平成27年6月第2回定例会 270611
『口腔ケア等対策について』
◆久保田英賢 議員
3番目は「口腔ケア等対策」についてです。
海老名市の平成27年3月1日現在の65歳以上の高齢化率は22.45パーセント、75歳以上の高齢化率は8.92パーセント、平27年2月1日現在の要支援・要介護の認定を受けている方は3707人、そのうち認知症と言われている方の数が2082人となっております。健康な高齢者に積極的な口腔ケアを行うことは、歯科疾患や誤嚥性肺炎を予防するだけではなく、認知症の予防にもつながると言われております。平成22年に厚生労働省研究班が愛知県の健康な高齢者4425名のデータを使い追跡調査を行い、歯の状態と認知症発症の関連を分析した結果、歯が20本以上ある人に比べ、歯がほとんどなく、入れ歯を使っていない人では認知症のリスクに1.9倍の違いがあり、何でもかめる人に比べて余りかめない人では認知症の発症リスクが1.5倍であったそうです。まさに、口腔ケアと認知症の進行については医学的にも立証されているところであります。また、要介護高齢者の直接的死因の上位に位置する誤嚥性肺炎は、介護、医療の現場では大きな問題として取り上げられております。これは、食物や口腔細菌を含む口腔、咽頭の分泌物を誤嚥、吸引することによって引き起こり、近年、口腔ケア、すなわち口腔衛生状態を改善することによって、誤嚥性肺炎の予防の可能性を示唆する研究報告もされております。
ここで、口腔ケア対策についてお伺いをいたします。現在海老名市では要介護高齢者に対してどのような口腔ケア対策を行っているか、お伺いをいたします。
内野市長には明快なるご答弁をお願い申し上げ、この場からの質問とさせていただきます。
◎市長(内野優) 久保田英賢議員のご質問にお答えいたします。
3番目の「口腔ケア等対策」についてでございます。
超高齢社会を迎え、高齢者の口腔ケアは歯科疾患の重症化予防だけではなく、生活の質を高め、元気な高齢者をふやし、健康寿命を延ばすためにも大変重要なものと考えております。高齢者の口腔ケアを実施することは、誤嚥性肺炎の予防のほか、食べる機能を回復し、低栄養の防止や栄養改善、楽しみのある食生活の実現、認知機能の維持、回復に効果があると言われております。口腔ケア事業といたしましては、介護保険制度において、要介護高齢者や一般高齢者に対しまして歯科医師等による口腔機能向上にかかわるプログラムが提供されているところでございます。今後も高齢者の口腔ケア対策につきましては、介護保険制度の中でしっかりと進めてまいりたいと考えております。
詳細につきましては清田保健福祉部次長から答弁いたします。
○議長(藤澤菊枝 議員)詳細について清田保健福祉部次長。
◎保健福祉部次長(清田芳郎)
3番目の「口腔ケア等対策」についての詳細でございます。口腔機能の向上は、要介護高齢者がそれ以上に状態を悪化させないことと自立高齢者が要介護状態になることをできる限り防ぐことに効果があると認められております。要介護高齢者に対する口腔ケアの意義は、虫歯や歯周病の予防だけではなくて、口を清潔に維持することによる誤嚥性肺炎の予防、口や手、指の機能訓練、生活意欲の向上などが挙げられております。要介護高齢者に対しては、介護保険サービスにおいて、歯科医師や歯科衛生士などにより、自宅などの生活の場で専門的な口腔清掃、口腔機能の維持、回復のための指導、助言を受けることができます。また、要支援で口腔機能の低下が見られる方に対しては口腔機能向上のプログラムを実施しておりまして、本人の目標に合わせて歯科衛生士等から衛生指導や嚥下機能向上の訓練を受けることができております。今後におきましても、高齢者の健康保持、増進のため、継続した口腔ケア対策に取り組んでまいります。
以上でございます。
◆久保田英賢議員
介護保険の中でいろいろとやられているということは、先ほど伺いました。ただ、今後も介護保険の中だけというようなお声も聞かれたのですけれども、介護保険以外で今何か取り組みをされているようなものがありますか。
◎保健福祉部次長(清田芳郎)
介護保険以外ということでございますけれども、海老名市は介護予防事業にも重点を置いてございます。歯科衛生士によるはつらつ相談では、歯が気になる、食事がおいしくないなどの高齢者に対して、通所型と訪問型で衛生指導あるいは機能訓練の個別指導を実施しております。また、機能低下の見られる高齢者向けには口腔機能だけではなくて、運動機能の向上や認知症予防を合わせた複合型の予防教室も開催しております。高齢者が自分の歯や口の健康に関心を持つことは生き生きとした生活につながりますので、努めて事業に努めてまいります。また、今年度からは地域のサロンにおいて出前講座にも取り組みながら、口腔ケアを進めてまいりたいと考えております。
◆久保田英賢議員
歯がある人とない人の認知症発症のリスクが医学的に明確に出されております。介護に関しては今やっていただいているからいいと思うのですけれども、そうではなくて、元気な人に関しても、しっかり口腔ケアの必要性は大事だということをもっともっとやっていってもらいたいと思います。海老名市は歯科医師会といろいろ連携をしていると思いますけれども、ここは市長に見解を伺いたいのですけれども、今後高齢者に対して歯科医師会と連携をしながら何かやっていくというお考えがあるでしょうか。
◎市長(内野優)
私、高齢者の方、9月に100歳以上の訪問をしますけれども、元気な人は歯が丈夫なのです。聞くと、食べることがいいということ。そういった部分では、海老名市役所の職員を見ているとわかるのですけれども、昔の庁舎のときに、昼食を食べて歯を磨く人は誰もいなかったのですよ。今はほとんどの職員は洗面所で歯を磨いています。そういう文化がなかったのです。今はそういった働く人でも、昼食をとったときには歯を磨く人がいる。しかしながら、高齢者の方は歯に対する意識が低いと思うのです。そういった部分では、今後歯科医師会と相談して、9月にふれあい事業、いろいろ各地域でありますけれども、3000人の方が出席しますので、イラスト入りのわかりやすい口腔ケアについてのパンフレットとか、そういうものを全員に配布しながら口腔ケアを訴えていきたいと思っています。
以上でございます。
◆久保田英賢議員
認知症になりにくい、認知症が進まない、これは介護保険、また、医療保険の抑制にもつながると思いますので、(時間切れのブザーが鳴る)ぜひお願いをして、私の質問を終らせていただきます。ありがとうございました。