平成24年3月12日【犬専用公園の公園整備】

平成24年3月第1回定例会(平成24年3月12日)
【犬専用公園の公園整備】

4番目、「犬専用公園の公園整備」についてでございます。
 犬専用の公園というのは、これはドッグランのことでございます。平成23年2月末現在、海老名市に登録されている犬の頭数は7180頭と聞いております。全国的な平均値では10人に1頭と言われており、未登録の犬も含めると海老名市では約1200頭くらいいるのではないかとも言われております。その状況は年々増加傾向にあります。現在、新しく販売されるマンションでは、犬が飼えるマンションと犬が飼えないマンションとでは売れ行きが違うとも言われております。また、アニマルセラピーにも注目されており、犬と触れ合うことでストレスを軽減させたり、不登校やひきこもりといった問題にも活用されています。また、高齢者福祉にも役立っているそうでございます。多くの飼い主は外で犬を散歩させているわけでございまして、公園などで遊ばせている機会も多く見受けられます。ヨーロッパでは、犬の散歩はほとんどのところはノーリードで行われていて、しつけやマナーもできており、犬と人が共存している環境があります。しかし、日本では、犬を飼う人が増加傾向にある反面、犬嫌いの人たちも中にはいらっしゃいます。たまに公園などでノーリードで遊ばせていたり、犬のふんをそのままにしている飼い主もいて、苦情が寄せられることがあると聞いております。また、犬を飼いたいと思い、飼ったが、個人の都合で飼えなくなり、飼育放棄をしてしまう例もあるそうです。神奈川県動物保護センターでは年間784頭が収容されており、その中で140頭が殺処分されてしまっている現状もあります。海老名市からは、昨年25頭が収容されたとお聞きしております。ドッグランの効果としては、犬好きの人が自由に犬を遊ばせることができるため、犬嫌いの人との分離をすることができることと、飼育放棄されてしまう犬たちの受け皿になることもできるのではないかと思います。何よりも犬を通してのコミュニティの場になり、人と人とのつながりができる場にもなっているとも聞いております。
 ここでお伺いさせていただきます。こういった背景により、現在、神奈川県内でも約40カ所のドッグランが開設されております。大和市や茅ヶ崎市では、公設民営型のドッグランも開設されております。過去にもドッグランの開設に向けた一般質問がございましたが、現在、海老名市においてドッグランの必要性や開設に向けた取り組みなどが検討されているかどうか、お伺いいたします。

◎市長(内野優)4番目の「犬専用の公園整備」についてでございます。
 犬専用の公園、いわゆるドッグランは、犬を自由に運動させたり遊ばせたりするだけではなく、人と犬がお互いに気持ちよく利用でき、飼い主の方々の交流の場にもなる施設であると認識しております。また、近年はペットを飼う方がふえてきており、朝夕は犬の散歩をされている方も多く見受けられます。ペットを通して市民の交流が活発になることは、希薄になりつつある地域コミュニティの醸成手段の1つになるものと考えられるため、既存公園以外の新たな場所も含め、ドッグランの設置の適地の洗い出し等、研究を進めてまいりたいと考えているところでございます。
 なお、これにつきましては、綾瀬、座間の市長ともいろいろお話しした結果、座間もそういった必要性がある、あるいは綾瀬もあるという考え方がありますので、1つの市が小さなドッグランをつくるのではなくて、3市で広域ででかいのをつくるといった方向性も1つあるのではないかと思っています。何といっても適地が必要でありますので、適地を考えながら、いろいろな方法論、いろいろなやり方を研究してまいりたいと思っているところでございます。

◎まちづくり部長(小倉一夫) 「犬専用の公園整備」についてでございます。
 犬専用の公園整備につきましては、犬の鳴き声やにおいなど周辺住民の理解が必要であり、検討すべき課題も多いと認識しております。市内の公園はさまざまな方が利用する施設であり、犬の苦手な方や小さいお子様連れの方などから、公園内に犬がいて利用できない、子どもが怖がるなどの意見が寄せられることもございます。一方、飼い主からは、ドッグランを整備することにより犬を自由に遊ばせることができ、飼い主のコミュニティの場でもあるといった声をお聞きすることもございます。また、市民からの声といたしましては「市長への手紙」等で年に数件のご要望をいただいております。公園内にドッグランを整備するには、ある程度の公園の広さがあり、公園利用者と犬との完全なるすみ分けが十分にできれば可能ではないかと考えておりますが、愛犬家以外の公園利用者に理解を得るには、数多くの課題をクリアすることが大事だと考えます。
 県内のドッグランの設置状況につきましては、議員のご質問にもありましたように大和市や茅ヶ崎市などの7カ所で、公設民営や指定管理者によるドッグランが設置されております。また民間では、カフェやペットショップなどと併設されているドッグランが約30カ所あります。しかし、先ほど市長が答弁いたしましたように、近年、犬を飼う方がふえていることは認識しており、地域コミュニティの醸成が図られることも十分認識しているところでございます。今後は、既存公園や新たな場所でドッグランを設けることができるかも含め、課題や管理運営方法などを整理しながら、設置の適地の洗い出し等、さらなる研究をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◆(久保田英賢 議員)4番目の「犬専用の公園整備」についてでございますが、この点に関しては先ほど市長のほうからも、広域的なところで考えていかれるというお話を伺えました。この点に関しましてお願いしたいことは、犬が好きな人たちだけのためにつくるというものではなく、やっぱり日ごろの公園の中で犬嫌いな方々もいる。だから、ドッグランが必要だ。その点だけではなく、やはりコミュニティの場をしっかりとつくっていく。犬を飼いたいけれども、飼えない人も世の中にはいる。そういう方々がそのドッグランに行って、例えば子どもたちであれば、犬が飼えない環境の中にいる子どもたちがドッグランで犬と触れ合うことによって情操教育にも役立つことにもなると思います。適地の洗い出しというようなお話がありました。ぜひとも平成24年度の中で適地の洗い出しをしていただいて、1つの方向性をお示しいただくこと、この点に関しましてもお願いをさせていただきたいと思います。