平成27年6月第2回定例会 270611
『食物アレルギーについて』
◆久保田英賢 議員
2番目は「食物アレルギー対策」についてです。
海老名市では、平成25年10月から食物アレルギーなどによる欠食者に対して給食費の還付や、平成26年9月の2学期からはアレルギー対応食の実施もされました。県内でも先進的に対応されていることに関しては、担当の職員の皆さんを初め、栄養士の皆さんのご努力に感謝を申し上げる次第でございます。
さて、全児童を対象にアレルギーの調査をし、最初に行ったアンケートでは600人くらいの方が何かしらのアレルギーがあると回答があり、医師からの診断書などの提出を求め、再々調査を行い、面談等を繰り返した結果、実際に対応が必要な児童は14名であったと聞いております。この14名のアレルギーの原因で多かったのが卵と乳で、この2品のアレルギー対応食をつくり、昨年は提供希望の児童2名に対応をされたとお伺いをしております。
ここで、対象者の変化についてお伺いをいたします。平成27年6月現在、14名の対象からどのような変化があったのか、また、アレルギー対応食の提供希望者2名からどのような数値の変化があったのか、お伺いをいたします。
◎市長(内野優) 久保田英賢議員のご質問にお答えいたします。
2番目の「食物アレルギー対策」についてでございます。
アレルギー対策につきましては、児童、保護者の代替食を希望する声が多く寄せられていることとから、昨年10月からそういった給食の提供を開始しております。詳細につきましては教育長から答弁いたします。以上でございます。
○議長(藤澤菊枝 議員) 2番目の詳細について教育長。
◎教育長(伊藤文康)
2番目の「食物アレルギー対策」の詳細についてでございます。先ほど市長答弁にありましたように、昨年10月から、食の創造館のアレルギー食調理専用の部屋で専任の調理員が調理して、それを専用の容器で代替食を提供しているところでございます。先ほどお話があったように、開始前には600人の子どもたちが何らかのアレルギーがあるということでしたが、そのうち医師の診断書があって、給食の食材で重篤なアレルギー反応を起こす子は14名でございました。その中で乳と卵について代替食を出しておるのですけれども、私もそのところで審議をしていたのですけれども、例えばピーナッツの子がいると、ピーナッツは給食には1回しか出ないのです。それをかえればもう済みますので、それはその分、お金をお返ししているという形で対応しています。
そういう中で乳と卵について、開始前にやはり保護者の方と十分に話し合って、また、それに対応する学校とも十分に話し合う必要がありましたので、お話し合いを何度も重ねた結果、開始時は2名の方、年度途中に2名の方がふえて、昨年度は最終的に4名という形でございます。今年度に入って1年生が3名ふえましたので、現在は児童の推移としては2名から1名ふえて、食の創造館では7名に代替食を提供している状況でございます。
以上でございます
◆久保田英賢議員
アレルギーは、先ほど教育長からも答弁があったとおりに除去と代替をやっていただいている。でも、この代替をやっていただいているというのはもう本当にすばらしいことで、他市にもなかなかないところだと思います。平成27年3月に文部科学省から、学校給食における食物アレルギー対応指針というのが出されました。ここに対応レベルが書かれておりまして、レベル1には「給食の原材料を詳細に記した献立表を事前に配布し、それをもとに保護者や担任などの指示又は児童生徒自身の判断で、給食から原因食品を除いて食べる対応」が重要とされています。要はアレルゲンのもとになっているものをちゃんと親もしくは先生本人が認識をして、除いて食べるということが基本中の基本ですというお話がありました。現在もアレルゲンの食品の一覧表なる献立をつくってもらっています。文部科学省が示しているように加工品の原材料などを把握できる献立表が必要だと私は思うのですけれども、その点に関していかがでしょうか。
◎教育部参事(鷲野昭久)
加工品についての成分の詳細についてということでございます。文部科学省の指針にもあるというお話でしたけれども、海老名市の食物アレルギーの対応の手引にも、食物アレルギー対応の実施方法として、詳細な献立表の対応という項目はございます。現在アレルギーを持つ児童の保護者には、通常の献立表のほかに20品目のアレルゲンを示した対応表を作成して配付しております。保護者、児童、担任がその献立の中からアレルゲンを含む料理を確認して、それを除去するために使用するというものでございます。心配されるのは、保護者、担任の見落としによって起こる事故でございますので、その対応表はシンプルで、見やすくて、しかも、正確な情報を伝えられるということが必要になります。本年5月には保護者からの要望等も受けて、できるだけアレルゲンをわかりやすく表記するように改善を図って、現在の様式に至っております。加工品に含まれる原材料や調味料の中のアレルゲンが含まれている場合も、確実にその情報を提供しておりますが、さらに詳細な情報を必要とする保護者には職員が個別に対応しているところでございます。今後も安全性確保に向けて、加工品の成分表示の情報提供も含めて献立表の内容については研究を行ってまいりたいと考えております。
以上です。
◆久保田英賢 議員
保護者が見て、食べさせないという判断ができるほうがやっぱりいいのですよ。わざわざその成分を確かめるために1個電話しなければいけないというその手間を考えれば、やっぱりリスクはみんなで分散したほうがいいと思うので、特に加工品の部分に関してはぜひお願いをしていきたいと思います。前の議会で日吉議員がアレルギーの職員の研修等に関してご質問しました。学校でやっていたり、神奈川県でやっていますというような話があったのですけれども、今回の指針で「市区町村教育委員会等が取るべき対応」という項目がありまして「研修会の実施及び研修機会の確保」とあります。これは「一定の質を保ちつつ、教育委員会等の職員や全教職員が継続的に学ぶ機会を持つ」とあり、特に全職員が、アナフィラキシーショックの症状が起きたときに、エピペンを打てる実践演習を取り入れた研修を勧める必要があるとあります。現在教育委員会としての研修の取り組み、各学校の取り組みについて伺います。
◎教育部参事(鷲野昭久)
実際に食物アレルギーによりアナフィラキシーショックを起こす可能性がある児童生徒が在籍しております学校では、養護教諭を中心に全職員が該当児童生徒についての詳細な情報を共有し、また、エピペンの使用を含む緊急対応についての研修を入念に行っております。海老名市としての研修は今年度は実施しておりませんが、神奈川県の保健体育課が開催する食物アレルギー緊急時対応研修が7月と10月にございます。また、神奈川県の健康増進課が開催する同様の研修が6月と9月にございます。これらの研修会につきまして養護教諭部会等で積極的に参加を呼びかけるとともに、一般教諭に対しても研修会への参加依頼をしております。研修内容につきましては校内に確実に理解を広げるように依頼しているところでございます。
以上でございます。
◆久保田英賢 議員
その答弁、前回と多分と一緒だと思うのです。私が言いたいのは、そうではなくて、教育委員会がきちんとそれを各学校に言って、必ず受けてもらう。その実践演習というのはもう非常に大きな演習で、実際エピペンを打てるか、打てないかということは、人の命にかかわるところなのです。伺ったらAEDのことは毎年ちゃんと必ず、繰り返しやっていますということを伺いました。こういうエピペンのトレーナーという模擬のものがあります。これを使っての実習というもの、これは各学校にも全部行っていると聞いていますので、そういう県の研修というのはすごくレベルが高いと思いますので、そこはお願いしますだけではなくて、市として必ず定期的に行ってください。そして、例えば初任者研修の人プラスアレルギーを持った人、学年主任の人、その辺の人には必ず毎年行ってもらう。プラスほかの先生も2名、3名ぐらいずつ参加をするということを繰り返していくことによって、誰もがそのときに対応できるというふうになると思いますので、この点に関して、ぜひ具体的に海老名市教育委員会が中心となって行うということをお願いをしていきたいと思います。
次に、食物アレルギー対応の手引を今つくられておりますけれども、その食物アレルギー対応の手引を作成するに至った経緯に関してお伺いしたいと思います。
◎教育部参事(鷲野昭久)
御存じのように、平成24年に食物アレルギーを有する児童が学校給食終了後にアナフィラキシーショックの疑いにより亡くなるという事故が発生したこともありまして、海老名市教育委員会では、アレルギー疾患を持つ児童生徒への対応について、共通の理解と認識のもとで適切な支援が推進されることを願って、平成25年の7月に策定いたしました。
◆久保田英賢 議員
この新しい対応指針ができてから、いろいろと中身は変わっていると思います。学校でアレルギーに対応する委員会をつくるとか、もしくは一定の方針を出すとか、努力義務になっているのだと思いますけれども、それぞれの基本方針を決定していくというものだと思います。今のものがどうだと言うつもりはないのですけれども、やっぱりしっかりと専門家に見てもらって監視をしていくということは、これがもとになって研修にもつながっていくと思います。現在アレルギーの専門家に監修をいただいていることはないとお聞きしていますが、今後、専門家に監修をしてもらうようなお考えはいかがでしょうか。
◎教育部参事(鷲野昭久)
おっしゃるとおり、今、食物アレルギー対応の手引そのものの見直しを行っているところでございます。見直しに当たっては、担任等、誰が見てもわかりやすいようにすることや、給食のアレルギー対応が必要な児童をどの学校でも同じ基準で把握していくこと、具体的には学校生活管理指導表の提出などについて検討しているところでございます。ただいまの改訂作業は、管理職や養護教諭、栄養教諭、給食担当で検討委員会を設置して検討を進めているところでございます。今後は医師等と連携を図りながら食物アレルギー対応の手引の内容の充実を図ってまいりたいと考えております。
◆久保田英賢 議員
お医者さんもいろいろな分野の方がいらっしゃると思います。ぜひアレルギー専門の方にお話を聞いて、つくっていっていただきたいなと思います。そして今、幾つかガイドラインの中でも問題がある中では、管理指導表の提出がない児童に関しても、学校が除去の対応をされているのです。学校保健会のガイドラインには、医師の診断をしっかりと受けた生活管理指導表を出してもらっている人にしっかり対応していきなさいと。そのことによって、本当に重篤な人に対して対応ができる体制になるというふうになっていますので、見直しの中でしっかりその辺の管理指導表の出し方に関してもお願いをしていきたいと思います。
食物アレルギーに関しては専門的な知識が必要だと思います。私はこの委員会にしっかりと専門的な方を置いて、専門的な体制をつくる。人の命にかかわるものですから、ぜひそんなところを要望していきたいと思いますが、教育長のご判断、お考えをお伺いします。
◎教育長(伊藤文康)
代替食が入る前は、子どもたちの中には、小麦とか何かは全てに入っているので、全部食べられないで、おうちからお弁当を持ってきて食べる、隣の子とは違うものを食べる。それが一番悲しいかなと私は思いまして、アレルギーの除去だけでなくて、代替でできるものはそうです。これまでも保護者の方々と本当に個別に話をして、ここはどうしましょうか。要するに代替食を出す前もそのようにお互いに十分やりとりをしながらやってきたので、その辺はとにかく大事にしたいなと思います。それから、命にかかわるということですので、今、見直しているものも一種の監修というか、誰かに見てもらうことが必要だと私は考えております。
◆久保田英賢 議員
保護者が除去をするときの正確なデータがわかる資料と、何か起きたときの先生たちの対応のための研修というものの2つがあれば、本当にいいと思うのです。そこをしっかりと考えていっていただくことをお願いして、この質問は終わります。