平成24年9月19日【海老名市の教育理念について】

平成24年9月第3回定例会(平成24年9月19日)
【海老名市の教育理念について】

まず1番目は「海老名市の教育理念」についてお伺いをいたします。
 ここでは2点ご質問をさせていただきます。まず1点目は、小学校6年間と中学校3年間の義務教育についてです。海老名市では、第四次総合計画の第3章「次世代を担う子どものためのフィールド」の第2節「ひびきあう教育を行う海老名の魅力づくり」において、ひびきあう教育の推進を掲げ、基本方針を次のようにうたってあります。「子どもたち一人ひとりに豊かな人間性や社会性を育み、確かな学力の向上を図るとともに、国際社会で活躍できる心豊かでたくましい人間の育成に努めます。また、家庭や地域社会との連携を強化し、地域に開かれた信頼される学校経営に取り組み、魅力ある学校づくりを推進します。」となっております。豊かな人間性、社会性を身につけ、勉強もでき、国際社会でも活躍できる子どもを育てる、そして地域に開かれた学校をつくっていくとなっております。確かに立派な基本方針だと思います。しかし、私はこのような方針だけではなく、もっと具体的に海老名市としてこの海老名市の義務教育の小学校6年間と中学校3年間の9年間を過ごした子どもたちを、まちとしてどんな子どもに育てていきたいか、何を一番大事に習得してもらいたいかという理念、ビジョンが必要だと感じております。例えば、海老名で育った子どもはあいさつのできる子どもが多い、他人に対する思いやりを持った子が多いなど、柏ケ谷小学校で学んだ子も有馬小学校で学んだ子も、どこの学校でもこのまちで育った子どもを具体的にどういう子どもたちに育てていきたいかという理念、ビジョンを市民全体で共有することが大事なことだと考えます。
 海老名市では、ひびきあう教育の推進の施策のもと、具体的な方策として平成22年度から24年度まで3年間の計画で学び合い・思いやり・元気なえびなっ子プランが策定され、実行しております。知・徳・体のバランスのとれた健やかなえびなっ子をはぐくむためといった基本的生活習慣の定着を目指しているプランだと思います。私は、海老名市としてこの基本的生活習慣、早寝・早起き・朝ごはん・あいさつができるえびなっ子に育てていこうと考えているのではないかと思っているわけでございます。そこでお伺いします。海老名市では平成22年から市内19校でこのプランの実施をされ、3年目を迎えている現在、この基本的生活習慣の定着の取り組みの成果がどのように出ているかを伺います。
 次に2点目は、生きる力についてです。大津市に代表するいじめの問題は、現在全国的な社会問題として取り上げられています。先日の新聞報道では、2011年に児童生徒の問題行動調査で全国の学校が把握したいじめの件数は7万231件だったそうです。神奈川県では4283件、この海老名市を見ますと57件の認知件数であったとされていました。報道では、いずれも前年より減少しているとありましたが、大津の事件を受け、各教育委員会や学校がいじめの調査を本格化させたのは7月以降ということもあり、文科省ではまだ認知できていないものもあるのではないかと言っております。また、新聞記事によりますと、県内の公立小学校での暴力行為もふえており、暴力を起こす子どもを学年別に見ると小学校4年が212人、小学校5年が314人、小学校6年が470人と、小学校4年以降に暴力行為が急激にふえており、暴力行為の低年齢化が進んでいると言われております。いじめや虐待などを受けてもだれにも相談できず1人で悩んだり、親や先生に相談するものの、不適切な言動などでさらに追い詰められてしまうケースも少なくないと言われております。
 私は、いじめや虐待を許してはいけない、いじめや虐待をなくす取り組みを強化していくことは絶対必要だと思っております。しかし、現実にはさまざまな取り組みをしていても、いじめや虐待はなくならない現実もあると思います。そこで、今大事なことは、自分自身を守る、生きる力を身につけることだと思います。海老名市ではひびきあう教育イコール生きる力をはぐくむ教育となっており、身につけておきたい力として、確かな学力、社会性、道徳性、健康、体力の増進となっています。今回私が取り上げたい生きる力というのは、先ほどの身につけておきたい力だけではなく、みずからあらゆる問題、課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力、知恵、勇気などを身につけることなのです。いじめや虐待の電話での相談ホットラインや専門の相談窓口も準備されております。専門家の方が相談に乗ってくれるので、このような対策もとても有効なことだと思います。しかし、ここに相談に来てくれなければ何も始まらないのです。1人で悩むのではなく相談できる勇気を持たせることが大事だと思います。
 ここでお尋ねします。現在、いじめに対する指導はさまざまな機会で行われていると聞いております。みずからあらゆる問題、課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力、知恵、勇気などを身につけるための指導についてはどのように取り組まれているのか、伺います。

◎教育長(沖原次久) 1番目の「海老名市の教育理念」についての1点目、小学校6年間と中学校3年間の義務教育についてでございます。
 学び合い・思いやり・元気なえびなっ子プランは、ご承知のとおり子どもたちに基本的な生活習慣を定着させることを柱として、知・徳・体のバランスのとれた元気なえびなっ子の育成に取り組んでいるものでございます。基本的には、子どもの教育や人格形成に対し最終的な責任を負うのは家庭であり、子どもの教育に対する責任を自覚し、家庭が本来果たすべき役割を見詰め直していく必要があると考えております。とりわけ基本的な生活習慣や生活能力などは、家庭教育においてこそ培われるものであるととらえております。しかしながら、家庭だけではなく学校や地域が連携することで、よりよい教育が展開でき、効果も期待できることから、このえびなっ子プランは市民総がかりの取り組みとしているものでございます。
 さて、このプランの取り組みの状況についてでございますが、平成22年度と23年度に実施した小中学生を対象とした生活習慣等調査の結果をもとにご説明いたします。この調査は毎年1学期に市内のすべての児童生徒約1万800人を対象に行っている悉皆の調査でございます。内容は、主に食事や睡眠、運動、体調などについてでございまして、テレビやゲーム、携帯電話の使用状況についても調べております。平成22年度と23年度の結果を比較してみますと、まだわずか1年間の取り組みということもあり、全体としては特に大きな変化は見られません。しかし、中には寝る時間や体調の面などで幾つか改善傾向が見られる項目もございますので、少しずつではありますが、取り組みの成果が出てきているのではないかととらえております。生活習慣の定着は1年や2年の短期間でできるものではなく、長い期間をかけて継続的に取り組むことが必要であると考えておりますので、今後も成果を検証しながら継続的に取り組んでいく必要があるととらえております。
 続きまして、2点目の生きる力についてでございます。いじめはどの学校でもどの子どもにも起こり得る問題であり、いつ自分がいじめの被害者になるかわからない状況にあるととらえております。学校では、日ごろの生活指導の中で自分を主張すること、意思をきちんと伝えることなどの大切さを指導しているところでございますが、昨今のいじめの問題にかんがみ、指導の一層の充実を図る必要があると考えております。
 詳細につきましては、教育部専任参事から答弁をいたします。
 以上でございます。

◎教育部専任参事(仲戸川元和) 1番目の「海老名市の教育理念」についての詳細についてでございます。
 まず、1点目の小学校6年間中学校3年間の義務教育についてでございます。先ほど教育長答弁にございました、子どもたちの生活習慣等調査の結果の詳細についてでございますが、平成22年度と23年度を比べますと、朝食を食べる割合や朝起きる時間など、全体的には大きな変化はあらわれておりません。しかし、夜寝る時間は少し早くなっており、学校で眠くなる、いらいらする、お腹が痛いと訴える子どもの割合も減少しておりまして、体調面での改善傾向が見られております。また、1日の中でテレビを見る時間やゲームをする時間についても全体的に減少してきておりまして、例えばテレビを1日4時間以上見る子どもの割合は26.2パーセントから18.8パーセントに減っております。このように一部で改善傾向があらわれておりますので、今後も取り組みの一層の充実を図りながら継続していきたいと考えております。
 続きまして、2点目の生きる力についてでございます。いじめを防止するには、子どもたちが互いに尊重し合い、思いやりの心を持って接することのできる良好な人間関係を築くことが重要であると考えております。しかしながら、集団の中ではさまざまな要因からいじめが発生し、いじめを完全に防止することは難しく、どの学校でも起こり得るものでございます。いじめがあった際には、周囲が素早くそのサインをキャッチし、迅速かつ適切に対応することが求められます。また、いじめから自分の身を守るためには、その子どもがそういったいじめのサインをきちんと発信したり、嫌なことをはっきりと断ったり、周囲に助けを求めたりすることができるようにすることが望まれます。そういうことができるよう、学校ではこれまで日々の生活指導や教科指導、さらには学校行事等を通じて指導をしてきております。また、さまざまな活動を通じて子どもたちに自信をつけたり、自分を大切にすることを学べるように指導しております。
 以上でございます。

◆(久保田英賢 議員) それでは、順次再質問に入りたいと思います。
 まず、1点目の小学校6年間と中学校3年間の義務教育についてでございます。今ご答弁の中で、子どもの教育とか人間形成に対して最終的な責任を負うのは家庭だと、そんな話がありました。それは、私ももちろんそうだとは思います。最終的な責任を負うのはもちろん家庭ですが、でも、そのプロセスに大きな影響を与えているのは学校の教育現場、学校にいる時間というのは相当やっぱり長い時間子どもたちはいます。その最終的なことは家庭ですけれども、プロセスに関しては教育現場ではないかと思っております。特に義務教育の小学校の6年間と中学校の3年間に大きな影響を与えるということは間違いないというふうに思っております。海老名市では、先ほども言いましたこの3年計画のえびなっ子プランの取り組みを市民総がかりで行っていく、子どもを育てるというふうになっています。これは、家庭、学校、地域で響き合いながら基本的生活習慣、早寝・早起き・朝ごはん・あいさつを子どもたちに身につけさせようと、そういう考えだと思います。このまちで育った子どもたちに、この基本的生活習慣、早寝・早起き・朝ごはん・あいさつをしっかり定着させていこうと考えているのであれば、まずその大事さを大人たち、とりわけ学校の先生と保護者がしっかりと理解をして、子どもたちにそういう背中を見せていかなければならないのではないかなと思います。
 私がここで言いたいことは、市内で統一した、えびなっ子をこういう子どもに育てていくのだという意識を大人たちの中で共有することが大事なのではないかということをお伝えしたいと思います。どの先生に聞いても、どの保護者に聞いても、海老名の義務教育を受けた子どもたちは早寝・早起き・朝ごはん・あいさつがしっかりとできる子どもなのだという、その共通の認識を持つことが大事だと思います。そのためには、子どもと多くの時間を共有する、先ほども言いましたけれども、市内に500名余りの先生たちがいると聞いています。この基本的生活習慣、早寝・早起き・朝ごはん・あいさつの定着のために、この先生たちの指導力、もちろんいろいろやられていると思いますが、その指導力の向上が大事だと思います。
 先生たちは多くの研修を行って日々指導力の向上に努められていると思います。しかし、えびなっ子プランのその基本的生活習慣に特化した研修は、先ほどのお話の中でもまだされているというふうにはお伺いをしていません。ここでお伺いしたいのですが、基本的生活習慣、この定着に向けた先生の研修についてどのようにお考えでしょうか。また、22年からこの24年で最終年となるえびなっ子プランの今後の方向性についてもあわせてお答えをいただきたいと思います。

◎教育部専任参事(仲戸川元和) 1点目の教員の指導力向上のための研修についてでございます。基本的な生活習慣については、日常から保健の学習、あるいは道徳、あるいは生活指導の中で健康や体力の指導の一環としてこれまでも指導を行ってきたところでございます。しかし、指導のより一層の充実を図る必要があると考えております。基本的な生活習慣の大切さについて、子どもたちに直接指導する教員の指導力を向上させることは、学び合い・思いやり・元気なえびなっ子プランを実現させる上で必要なことであると考えております。また現在、本市では各学校に経験5年以内の若い先生たちがたくさんおります。早期に指導力を向上させるような、そういったことが課題ともなっております。
 このようなことから、具体的な指導法について学び、各学校で指導を実践できるようにするための研修が必要になってまいりますので、現在もちろんやっているわけですけれども、現在の研修体系や内容を踏まえながら、新たな研修の実施について検討してまいりたいと考えております。
 2点目の学び合い・思いやり・元気なえびなっ子プランの今後の方向性についてでございます。学び合い・思いやり・元気なえびなっ子プランは今年度で3年間の取り組みが終了しますが、本プランで目指している基本的な生活習慣を子どもたちにしっかりと定着させるためには、もっともっと長い期間が必要であるというふうに考えております。この3年間の取り組みをこれからのさらに大きな動きのための誘い水として今後も継続して取り組んでいくことが重要なことであると考えております。年度末までにこれまでの成果と課題についてまとめ、今後の新たな取り組み計画を検討してまいりたい、そのように考えております。
 以上でございます。

◆(久保田英賢 議員) ありがとうございました。前向きなご答弁をいただきました。やはり500人からの先生たちみんな、金太郎あめのように切ってその先生たちに話を聞いて、どの先生もやっぱりこの生活習慣、海老名の子どもたちにとっては大事なのだ、やっぱりそういうふうに感じてもらえるような、研修のための研修をやってもらっても仕方がないと思うのです。やっぱりそうではなくて、中身をしっかり子どもたちに伝える、この基本的生活習慣を定着できる指導力の向上をぜひお願いしたいと思います。
 あわせて、保護者もやはり大事だと思うのです。その保護者に対してこの基本的生活習慣を学ぶ機会というのが必要だと思うのですが、やっぱり保護者が学ぶ機会というのはなかなかありません。この海老名市では19校で家庭教育学級というのを、幼稚園も含めてですがやっておられると思います。ぜひこの家庭教育学級というものにも注目をしていただいて、教育委員会がこの生活習慣を海老名の子どもたち全部に定着をさせるのだという思いがあるのであれば、年3回行われるこの家庭教育学級の1コマを、子どもたちと保護者が一緒になって学ぶ機会として使うことも有効なことではないかなと思いますので、ぜひご検討をいただきたいと思います。
 私は、地域の子どもは地域で育てるということをPTAなどを通じて常々発信させていただいてきました。今、まさに市民総がかりで次代の子どもたちを育てるビジョンを共有してかかわることで、世代という縦軸と地域という横軸が紡ぎ合い、地域に包まれた温かい子どもが育つのではないかなと思っております。海老名の子どもをどういうふうに海老名のまちとして育てていくのかということをしっかりと共通認識を持つことが非常に大事だと思います。ここで市長にお伺いをしたいと思います。海老名市として、この、どんな子どもたちに育てていきたいかというビジョンの必要性についてどのようにお感じかをお聞かせいただければと思います。

◎市長(内野優) つい最近、敬老の集いがありました。私が生まれたのは河原口でございまして、河原口の敬老の集いに行きましたら、高齢者の方が多かったのですけれども、半分以上の方ははっきり言って私の同級生のお母さんとか、私が小学校のころいたずらして怒ってくれた人とか、そういう人ばかりでした。私に対する見方が、いやあ優ちゃん、こういうふうになったんだねとか、あるいは年とったねとか、そういった印象がありました。いわゆる地域で育てるというのは、昔はみんな各家庭では生活するたびに大変だったという状況がありました。だけれども、そのときにやっぱり地域が何かあったときにまとまってきたという問題です。それを子どもたちが見ていたのではないかと。私もそうでありますし、議員の中でもほとんどがそうだと思います。やはりそういった部分では、地域があえて育てる、育てるというのではなくて、地域が包括していたという形ではなかったかなと思っています。
 そういった面では、いろいろなことがありますけれども、やはり私も地域に行って言うことは、昔は若いころ、海老名に住んで近所づき合いは苦手だった人がいますけれども、その人たちがある程度60、70になっていくと、やっぱり地域の人と会話をしていることもあります。それだけある程度いろんなことがありますけれども、人間の人生の中で経過すると、そういった近所づき合いとか、やっぱり人と人との触れ合いとか、そういった土壌があるからこそできるのではないかなというふうに思っています。
 子どもたちも、いじめの問題やいろんな形がありますけれども、やっぱり思いやりを持つということの、私ははっきり申し上げてけんかをやったっていいと思います。けんかがなければ子どもたちだって成長しませんから。しかしながら、いわゆるどこまでけんかは限度なのかという問題も、そういったこともやっぱり教えるのも地域でありますし、まず家庭教育だと私は思っています。何でもこれは危ない、危ないといったら、危機管理ができない子どもに育ってしまいます。ところが、みんな今はそうではないですか。危ないところへは行ってはだめ、こういうところは危ないから遊んではだめ。だけれども、危ないということを学ぶということをさせないと、子どもは危機管理ができないのではないかと思っています。
 よって、私どもいろんな関係がありますけれども、地域、学校、それから家庭。やっぱり基本は家庭でありますから、家庭が地域の中でどういう役割を果たしているのか、これを考える時代。そして、その中で地域が新しい住民の方も旧の住民の方ももう一緒になっていく、そういった形だと思います。あるいは学校として、先ほど先生のあれがありましたけれども、私が感じているのは、こんなことを言っては悪いのですけれども、学校へ行きますと若い先生はあいさつするのです。ある程度の中堅はあいさつしない。これは市の職員も同じです。若い新採用はばんばんあいさつするのです。3年たつとあいさつしない。これはだれがいけないかというと、上の上司がいけないという話になる。いわゆるそれだけなれてくるといけないわけです。やっぱり課の中でもあいさつをしていこうよという形で今言っています。これは基本的な問題として、教職員の中でもそういった土壌をつくっていく、そういった形ではないかなと。こういった継続が、最終的には海老名の教育の基本理念が本当に温かいものになっていくのではないかなと思っております。
 以上でございます。

◆(久保田英賢 議員) ありがとうございました。ぜひやっぱり海老名、統一してこんな子どもたちを育てていこう、そんなビジョンを掲げていただきたいと思います。
 次に、1番目の2点目、生きる力についてお伺いします。先ほどご答弁の中で、いじめに遭ったときは周囲がいち早くキャッチすることが大事だというお話がありました。キャッチするためには、子どもみずからが相談できる力を養うこと、そして保護者や先生がそのことに気づく力を養うこと、この3つが重要になってくるのではないかなと思います。
 私は本年、ある団体が小学校低学年に行ったワークショップ型の研修を見る機会をいただきました。ワークショップには3人のスタッフがいて、1人が進行役を、他の2人がロールプレー、寸劇で役を演じて子どもたちに見せます。内容は、1人の子が1人の子に万一かばんを持たせるという設定や、親戚のお兄ちゃんがゲームをあげるからキスさせて、そんな設定があります。ロールプレイングをやった後、その子どもたちと、実際にそのロールプレイングを見た意見を交わしながら、どうやったら防止できるのかということを一緒になって考えます。そして、その防止方法を使って、今度は逃れる、その状況からこうやったら逃れるのだよということをやるロールプレイングを演じます。例えば誘拐を想定したロールプレイングでは、実際に子どもたちに声を出させるような場面がありました。皆さん、子どもが誘拐されたときにどんな声を出せばいいかご存じですか。「キャー」とか「助けて」というのではだめだそうです。「ウォー、ウォー」、こんな叫び声が、その周りにいた人たちが異変に気づいてその子どもたちに注目するそうです。
 私はこの模擬体験のワークショップの研修を受けている子どもたちを見て、ゼロと1というのは大きな差があるなということを感じました。それは何かというと、市内の児童生徒がこういうようなことを体験しているのと体験していないのでは、大きな違いがあるということを言いたいのです。もしかしたら、今現在も万一ランドセルを持たされている子どもがいるかもしれません。自分でどうしたらいいか悩んでいる子がいるかもしれません。大人から性的嫌がらせを受けて悩んでいる子がいるかもしれません。親から虐待を受けて悩んでいる子がいるかもしれません。いじめの認知件数は先ほど言ったように57件、虐待の認知件数をお伺いしましたら25件となっています。
 私は、いじめや虐待をゼロにはできないと思っています。しかし、いじめで悩む子どもたちをゼロにすることはできると思っています。それは、子どもみずからが生きる力、相談できる力を養って、保護者とか先生とかが気づく力を養うことによって、いじめや虐待から悩む子どもをゼロにできるのではないかと思っております。そのためには、子どもばかりが一生懸命そういう勉強をしてもだめで、やはり保護者であったり先生たちがその力を養う必要があると思います。家庭と学校で異変に気づく力があれば、すべての子どもたちを救うことができるのではないでしょうか。
 例えば子どもたちを体育館に集めて、いじめはいけませんよ、暴力はいけませんよと話すだけの研修ではなくて、実際にやっぱり先生たちが模擬体験をやってみたりやらせてみたりすることが大事なのではないかなというふうに思います。ここでお伺いします。子どもを含め、保護者や先生がこのような模擬体験のワークショップ型研修を行うことについてどのようにお考えでしょうか。

◎教育部専任参事(仲戸川元和) ワークショップ型の研修についてでございますけれども、先ほど答弁させていただきましたが、いじめや虐待から自分の身を守るためには、嫌なことをはっきりと断る、あるいは周りに助けを求める、こういうことができるようになることが非常に大事なことだと思います。そういうことができるように、学校ではさまざまな教育活動を通じて指導をしてきております。まさに今のワークショップ型の研修についても、過去多くの学校でやった経験はもちろんございます。
 この議員ご提案の模擬体験のワークショップ型の研修は、子どもたちがロールプレー等で実際に嫌なことを嫌と言ったり、大きな声で助けを求めたりすることを体験することができるという意味では、非常に大きな意義があり、またとても有効な方法であるととらえております。こういったトレーニングについてはさまざまな手法がございますので、今後はこれまでの指導の充実を図るとともに、議員のご提案を参考にさせていただきながら、新たな指導法についても研究を進めていきたいと考えております。そして、子どもたちが自分で自分の身を守れるようにすること、そういったことでいじめや虐待を防ぐという取り組みの充実を図ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◆(久保田英賢 議員) ありがとうございました。何で先生とか保護者がそのような力を養うことが必要か。それは、やっぱり子どもたちが勇気を持って大人に相談をしたときに、その大人が対処できない、先生の場合もあります、親の場合も、そんなの大したことないよ、それによって子どもが自殺に追い込まれる、そんなケースが多いと思います。私は、とにかく大人に相談をすれば絶対大丈夫なのだ、この海老名の子どもたちは何かあったときに海老名の大人に相談すれば本当に救ってくれるのだということをしっかりと子どもたちに伝え、それに対応ができる大人をつくっていく必要があると思います。
 ほとんどの自治体では、やはり問題が起きてから、大きな事件が起きてからいろんなことに取り組む、こういう研修に取り組んだりアンケートをやったりということがあると思います。繰り返しますけれども、いじめや虐待をゼロにはできません。だけれども、いじめや虐待に悩む子をゼロにすることはできると私は思います。小学校や中学校の適した年齢でそういう体験型の研修をすることによって、そのいじめや虐待で悩む子どもたちをなくすことができると思っております。予算的にも120万円ぐらいという中で研修が行われるというふうにも聞いております。子どもに対する教育は費用対効果ではないというふうに思っておりますし、ぜひこの海老名のまちでは基本的生活習慣ができる子どもたち、そしていじめや虐待で悩む子どもたちがいないまち、こんなまちを目指してまいりたいなと思っております。