平成28年6月第2回定例会 280614
『海老名市における乳児期から成人に至るまでの子育てについて』
2)子育て世代の生活困窮世帯に対する支援策の現状について
◆ 久保田英賢 議員
2点目は、子育て世代の生活困窮世帯に対する支援策の現状についてであります。生活困窮世帯における学力低下の実態も国の調査で明らかになっており、海老名市においても平成26年度決算の実績を見ますと、就学援助を受けている児童が全体の9.4パーセント、生徒においては12.1パーセント、合計1114人となっています。前回の定例会において西田議員の一般質問でも同様のテーマがありましたが、改めて生活困窮者に対する支援策の現状についてお伺いをいたします。
◎市長 (内野優)
2点目の子育て世代の生活困窮世帯に対する支援策の現状についての詳細につきましては小澤保健福祉部次長から、教育部所管部分につきましては教育長から答弁いたします。
以上でございます。
◎保健福祉部次長 (小澤孝夫)
1番目の「海老名市における乳幼児期から成人に至るまでの子育て」の2点目、子育て世代の生活困窮世帯に対する支援策の現状についての詳細でございます。子どもの貧困対策は、貧困の世代間連鎖を断ち切ることが必要となっております。このため、海老名市では、子どもの貧困対策については、セーフティーネットである生活保護を活用した経済支援を行いながら、あわせて、親の就労支援も充実させております。特にひとり親家庭については市役所の就労支援に加え、ハローワークの特別な職業訓練も受けることができるため、大部分の方が就労に結びついております。こうした支援が実り、生活保護から自立し、結果として生活保護世帯の子どもの数が毎年減少しております。
なお、貧困から立ち直っていただくためには、親や子どもたちに寄り添った対応も必要でございます。このため、今後も生活保護制度を活用し、学校や児童相談所とも連携したきめ細かな支援を継続してまいります。
○議長 (森下賢人 議員)
教育部所管部分について教育長。
◎教育長 (伊藤文康)
2番目の子育て世代の生活困窮世帯に対する支援策の現状についてでございます。これについては先ほど佐々木議員にお伝えしていますように、まずは就学援助制度がございます。その点については、就学援助制度の拡充はどのようにできるか、支給の前倒しはどのようにできるか、今、研究、検討を進めているところでございます。今年度から、就学援助世帯を対象に、学童保育の保育料の補助制度も開始いたします。これについては、就学援助を受けている保護者の方については、その子どもの学童の保育料を上限1万2000円で全て公費で負担しようというものでございます。これによって、今まで学童に通わせたいけれども、ちょっとお金がかかるなというご父兄の方とか、何人も兄弟がいる中で難しいなということについては非常に有効な手だてになるかなと思っているところでございます。これについては、保護者の負担軽減だけでなく、保護者の安定的な就労にもつながると考えておるところでございます。いっぱいあるので済みません。
◆ 久保田英賢 議員
2点目の生活困窮に対する支援策についてであります。先ほど就学援助に関してのお話がありました。もう1回確認をしてみたいのですが、通常第1回の支払いは7月ぐらいになるのかなと思うのですけれども、これを前倒しにというようなお話がありました。前倒しできそうかどうか、お答えをいただきたいと思います。
◎教育長 (伊藤文康)
できそうかどうかということなのですけれども、どこの時点で認定するかということだと思うのです。今は6月に入って、税の前年度の状況がわかった時点でそれを認定している状況で、そこまで待たないと前年度の税を確認できないと。ただ、認定としては、例えば子どもたちの児童扶養手当とか、そういうものの認定は前年の8月にできていますので、我々のほうで就学の認定をするときも、さまざまな手帳が出ていたりすることによって、もう既に認定されるということがあるのですよ。それらの条件を鑑みてすると、前倒しで、もう既にこの子は認定できているということがわかった子については支払えるのではないかということで、これは市長からも指示をいただいていますので、そういう点を研究してやれるようになるのではないかということで、私どもは今、進めている状況でございます。
◆ 久保田英賢 議員
ぜひお願いをしたいと思います。前回の西田議員の一般質問のときに、高校への海老名の進学率が99.48パーセントであるというようなことがありました。これはもう非常に喜ばしいことだと思います。ただ、文科省の家計負担の現状と教育投資の水準というものを見ますと、就学援助を受けている生徒の割合が高い学校は平均正答回答率が低くなる傾向があるとか、収入別に見る高校卒業後の予定進路状況を見ると、世帯の収入が高い人ほど四年制の大学への進学率が明らかに高い結果があります。私が今回この問題で言いたいことは、高校の部分もそうなのです。高校の進学のときもそうなのですけれども、やっぱりその上の大学への進学を目指していくというところが貧困の連鎖を断ち切る部分に値をしていくということであります。文科省のほうでいろいろ調査をしている中で、高校を卒業した人と大学を卒業した人との就職においての継続率と、あとは年収の高さというのは、やはり大学を卒業した子たちのほうが高いという結果も出ております。
ただ、海老名市では生活保護家庭の中での高校進学の方々も、皆さんほぼ高校に行かれているということをお伺いしたのですけれども、その進学者数の推移をわかれば教えてください。
◎保健福祉部次長 (小澤孝夫)
生活保護家庭の高校進学率ですが、28年4月に高校へ進学された方は22名いらっしゃいます。また、27年4月ですと16名、その前の26年4月になりますと15名の方が進学をしてございます。
以上でございます。
◆ 久保田英賢 議員
これは対象者全員という理解でよろしいのでしょうか。
◎保健福祉部次長 (小澤孝夫)
高校進学率は100パーセントでございます。
◆ 久保田英賢 議員
恐らく大学までというところは、私も事前にお伺いをしなかったので、ここではお聞きしませんけれども、その先、大学までどうなっているのかなというところを見ていく必要があると思いますし、そういうサポートが後につながる若者支援室にもなってくるのかなと思います。文科省のほうでの教育投資の水準を見ると、大学卒業までに国公立でかかるのが約1000万円、そして、私立のほうで2300万円という数字が出ています。先ほども言いましたけれども、進学先と卒業後の就業状態、生涯賃金を見るとどのような学校段階。要は高校なのか、大学などかに進んだか。そのことによって所得に影響を与えるということを明確に言っております。やはり高校まででいいのではなくて、大学までしっかり支援をしていくのだということ。世帯収入が低い子どもが大学の進学率が低くなるということは予想をされていますし、その子どもの将来にもやっぱり影響を及ぼしていくと私は思います。
生活保護の中に、じゃ、例えば塾に行くお金まで含まれているかといったら、含まれていませんよね。そういう意味では、大学を目指していきたいという意識を持ったときに、西田議員の質問の中にもありましたけれども、やっぱり親の顔色を見て諦めてしまうのではなくて、しっかりとその先を目指せるものが海老名市の中にあるのだというようなことも、私はつくっていく必要があると思っております。その中で自立支援法がありまして、生活困窮者の自立支援法の中で、任意事業でありますけれども、生活困窮者の学習支援事業というアイテムがあります。このアイテムに関して、教育部としてこういうアイテムを使ってみるようなことはどうお考えでしょうか。
◎教育部長 (岡田尚子)
今現在、まさにその制度の内容の確認をしておるところでございます。活用の可能性について研究してまいりたいと思っております。
以上です。
◆ 久保田英賢 議員
まさに国庫補助が入って、生活困窮世帯の子どもたちにそういう仕組みがある。前回の答弁ではまなびっ子の拡充というような話がありました。私、それを否定するわけではないのですけれども、やっぱり現状の部分、大学の進学率というところまで見たときにどうなのだというところに踏み込んでいくことも大切だと思いますので、ぜひお願いをしたいなと思います。
米子市の学習支援ボランティア事業というものを視察してきました。資料は金指教育部次長にもお渡しをさせていただきましたが、福祉と教育が協力をしながら、そういう貧困世帯の子どもたちの教育水準を上げていくというようなことに取り組まれている事業であります。国の制度がある中でありますので、ぜひ海老名市としても研究をしていっていただきたいと思います。この点は終わりにします。