平成30年12月11日【小中学校給食の現状と今後のあり方】

平成30年12月第4回定例会 30.12.11
「小中学校給食の現状と今後のあり方」 

◆ 久保田英賢 議員
 3点目は「小中学校給食の現状と今後のあり方」についてです。
 平成28年5月現在、国公私立学校において学校給食を実施している学校数は全国で2万9959校、実施率は95パーセントで、完全給食の実施率は92.6パーセントでした。小学校及び中学校における実施率は前年度の92.3パーセントよりも増加していることがわかりました。都道府県別の学校給食実施状況を学校区分で見ていくと、小学校での実施率は99.2パーセントで給食を実施しております。この完全給食率は98.6パーセントであります。中学校での実施率は88.9パーセントであり、このうち完全給食が83.7パーセントであります。一方、神奈川県の公立中学校を見ますと27.3パーセントと、47都道府県中最下位であり、46位の兵庫県の62.9パーセントを見ても、断然実施率が低い状況であります。海老名市では、中学校給食において、本年7月に新たな取り組みとして大谷中学校で米飯給食試行をされました。そして、この取り組みを受けて、9月議会に補正予算として57万6000円を計上され、柏ケ谷中学校にも米飯給食が一部試行をされております。小学校は完全給食となっているが、中学校ではミルク給食が基本で、家庭からの弁当持参か注文方式の給食弁当となっておりましたが、今回新たな試みとして米飯給食が試行実施されたこの背景についてお伺いをいたします。
 以上、内野市長の明快なるご答弁をお願い申し上げ、この場からの質問とさせていただきます。
                
◎市長 内野優
 久保田英賢議員のご質問にお答えいたします。
 3番につきましては教育長から答弁いたします。
 以上でございます。
                
○議長 倉橋正美 議員
 3番目について教育長。

◎教育長 伊藤文康
 3番目の「小中学校給食の現状と今後のあり方」についてでございます。
 その中で、大谷中、現在、柏ケ谷中学校のほうで試行しております温かいご飯ということで、米飯を中学校の子どもたちに提供してございます。これは、きっかけは市長のほうから私のほうに相談がありました。市長が、伊藤さん、温かいご飯を子どもたちに食べさせたくないかという話になって、そういう中で、食の創造館は水曜日が、実を言うと、今、米飯の施設はあるのですが、あれを活用していないので、では、その活用は可能でしょうということで、やってみましょうということで、まず試行している今現在の状況です。
 そういう中で、現状の中学校給食の取り組みを自分自身が否定するわけではないのだけれども、大谷中学校で私が見たとき、柏ケ谷中はちょっと時間が合わなくてまだ見ていないのですが、子どもたちが本当にうれしそうだったのです。1つのものをよそうという行為を、小学校6年間で自分たちが給食当番とかなんかしながら、ご飯をよそったりしてみんなでやってきたので、その行為自体をすごく楽しんでいて、弁当とかなんかだと、1人が個別にそこで食べている感じがするのですけれども、1つご飯が入っただけで、みんなが同じテーブルで食べるという姿を見て、ああ、これはやはりさまざまな検討が今後必要なのかということで私自身は考えたところでございます。これからのことですけれども、きっかけとしては市長から相談があって、食の創造館を活用すべきだということで、水曜日は使っていないので、それを中学校に可能な部分を配食するということでスタートしたところでございます。3番目の詳細につきましては金指教育部次長から答弁いたします。
 以上でございます。

○議長 倉橋正美 議員
 3番目の詳細について金指教育部次長。

◎教育部次長 金指太一郎
 3番目の「小中学校給食の現状と今後のあり方」についての詳細でございます。
 食の創造館は、1日、給食約8000食の調理能力を有してございます。現在、食の創造館では、小学校12校分、1日約7300食を調理しておりますが、米飯につきましては、神奈川県学校給食会との役割分担で約3600食の炊飯にとどまってございます。また、水曜日はパンを提供しているということから、米飯ラインは使われていないという状況にございます。そこで、食の創造館のポテンシャルを有効に使い、中学生にも温かいご飯を提供できないかということで、7月に大谷中学校、そして現在、柏ケ谷中学校で米飯給食の試行を行い、その可能性を検証しているところでございます。
 以上でございます。

◆ 久保田英賢 議員
 引き続き「小中学校給食の現状と今後のあり方」の件であります。
 大谷中学校で温かい給食、そして柏ケ谷中でも始めました。私と宇田川議員の子どもは、まさに柏ケ谷中で今その試行で体験をして、アンケートをとってまいりました。非常に喜んでおります。温かいものを食べるということと、先ほど答弁にもありましたけれども、みんなで一緒に何かやるということが、今までなかったことをやるというのがすごく喜びを感じています。そんな中で、大谷中学校は一応試行が終わっていますけれども、大谷中学校の成果というか、課題というか、その点に関してどういうふうにお考えなのか、お伺いしたいと思います。

◎教育部次長 金指太一郎
 大谷中学校での米飯給食の試行の成果と課題でございます。
 今回の試行は、生徒及び教職員計605名を対象に実施いたしました。その結果、食の創造館でご飯を炊く実際のオペレーション、配送時間――車で移動すること、それから残渣量、授業時間への影響などを確認ができたところでございます。また、あわせて行ったアンケート調査では、今もお話がありましたけれども、まさに多くの生徒から温かいご飯がおいしかったという回答が寄せられております。また、冒頭で教育長からお話がありましたけれども、みんなで同じものを食べる、それからクラスのみんなと話ができたという声も多く寄せられていまして、単に温かいご飯がおいしいということだけではなくて、クラスの、もしくは仲間の連帯感、それから仲間意識の醸成が図られるということで、教育的効果も非常に大きいものだということを今回確認することができました。
 なお、課題としましては、配膳室前の床の高さが、中学校については若干高さが異なるということで、配送用の専用の車両が必要になってくるということ、それからコンテナだとか食器類の消耗品の購入、あるいは委託料といった財政的な措置が必要になるということも確認ができたところでございます。
 以上でございます。

◆ 久保田英賢 議員
 ありがとうございました。まさに温かいものというのは本当に子どもは喜びますし、すごいいいと思います。給食弁当を否定するわけではなく、声が出ていたのは冷たいということが出ている中では非常に意味があると思います。一方、今、給食弁当の喫食率が20パーセントを切っているぐらいということで聞いていますけれども、私としても、他の議員からもほかの場面でいろいろな意見が出ている中では、こういうよくて喜ばれていることなら続けてみたらどうなのという意見が出ていると思います。喫食率20パーセントを切った給食弁当に対しての考えというのはどうなのか、お伺いしたいと思います。

◎教育部次長 金指太一郎
 これはこれまでも教育長が何度かお答えさせていただいていますけれども、給食弁当注文方式につきましては、弁当を持参することが困難な生徒への取り組みということで、平成23年度から実施をしたものです。また、献立は市の専任の栄養士が作成をし、民間事業者が調理をいたしますけれども、小学校の給食と同じように、食材は国内産を使う。さらには、調理の際は専任の栄養士が立ち会って、その調理の指導を行う。質の安全は確認が十分確保されているとは考えてございます。また、1食当たりの保護者の負担は食材費250円のみで、献立作成、あるいは調理にかかる費用は全て公費で負担をしているというところでございます。ただ、今お話がありましたように、喫食率については年々減少しているという状況にあると思っています。
 以上でございます。

◆ 久保田英賢 議員
 喫食率も23年度31パーセントぐらいあったものがどんどん落ちている。片やこういう温かいご飯に関して非常に喜ばれていて、効果も上がってきている。そして、ただ食べるだけではなくて、みんなと仲間意識を持って食べていくということが非常に意味があるというご答弁もありました。教育長、まさにご自身も先ほどおっしゃっておりましたけれども、そういう効果があるこういう新しい取り組みをされている中で、今後、中学校給食のあり方、過去にも答弁をいろいろされていますけれども、新たに今思うことをご答弁いただきたいと思います。

◎教育長 伊藤文康
 中学校給食のあり方ということは、我々は、中学校の完全給食を否定するものではなくて、実を言うと、市長も私も、前の議会等でも答弁していますけれども、行く先は地域の自校型の給食に全てすべきであって、それが地域でも活用できるものになってほしいと思っているところでございます。そういう中で、今の給食弁当注文方式は、今後、何年かこの後続けざるを得ないのかとは思っています。というのは、いろいろ考えても、そのときもそうですけれども、すぐに財政的にかなりのお金がかかることでございますので、どの部分でやるか。ただ、自校給食に最後は決着するのだという方向性はそのように持っていますので、それを何らかの形で、例えば少しは前倒しで進めるとかなんかということは考えることはできるかとは思ってございます。もちろんこれは市長部局との調整はしなければいけないですけれども、中学校給食について完全給食を否定するものではございません。それは温かいご飯の前から、なおかつ、温かいご飯で子どもたちの様子を見て、さらにそのことは強くなったのは確かでございます。
 以上です。

◆ 久保田英賢 議員
 教育長から今、さらに完全給食に向けて否定するものではなく、進めていきたいというお言葉を私は聞きましたけれども、その中で、今、学校の再整備計画なんかでのプランがいろいろ出ています。ランチルームの形にして地域開放型にするとか、そういったものは、これは教育部のところではできない中で、こういうことを考えていくところが市長部局だと思いますし、予算編成権を持っているのも市長部局だと思います。というところで、市長としては今の教育長のそういうお考え、また各保護者からの声、そういうものを聞いた中で、市長のお考えをお伺いしたいと思います。

◎市長 内野優
 学校施設の施設整備という問題で答弁させていただきたいと思います。
 教育委員会では9月に将来の再整備計画をつくりました。それにのっとって、ある学校を改修したりするのは誰でもできるのです。そこで質的な向上を求めないといけない。そうすると、その質的な向上を求めるには、基本的に教育長が今言った給食の問題も1つだと私は思っています。そうしますと、私が市長になったときに、選挙のことを言うわけではないですけれども、選挙の争点は、学校給食をそのまま今、中学校の弁当方式、小学校をやっているでしょう。そうすると、相手候補は何でも言うのです。学校給食を復活とか、皆さんもいろいろそうではないですか。困っている面もいっぱいあると思います。皆さんは市会議員として学校給食、中学校復活といっても、現状を理解される人と、理想というか、そういった主義主張を持っていられる方、それとの対立があろうと思います。
 私は、市長になってから平成19年に給食について検討をお願いしたいと教育委員会にお願いしました。教育委員会では議論があった。議論の結果が出て、今の方式と、そういった形で歴史を振り返る。これが10年たちましたから、基本的に今後の学校給食というもの、特に今、小学校はセンター方式でやっています。しかしながら、センター方式だって、子どもはあと何年かすれば減っていくわけです。そうすれば、中学校はできるのは当然なのです。しかしながら、教育長が言うとおり、今後、学校改修をやったときに、今は現状のように子どもがふえていますから、教室をつぶしたり、あるいは特別教室をつぶさざるを得ません。そんなことでいいのかという問題で私ども議論してきたわけです。だから、当然子どもたちが減れば、学校も変わっていくわけです。その部分でどうあるべきかということをしっかりと教育委員会で再度、10年たちましたから、その結論からして、今後の先の10年、20年を見据えたときに、学校給食そのものが教育という観点の中でどうあるべきかというのは十分検討していただいて、その結果を踏まえて市長として判断していきたいと思っています。
 以上であります。

◆ 久保田英賢 議員
 教育長、今、市長からの答弁がありました。市長としては、教育委員会に改めてまた検討していってもらいたい。その中で、完全給食に向けての道筋ができると私は思いますけれども、教育長の考えを改めて伺いたいと思います。

◎教育長 伊藤文康
中学校給食というか、それも含めて、海老名市の小中学校の給食というものは、やはりもう再検討の時期にあるのだろうと私自身も感じております。例えば、今やっているご飯の供給を10年も続けるなんていうことは考えたら、それはまたちょっと違ったりするので、さまざまな施策の中で、財政的に同じところにお金がかかることになる。また、ここ数年の中では、具体で言うと、今泉小学校は確実に増築しなければいけないです。そういう中で、例えば東柏ケ谷小学校のあのランチルームはどれほど有効で、自校給食でどれほどの子どもたちがおいしいと感じているとか、そういうことを考えたときには、ある時期では決断して、もちろん財政、市長との相談の中で、それもちょっと前倒しをする。そういう中で、再度海老名市の中学校給食の完全給食実施も含めて検討委員会を立ち上げて、私としては教育委員会としての結論を出したいと考えております。
 以上です。

◆ 久保田英賢 議員
 ありがとうございます。給食に関しての検討会を立ち上げて、完全給食に向けて物事を考えていくということを今ご答弁いただきました。教育長、改めてもう1回聞きます。再整備を計画していく中の、その計画の中の一環としての中学校の、多分徐々にしかできないと思いますけれども、そういう完全給食に向けて進んでいく方向性でいいという理解でよろしいでしょうか。

◎教育長 伊藤文康
 増改築はその機会になると思いますので、そのことも含めて検討委員会で意見をいただきたいと思っております。
 以上です。

◆ 久保田英賢 議員
 検討会は開かれてやっていただきたいと思うのです。そして、多くの議員からも意見が出ていましたけれども、市民の皆さんにしっかりとアンケートをとって、そういう意見を反映した中での検討委員会を進めていっていただきたいと思っていますけれども、その検討委員会の枠組みの話とアンケートのお話に関して、教育長のお考えをお聞きしたいと思います。

◎教育長 伊藤文康
 検討委員会は、もちろんその対象となる子ども、子どもたちは直接委員会に出られませんけれども、その代表としての保護者、それから学校の関係者、または給食に関する知識を持った方々で構成することになると思います。ただ、市民も含めて第一義的には、その場合は、子どもたちへのアンケートと保護者へのアンケート、それから市民アンケートは実施して、それを資料に、保護者負担経費検討委員会のときもそうでしたけれども、さまざまな意見をアンケートで聞く中で、検討委員会の検討材料とすることは、これはもう前提だと思っています。
 以上です。

◆ 久保田英賢 議員
 ありがとうございました。本当に前向きな一歩、二歩進んだ答弁をいただきました。海老名は今、本当に人口がどんどんふえている中で、住みたい、住み続けたいと市長はよくおっしゃいますけれども、そんなまちになるためには、もちろん子どもたちではなく、しっかりと住んでいる皆さんが生活をしやすいまちにしていくということが重要だと思います。給食の話もしっかりとこれから検討が始まる、そして修学旅行も始まっていくというご答弁をきょういただきましたので、ぜひこれからしっかりと開かれた中で議論を進めていくことをお願いして、私の一般質問を終わります。