令和3年9月15日【今後の地域公共交通と高齢者の移動支援】

令和3年9月15日 第3回定例会
「今後の地域公共交通と高齢者の移動支援」

(久保田英賢議員)
2点目は「今後の地域公共交通と高齢者の移動支援」についてです。
 市では、令和元年10月から令和3年9月の間で、新たな取組として鉄道駅の利用範囲、駅から半径1キロメートル圏内において、子育て世帯や高齢者などの移動支援を目的とした地域公共交通の実証実験を行っております。今月で実証運行の最終月となりますが、この取組のここまでの利用の傾向などについてお伺いをしたいと思います。先ほどつつ木議員のほうで実績を聞かれていますので、利用の傾向に関してお伺いをします。
また、海老名市では高齢者の移動支援の策として平成22年から本格運行を実施したぬくもり号があります。昨年からコロナ禍で外出を控えるため利用も少ないと伺っておりますが、ぬくもり号など高齢者の移動支援の現状の取組と実績についてお伺いいたします。

市長(内野 優)「今後の地域公共交通と高齢者の移動支援」についてでございます。
 本市では、高齢者や障がい者の外出を支援する福祉車両として、ぬくもり号、さくら号を運行し、多くの方に利用をいただいております。しかし、ぬくもり号の運行開始から11年が経過し、様々な課題も見えてきたため、現在、新たな外出支援事業の在り方を検討しているところでございます。
 なぜかといいますと、コミュニティバスについては交通不便地域という位置づけでやりました。ぬくもり号は福祉的な観点であります。今問題になっているのは、高齢化がどんどん進んできている中で、福祉的な要素が多くなってきていることも事実であります。あるいは、現状の中で運転免許の返納もございますし、様々な高齢者を取り巻く環境が変わってきております。そういった面では、今後在り方について様々検討を指示しております。
 もう1つ、つい最近、神奈中の社長とお会いしたときに、神奈中も今まで運賃を決めていてやりましたけれども、定額でどこでも乗れるという形をやっているそうであります。そういった面で考えると、そういった定額でどこでも乗れるということになると、意外とこれからの高齢者の問題について、そこに支援をする場合もあれば、返納の方にとってプラスだと思いますし、あるいは何といっても、今ある公共交通が廃線とかならないように、利用者が増えていかないといけない。そういった問題では様々出てくると私は思っています。よって、私ども民間の公共交通機関とも常にいろいろな協議を進めておりますし、様々これからの高齢化に向けた形の中で、いろいろな公共交通の事業主、商売をやっている方、あるいはいろいろな方がいろいろそういった形を考え始めている時代になってきている。そういった方々との連携とか、そういったことも必要になってきているだろうと思っています。
まちづくり部所管部分の詳細につきましては清田まちづくり部次長から、保健福祉部所管部分の詳細につきましては鶴間保健福祉部次長から答弁いたします。

保健福祉部次長(鶴間由美子) 保健福祉部所管の部分についての詳細でございます。
 市では、高齢者等の外出支援策として、平成22年からぬくもり号、平成29年からさくら号を運行しております。令和2年度は、コロナ禍での運休、それから高齢者の外出自粛により、利用実績が、令和元年度の延べ利用者数が4万9015人おりましたが、55パーセント程度に落ち込みました。令和3年度は徐々に利用者が戻ってきている状況です。しかし一方で、車両の維持経費や運行ルートが限定的であるため公平性に欠ける等、様々な課題も見えてきております。こうした課題について、現在、まちづくり部、経済環境部、保健福祉部の3部で高齢者等の移動支援について様々な視点からの検討を行っております。検討に当たっては、既存の公共交通機関のほか、今年度実施したワクチン集団接種の移動支援やサロン送迎事業の試験運行の利用実績等も検証し、福祉的な観点での移動支援の在り方をまとめてまいります。

(久保田英賢議員)先ほど実証実験のお話を伺いました。今回で一応終えることとなりますけれども、今回の結果を市としてはどのように分析しているのか、その考えをお伺いしたいと思います。

まちづくり部次長(清田 聡) 今回の結果をどのように分析するかということでございます。
 今回の実証運行は誰でも利用可能な公共交通として実施しておりまして、利用状況につきましては、先ほどつつ木議員のところでご答弁させていただきましたとおり、平均で1日当たり約28人、1便当たり1.9人となってございます。公共交通として運行する場合には、ある程度の採算性を確保したいと考えておりますので、今回の実証運行、公共交通として実施していくことは難しいと判断してございます。

(久保田英賢議員) 2年にわたって無料と有料で試された事業だと思います。駅を中心に鉄道との結節を模索しながらやった事業だったと思いますが、結果としては、先ほどのお話もありましたけれども、海老名駅志向が強いというところでは、これだけ鉄道が張り巡っているすばらしいまちでありながら、皆さん、海老名駅に行きたい、そんな結果が少し出てきたのかなとも思います。実証を行った地域の皆さんは、これが発展するのではないかと思っていると思うのです。この後、何か違う展開になるのではないかというところも思っていると思いますので、やめるということの選択も1つの中では、ぜひ地域にしっかりとお知らせをしていっていただきたいと思います。
そして、ぬくもり号でありますけれども、これも平成22年から本格運行になった事業であります。この事業の現状を改めてどのように分析されているか、お伺いしたいと思います。

保健福祉部次長(鶴間由美子) ぬくもり号の利用者数については、先ほど申しましたが、コロナの影響で、昨年度、今年度減少しておりましたが、令和元年度までの延べ利用人数は年々増加しておりまして、一定のニーズはあるものと認識しております。しかし、ルートが限定的である等の課題もありまして、福祉的な観点からの高齢者の移動支援としてはまだまだ検討の余地があるものと認識してございます。

(久保田英賢議員) 11年間ぐらい運行されている中で、どんな目的で利用される方々が多かったか、どのように把握をされているか、お伺いしたいと思います。

保健福祉部次長(鶴間由美子) 乗っている方に対してのアンケート、それから寄せられた声などを見ますと、利用の目的は、通院、それから買物、それがもうほとんどの目的を占めてございます。

(久保田英賢議員) 分かりました。ありがとうございます。今いろいろお話の中で車両の維持経費とか運行ルートなどの様々な課題があるというお話もありました。これは具体的に車両の維持経費とか運行ルートというところに関しての課題をもう少し明確にお伺いしたいと思います。

保健福祉部次長(鶴間由美子) 車両につきましては、ぬくもり号が運行開始から11年経過しておりますので、メンテナンスにかかる費用の負担が大きくなっております。また、今後車両の更新、新車に買い換えるなどの費用も継続するには見込まれるところでございます。また、ルートが公共交通等と重複するルートがございまして、あと特定の地域のみの運行となっておりますから、移動支援が必要な多くの高齢者にとっては公平性の観点からも課題があると認識してございます。

(久保田英賢議員) そういう課題があるという中で、このテーマにおいては、過去からいろいろと庁内でも議論をされてきていると聞いています。平成元年5月から約8回開催された都市計画課と福祉政策課で、ぬくもり号、コミュニティバス庁内ワーキンググループという会議で、それぞれの課題に関して議論を行ってきたと聞いています。どんな議論をされてきたのか、お伺いしたいと思います。

まちづくり部次長(清田 聡) ぬくもり号、コミュニティバス庁内ワーキンググループは、市内の公共交通網の在り方を庁内横断的に検討することを目的といたしまして、令和元年度に実施したものでございます。内容といたしましては、コミュニティバスやぬくもり、さくら号の課題の共有、今後の移動支援施策の方向性等の検討を行ったものでございます。ワーキンググループでは、既存の路線バスやコミュニティバスといった公共交通を補完する役割といたしまして、高齢化に対応してきめ細やかな移動支援が必要としてまとめてございます。

(久保田英賢議員) ありがとうございます。そうすると、そのワーキンググループの結論としては、高齢化に対応したきめ細やかなそういう高齢者の移動支援が一番重要であろうというところになったということで理解をしております。
 その中で、今回実証実験が終わって、ぬくもり号の課題も出てきている。そして、答弁の中で、今後、保健福祉部、まちづくり部、経済環境部の3部で高齢者の移動支援に関して検討を行っていくというお話がありました。今後どんな目的で、どんな検討をしていくのか、それぞれの部がどんな観点から検討に加わっているのかというものを、保健福祉部、まちづくり部、経済環境部の順でお伺いしたいと思います。

保健福祉部次長(鶴間由美子) 今回の検討に当たりましては、保健福祉部としては、福祉的な観点から高齢者や障がい者の移動支援の在り方を具体的に検討してまいりたいと考えております。ここでは、ぬくもり号の今後の在り方をはじめ、民間のNPO等が運行する福祉有償運送と既存の福祉的な移動支援も視野に入れた研究をしてまいりたいと考えてございます。

まちづくり部次長(清田 聡) まちづくり部といたしましては、交通事業者、それと国土交通省関東運輸局などとのつながりも含めまして、コミュニティバスの運行などでのノウハウが蓄積されてございます。そういった点から、道路運送法などの法的な取扱いなどについて整理をすることが主な役割と認識してございます。

経済環境部長(金指太一郎) 先ほどの答弁にもありましたけれども、高齢者の外出の主な理由といたしましては、買物、通院、それからレジャーと大きく3つと認識してございます。経済環境部では、高齢者をはじめ妊産婦など、買物弱者支援の面から検討を進めてまいりたいと考えてございます。

(久保田英賢議員) それぞれの部でそれぞれの観点でというところで伺いました。今の買物の点、移動の支援ということではないのですけれども、買物弱者の部分に関しては、お隣の座間市では、商店街で買物不便地域に買物バスを運行している。これは民間の商店会、民間の方々がやっている。民間でやっている業者は、実は海老名に本店があるスーパーであります。これはもうノウハウがありますね。実際にやられています。そういうノウハウがあるので、海老名の中でも、そのスーパーの周りには、肉屋、魚屋、和菓子屋、ドラッグストア、それぞれの生活に密着したようなお店もあります。実証でも構いませんので、ぜひ海老名でやっていただきたいと思いますけれども、ご見解をお伺いします。

経済環境部長(金指太一郎) 今の議員ご紹介いただきました事例については私ども承知してございます。議員のご提案の事例も参考にしつつ、本市の公共交通網、地形、あるいは高齢化率、既存の店舗の配置状況、それから自治会等を十分勘案して、買物弱者への支援方法を検討してまいりたいと考えてございます。

(久保田英賢議員) ありがとうございます。ノウハウがある民間のそういうノウハウはしっかりと研究をさせていただきながら、ぜひ実施につなげていっていただきたいと思います。まずやるかやらないかで市民の皆さんの動き方は違うと思いますし、民間の力を借りることで、行政だけではできないことができると思いますので、お願いをしたいと思います。
 あわせて、全国では、山間部とかそういう不便地域だけではなくて、移動のスーパーマーケットなんていうものも大手の協力の下、できていると思います。ネットスーパーもすごく便利でいいのですけれども、コミュニティということを考えると、そういうバスで買物に行くだとか、もしくはそういう移動スーパーが来たときに出ていくとか、そういうお出かけという観点は非常に重要だと思いますので、海老名にも大型のスーパーもありますので、ぜひそういうところと協力しながら、移動スーパーマーケットなんていうのも検討いただきたいと思います。
 いずれにしても、高齢化の問題で、高齢者の移動支援を中心にこれから海老名としては考えていくよというお話だったと思います。ただ、公共交通に関しても、駅やバスまでの不便という場所も出てきています。そこまで行くのがちょっと大変だ。そこまでの足が欲しいということに関しても、引き続きそのグループの中でお話をしていっていただきたいと思います。
 元気な高齢者の方が元気でい続けていただくためには、お出かけということは非常に重要だと思いますので、お出かけするにはその足というのが、自立が難しい人の支援ばかりではなくて、元気な人の支援もすることによって、いつまでも元気でい続けられる、そんなことをぜひお願いしたいと思います。
 福祉の面で、先ほど新しい研究をされるということがありました。福祉有償運送の話がありましたけれども、今現在、これはどんな内容で利用されているのか、その実績をお伺いしたいと思います。

保健福祉部次長(鶴間由美子) 福祉有償運送は、1人で公共交通機関を利用することがちょっと難しい障がい者、それから要介護者などを対象に、民間のNPO法人等が有償で提供する輸送のサービスでございます。本市においては、市社会福祉協議会とNPO法人の2団体が運行しておりまして、いずれも会員制、完全予約制で、外出先での見守りや同行等の支援も受けられることが特徴となっております。利用実績につきましては、令和2年度は2つの団体合わせまして約430人の会員登録がありまして、約6400回の利用があるとの報告を受けております。

(久保田英賢議員) ありがとうございます。家から目的地までドア・ツー・ドアで行けるサービスだということで承知しています。社協がやられている中では、片道500円なんていう値段で行けるということを聞いていますし、ただ、私の懸念するところは、この資格、1日で講習が受けられて、移送する車が白ナンバーだというところにあります。もちろん国の制度としてあるから、それはそれだと思いますけれども、そういう点も考えながらご検討していっていただきたいと思います。
 今後の高齢者の移動支援ということに関して、市は具体的にどういう考え方を持っているのか、お伺いしたいと思います。

保健福祉部次長(鶴間由美子) 特に福祉的な観点からの高齢者の移動支援でございますけれども、一口に高齢者といいましても、利用する方のお体の状況ですとか自立の度合いなど、様々な生活のニーズもありますから、それぞれに配慮したきめ細かい支援の検討が必要であると考えてございます。今後につきましては、ぬくもり号の在り方、それから福祉的な観点での移動支援について、より情報収集をしますとともに、地区社協等をはじめ地域の方にもご協力をいただきまして、高齢者の移動支援が地域づくりにもつながるような仕組みづくりを検討してまいりたいと考えております。

(久保田英賢議員) ありがとうございます。福祉的な観点からというお話がありました。繰り返しになりますけれども、高齢者でも元気な方、そしてちょっと元気ではない方、寝たきりの方、それぞれいらっしゃると思います。そういう方々を見たときに、どういうサービスがマッチするのかということ、その辺の観点をしっかりと考えていっていただきたいと思います。
 1つご紹介をさせていただきます。もともと豊田市でもやられている事業であるのですけれども、市内でガーデン薬局という薬局を運営されている株式会社メディカルガーデンと、そしてハートフルタクシーが提携によって、移動や買物にお困りの方々を支援する海老名お出かけ支援プロジェクトというのを始められるということです。これが10月4日から試験運行となるのですけれども、メディカルガーデンとハートフルの企業の社会的責任として、高齢者のお出かけの機会をしっかりつくっていこうということで、自ら民間の中で事業を行われる。
 これはすごいところが、ドア・ツー・ドアの利便性が確保されている、AIによる乗合運行システムのチョイソコというトヨタグループのアイシンのシステムを導入しての実施になります。チョイソコというのは、お客さんから依頼があったときだけ走行するデマンドの方式であります。ぬくもり号のように、定時、定路線で、お客さんが乗っていないときにも走行する必要があるけれども、チョイソコはお客さんの依頼に合わせて任意の場所から任意の場所まで気軽に効率よく移動することができる。これは2018年の愛知県豊明市で運行が開始されて、全国で今20か所以上導入実績があるそうであります。災害協定を結んでいる豊田市でも10月4日から運行開始となります。ぜひ民間の活力を借りながら連携をしていっていただきたいと思いますが、最後に市長、ご見解をお伺いします。

市長(内野 優) 先ほど経済環境部長が言った商店街の関係で、私も知っていますし、座間でもそれを見ております。そういった面では、国の補助金か、県の補助金がちゃんとしっかり出ているということも聞いておりますし、そういったものについては、商工会議所等も積極的に導入を進めていただきたい。それについて支援できる部分については支援していきたいと思っています。
 そして、今言われたガーデン号についても、私もつい最近訪問を受けました。そして、お話をしているときに思ったことは、いいことだなと思っています。運行するのがしっかりした会社であるということと、もう1つは、そういったデマンドで玄関からその場所までという話でありました。そういった中で、議員おっしゃるとおり、いろいろな形が高齢者のためにとってどうなのかということで動き始めてくる。その総合トータルとして海老名市もぬくもり号をどう運行していくのか。様々な点があると思います。そうした中で、総合的に利便性が向上することによって、高齢者が元気な高齢者であってほしいという形になるのでないかと思っていますので、そういう部分については、この間お会いしたときにも、実証実験という形になっておりますので、どういう形でやられるか、どういう結果が出ているか、そういうことも私どもにちゃんとご報告をお願いしたいという形をお願いしてありますので、総合的に見ていきたいと思います。以上であります。

久保田英賢議員) ぜひよろしくお願いします。終わります。