司
今まで学校と福祉の分野というものは、基本的には療育というふうな形で、就学前の部分のお子さんたちに対しては対応をしていました。さらに学校に就学というような形になると、今度はお子さんが学校の中に入っていきますので、そこのところで、福祉の支援というのが少し手薄になってくるところがございます。その辺を一体的にやるような考え方は、厚生労働省と文部科学省の中で一定の整理されて、その考え方が市町村のほうにおろされてきているというような実態はございます。
以上です。
◆ 久保田英賢 議員
例えば、そういう小学生が福祉のサービスを受けたいという形、今まで全くその就学前の相談でではなくて、学校で多少課題があるかなと言って、その福祉のサービスを受けていきたいと言った場合に関しては、窓口はどこで、どのような支援が受けられるのか、お伺いをしたいと思います。
◎理事兼保健福祉部長 橋本祐司
基本的には、お子様のというか、障がい者の支援そのものに対しては、福祉のほうの窓口で支援計画をつくって、それに対していろいろなサービスを受けられるような形をとりますので、まずは福祉部門、保健福祉部のほうでの対応というような形になろうかと思います。ただし、学校の中で、またいろいろな支援を受けるというような形になると、そこはそこで、また学校の中での対応というものはあろうかと思ってございます。
以上です。
◆ 久保田英賢 議員
福祉の面で言うと、障がい者の支援の利用計画をつくられていくというお話です。これは障がいのサービスを受けるために、そういう支援計画が必要だということだと思うのですが、学校の中ではそういう計画的なものはどのような形で行われているのか、お伺いしたいと思います。
◎教育部次長 小宮洋子
まず、小学校の入学時に就学相談を受けた児童については、えびなっ子すまいるシートというツールを活用して、学校と連携した支援を行っております。先ほど議員がおっしゃったように、就学相談にかからなかった児童については、課題等を把握したときに校内の支援委員会等で情報共有を図り、適切な支援、指導等について検討を行っているという現状でございます。
以上です。
◆ 久保田英賢 議員
そうすると、学校の中では、そのすまいるシート、見せていただきましたが、それを使いながら、その子の計画を立てていく。逆に福祉は福祉で、支援の計画、サービスを受けるために、また計画を立てていく。このそれぞれの計画の連携というものは、それぞれの中で計画をつくるときに、例えば学校側が計画をつくるときに、では、福祉サービスとの連携をとられているのか、また、福祉のサービスを計画するときに、学校からの意見を聞いているのか、その辺に関して双方からお伺いしたいと思います。
◎理事兼保健福祉部長 橋本祐司
今、議員がご指摘されたところが、まさに今、就学を伴っている障がい児の方に対する支援についての大きな課題になっているかと思ってございます。残念ながらというか、まだ完全な形で、教育のほうと福祉のほうの連携がとれていないというところが現状かなと思ってございます。今後そこについては、まさに、仕事の部分が、こどもセンターというようなところもできましたので、そういった中での連携を図っていく必要があるなと思ってございます。。
◎教育部次長 小宮洋子
ただいま出ましたように、課題はまだあるところでございますが、例えば、昨年度から始めたこのえびなっ子すまいるシートについても、作成については、わかば学園の職員等と連携して、入学した後にもこのすまいるシートで、その後のその子の様子を見とっていきながら、そこに、わかば学園の職員がまた訪問するというようなことも始めておりますので、今後さらにそういう部分を強化してまいりたいと思っております。
以上です。
◆ 久保田英賢 議員
本当に、その1人の子に対しての支援の計画が、学校は学校の中での計画があって、福祉は福祉の中での計画があって、もちろん、ともにその子が将来にわたって自立をしていくために必要な、その計画になっているとは思うのですが、その2つの計画の連携が非常に課題だと思います。先ほど部長のほうからも話がありましたが、5月24日付で通達が出ておりまして、その教育と福祉の連携ということが、もう新聞記事にもなっております。
そして、やはりこの部分が、今まで、学校は学校の中での支援をしっかりとやっている。だけど、放課後の部分に関して、家にいる部分に対してというのは、やはり福祉が見ている。そして、その連携、24時間の時間の枠で考えれば、一緒にその子が成長していくための計画を考えていくということは非常に重要なことだと思います。まさにそのすまいるシートと支援計画が、海老名版の中で、何か一緒になって、その子1人に対して、将来に向かっての計画をつくれるように、ぜひ要望をしていきたいと思います。
海老名市では、先ほども話がありましたが、今年度よりこどもセンターができました。まさに今のようなところの連携ということが考えられているのかと思いますが、この障がい児に対する支援の連携に関しては、どのような動きがあるのか、お伺いしたいと思います。
◎理事兼保健福祉部長 橋本祐司
4月から、こどもセンターが開設されまして、こどもセンターとしていろいろなことをやっていこうというような大枠での考えというのでしょうか、そういったものも持ってございます。それらを具体に解決していくために、関係する機関の中で、まず、えびなこどもセンター連携会議という課長レベルでの会議を構成させていただいてございます。こちらの会議の下部組織というような形で3つの、これは担当者で構成する会議を、部会をまたつくらせていただいてございます。具体的には、こども療育・教育連携部会、あるいはこども貧困対策連携部会、もう1つがこども健康管理連携部会、こういったものをつくって対策をとっていこうと思ってございます。
以上でございます。
◆ 久保田英賢 議員
もう、まさにそのこどもセンターならではのことなのかなと思います。こどもセンターがあり、わかば会館には児童発達支援センターもありますし、えびりーぶもあります。やはり海老名市はそういう資源がすごくたくさんあると思うのですよね。その資源をどうやって、誰が連携をしていくのか、そして、その1人の子どもに対して、その子の将来の自立に向けたことを、やはり早い時期から計画を立てていく必要があると思います。でも、福祉の面でも、17歳までが児童福祉法で、18歳から障害者総合支援法になって、サービスが変わってくるという部分の壁という、その連携も、やはりあると思いますので、ぜひそういうこども療育・教育連携部会で、その辺の連携が深められればなと思います。
ちなみに、この部会ですが、どんなメンバーで、どんなスケジュールで、どんなことを進めていかれようとしているのか、もし構想があればお伺いしたいと思います。
◎理事兼保健福祉部長 橋本祐司
メンバーですが、こども育成課、子育て相談課、あと障がい福祉課、わかば学園、保育・幼稚園課、教育支援課、えびりーぶなどが、このこども療育・教育連携部会のメンバーとなってございます。秋までには一定の検討を進めて、今あらあらではございますが、ある程度のものはお示しできるようにしていきたいなと思って会議を進めている状況でございます。
以上です。
◆ 久保田英賢 議員
ありがとうございました。冒頭にも言いました橿原市ですが、本当にその部分に関しては先進的に、まさに今、海老名市が向かっていこうという部分を、先進的に、もう何年前でしたか、視察に行ってきたときから、すごく感心したわけでありますので、ぜひまた参考にしていただければと思います。
そして、課題をすごく感じているのが、学齢期での支援の計画なのですね。福祉の支援の計画に関しては、今現在、事業所がつくるケースと、セルフプランといって、自分でつくるケースとあると聞いています。そして、ちょっと調べて驚いたことが、その福祉の計画の全体が468件あるうちの447件、約95.5%がセルフプランなのですね。そして、大人のほうでも43.3%がセルフプランということで、やはりサービスを利用するためだけであれば、セルフプランでよいと思うのですが、その子が将来にわたってどうするかということを考えたときは、事業所がそのプランをつくるわけでありまして、その事業所がしっかりと充実をさせていくということと、学校においての計画においては、やはり教育相談コーディネーターが行うと思うのですが、そのコーディネーターも、兼務の方が多いと。担任を持っていたりとか、もしくはほかの専科との兼務があったりということで、この支援の計画を立てる人たちが、福祉においても教育においても、専任の人がなかなか手薄であると。
やはり私は、その切れ目のない支援というのは、幼少期から将来にわたってその計画をしっかりと立てる、そこに寄り添っていく人が非常に重要だと思っておりますので、ぜひそんな充実をお願いして、一般質問を終わらせていただきます。