令和2年9月15日代3回定例会
「不登校や支援を必要とする児童・生徒の現状とその取り組み」R2.9.15
1点目は「不登校や支援を必要とする児童・生徒の現状とその取り組み」についてです。
不登校についてや、支援を必要とする児童生徒に対するテーマは、過去よりシリーズで質問させていただいております。その都度少しずつ前に進めていただいており、感謝しているところであります。平成28年度の海老名市の不登校児童生徒数を見ると、160人とのことでしたが、令和元年6月定例会の一般質問の答弁では、平成29年の実績で200人を超えたと伺いました。教育長の答弁で、不登校児童生徒が200人を超えたこと、支援が必要な支援級在籍者数が200人を超えたこと、この両方の200人超えについて非常に危惧していると言われておりました。また、学校に来られない状況があっても、絶対にしなければいけないのが、子どもたちの学習権を保障すること、400人となっても、500人となっても、600人になっても、学校に来られる、来られないではなく、その1人1人の学習権を保障して、その子たちの教育支援体制をつくることが我々の仕事であるとのお話もされておりました。
そのような状況を踏まえ、海老名市では他市に先駆け、また、他市よりも充実して、様々な不登校児童生徒への対策や、支援を必要とする児童生徒への対策も取られてきており、高く評価するところであります。
そこで、今回は、不登校児童生徒、支援が必要な児童生徒に対する学習権の保障について、個別の支援計画について、専門的な支援チームについて詳細を伺っていきたいと思います。
まず、この場では、現在の海老名市の不登校児童生徒の現状、支援が必要な児童生徒の現状はどのような状況なのか、また、その対策としてどのような取組が行われているのか、お伺いをいたします。
◎教育長(伊藤文康) 1番目の「不登校や支援を必要とする児童・生徒の現状とその取り組み」についてでございます。
昨年度の議会でも私が答えたので、私はそれを危惧しているというか、数が増えることを危惧しているのではなくて、本当に1人1人の子どもたちに学習権が保障されているかどうか危惧しているところでございます。私自身はこれからの教育は多様性の時代だと思っていまして、1人1人の多様な子どもたちが集まって物事を解決する力を身につけるのがこれからの最大の教育の目的になると思っています。そういう意味で、今、第3期えびなっ子しあわせプランを学校と話し合っているのですけれども、その中で、私は多様性をキーワードに、多様な学習モデルの場の提供と、全ての多様な子どもたちへの教育支援体制づくりを柱にして、それを説明しているところでございます。その中では教育支援体制づくりが今回の質問の中に当たると思うのですけれども、そういう意味では、やはりチーム学校とか、チーム海老名という組織があって、まずは不登校とかいじめの問題を具体的に直接的にみんなでチームでそれの解決に当たる、それから、支援の必要な子どもはもちろんなのですけれども、全ての子どもたち、教室の中にいても、その子は全て学習権が保障されているかというと、そうでない場合もあるので、全ての子どもたちに対して学びを保障するような、そういう教育計画をつくる、そういうものをこれから海老名の教育として進めてまいりたいと考えております。
詳細については教育部専任参事から答弁いたします。
◎教育部専任参事(和田修二) 1番目の「不登校や支援を必要とする児童・生徒の現状とその取り組み」についての詳細でございます。
令和元年度に30日以上欠席した不登校児童生徒数は、小学校が67名、中学校が195名、小中合計で262名であり、前年度より54名増加しております。不登校児童生徒への主な取組といたしましては、昨年度全ての不登校児童生徒の実態調査を実施し、それを受けて各学校の教育相談コーディネーターを中心に、個々に適した対応をケース会等で話し合い、個別の支援を実施しております。具体的には、担任等による本人や家庭への学習支援等のアプローチ、別室や心の教室等での支援、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの活用等を支援として行っております。
続きまして、令和2年度5月1日現在の支援級に在籍する児童生徒数は、小学校が163名、中学校が65名で、小中合計で228名であり、前年度末よりも16名増加しております。支援教育の充実を図る取組といたしましては、教職員への研修の実施、えびな支援学校の巡回相談や来校相談を活用した支援への助言、障がい福祉施設との連携による個々の支援に対する情報共有等を行っております。また、海老名市独自の施策といたしまして、言語聴覚士を各校に派遣し、支援級児童生徒への専門的なことばの指導を実施しております。
◆(久保田英賢 議員)先ほど人数のお話がありました。54人の人数が上がったというところで、どんどん増えているという印象は否めないところであるのですが、前回私が伺ったときに、実際、30日以上の欠席ではなくて、もう1つの指標として90日以上の欠席者という指標も文部科学省のほうでは重要視して見ているということを、前回もお話をさせていただきました。実際、今の数字は30日だと思いますけれども、実績として90日以上の欠席の数をお伺いしたいと思います。
◎教育部専任参事(和田修二) 令和元年度に90日以上欠席した不登校児童生徒数は、小学校が22名、中学校が119名、小中合計で141名であり、前年度より3名減少しておりました。
◆(久保田英賢 議員) ありがとうございました。3か月間学校に行けない、90日というのは本当に深刻だと思いますし、その部分に関しては、多少減ってはいるものの、あまり変わっていない、横ばいの状況である中で、予備軍であろうとする30日以上の方々が54名増えているというところは、しっかりと注視していく必要があるなと思いますので、その点はお願いしておきます。
このような背景の中、今回は不登校児童生徒、支援が必要な児童生徒に対する学習権の保障、個別の支援計画、そして、専門的な支援チーム、そのことに関して伺っていきたいと思います。
最初に、不登校の児童生徒に対しての学習権に関して、教育長は、前回も、本当にこのことを強く訴えかけをされていました。現状の不登校の方々に対する学習の支援がどのように行われているのか、お伺いしたいと思います。
◎教育部専任参事(和田修二) 不登校児童生徒に対して多様な学習機会を保障することは、教育現場において最重要なこととして捉えております。そのため、1人1人の状況に応じた学習支援体制を整備していくことを喫緊の課題として取り組んでおります。具体的には、各学校の別室や心の教室への登校、放課後登校での対面指導、担任等による家庭訪問での課題の受渡し等、教育支援教室、びなるーむへの通室などが上げられます。
◆(久保田英賢 議員) なかなか学校に行けない状態、コミュニケーションが取れない状態、そんな状態で勉強はというところは、実際あるのかもしれません。ただ、とは言うものの、勉強はしたいなという子どもたちもいないわけではないと聞いております。今、話の中で、びなるーむでの話がありました。びなるーむ、伺ったところ、現在、小学校が1人、中学校が7名が通級されているということを伺いました。ここでの学習の支援という形に関してはどういう形でやれるのか、もう少し具体的にお伺いしたいと思います。
◎教育部専任参事(和田修二) びなるーむでは、通室している児童生徒に対して、専門教員等が個々の学習課題をサポートしたり、一斉授業を行ったりしております。時にはゲストティーチャーを招くこともございます。以上でございます。
◆(久保田英賢 議員) まずは実際学校に戻れるような段階を少しずついろいろな形で取っていくことが一番重要だということだと思いますが、その中でやっぱり学習の意欲、学習の機会を保障するというような体制づくりも引き続き行っていってもらいたいなと思います。学校の関係で全てができるのがいいのですけれども、今、海老名市内にフリースクールが1つできました。こういうフリースクールみたいなところも活用していくことに関しては、前回のお話で教育長も、いろいろな人の力を借りてというようなお話だったと思いますが、その点、改めて、もう1回、教育長、お伺いしたいと思います。
◎教育長(伊藤文康) フリースクールというか、私自身が、海老名市の、教育委員会、学校が全てではないと簡単に思っていまして、学校以外の全てのものの力を借りて、NPO団体とか、それから、フリースクールとか、そういう力を借りて子どもたちに、それを我々ができればコーディネートする力があればいいのですけれども、皆さんの力を借りて子どもたちを支援する時代だなと思っています。学校でやると、保護者との対面になると、そこで問題がうまく解決できない方向に向かったりするので、様々な立場、第三者も含めて、フリースクールの方々の力も借りて、NPO団体の方、実際に自分のお子様が不登校で困っている方々の意見も聞いて、そういう中で1つの支援の方策として進めたいと思いますが、ぜひ本当に多くの方々、海老名で新たにフリースクールができたということは、私は大歓迎でございます。
◆(久保田英賢 議員) ありがとうございます。そんな中で、学習権の話にもう1回戻りますと、GIGAスクール構想ができて、海老名市はいち早く全児童生徒にタブレットを配付するというようなことが予算も組まれ、承認もされて、あとは実行あるのみというところなのですけれども、これは学習の機会として、不登校な子たちに、タブレットを使った学習の支援というのもやれるのではないかなと思うのですけれども、その辺の見解に関してお伺いします。
◎教育部専任参事(和田修二) ICTを活用した学習支援につきましては、GIGAスクール構想による1人1台端末の導入とともに、その運用に向けての準備を加速させているところでございます。具体的には、ウェブ上の学習ツールやコミュニケーションツール等を用いた遠隔での顔が見える個別の学習支援システムの構築を研究しているところでございます。また、今年度、補正予算で導入いたしましたeライブラリを活用した学習支援の試行も併せて行っております。
◆(久保田英賢 議員) 数多い不登校の子どもたちに対して、担任の先生が1人1人になかなかできるのかどうなのか、分からないところもありますけれども、ただ、1つの手法としては、ICTを活用したということは、有効なことでもあると思いますので、しっかりその辺は早い段階から研究していただいて、実施していっていただきたいと思います。
次に、支援計画に関してです。支援計画、これは不登校の兆しが出てきた、その子たちに対して先生たちの中で、学校の中でケース会議なんかもやられる、そのケース会議をやられた中で、その子がどうやったらまた学校に戻ってこれるのか、もしくは社会につながれるのかということをしっかり計画をつくっていくこと、これは教育長、前回も絶対必要なことだというような話で言われていました。現在、その支援計画については、その後どのようになっているのか、お伺いしたいと思います。
◎教育部専任参事(和田修二) 現在、支援計画については作成を進めているところでございます。支援計画の作成につきましては、連続欠席や断続欠席が続いている児童生徒に対し、教育相談コーディネーターが中心となってケース会等の校内会議を開き、個々に適した支援計画を立てております。その際に活用するツールとして、文部科学省の試案を基に作成した海老名版の児童生徒理解・支援シートの運用を開始いたしました。このシートは、不登校の児童生徒の初期段階から情報を整理し、校内外の資源を活用した組織的かつ計画的な支援を行うために活用するものでございます。
◆(久保田英賢 議員) まさしくその1人の子どもがどうやって不登校からまた学校に戻れるのか、そして、どういうことがその子にとっていいのかということをしっかりと支援の計画をつくるということは本当に重要だと思います。ただ、計画をつくることが目的になってはいけないと思うのですね。今、この児童生徒理解・支援シートというのは、この計画の目標というのはどういう設定をされているのか、お伺いしたいと思います。
◎教育部専任参事(和田修二) もちろん教室復帰や学校復帰を目指すものではございますが、そのために児童生徒の個々の状況に適した目標を設定し、有効な支援を行っていくための計画でございます。
◆(久保田英賢 議員) ありがとうございます。まさしく子どもは変わらないけれども、学校では、先生、担任が代わってしまう、もしくは小学校から中学校へ行ったら環境も変わってしまう、そういった中で、小中含めて支援計画がしっかりあって、そのことが引継ぎをされていくということが非常に重要だと思いますので、ぜひしっかりやっていっていただきたいと思います。
前回、一般質問を行ったときに、不登校の要因ということについても伺いました。その要因を伺ったところ、小学校においては家庭に起因するものが一番多く、中学校においては学校における友人関係に起因するものが一番多いと伺いました。今回、先ほど54人の増加している部分がありますけれども、現状の内容についてお伺いしたいと思います。
◎教育部専任参事(和田修二) 近年の不登校の傾向は、様々な要因が複合的に存在しているケースが多くなっているという現状がございます。ご質問についてですが、令和元年度の不登校の要因の理由が家庭に起因するものは、小学校が54パーセント、中学校が39パーセント、学校における友人関係に起因するものは、小学校が27パーセント、中学校が54パーセントであり、それぞれ高い割合を占めております。小中学校とも、学校での友人関係や家庭環境など、本人を取り巻く環境に起因するものが多く、その環境への働きかけが非常に重要となっております。
◆(久保田英賢 議員) 小学校では依然と家庭に起因するものが多いということでありました。前回もいろいろお話を聞いている中で、家庭での問題はなかなか学校として入っていきづらくて、なかなか難しい課題があるというようなことがありました。そのときにスクールソーシャルワーカー、SSWを活用して、SSWに間に入ってもらって、うまくつなげていっているなんていうお話も聞きましたが、現在のSSWの体制とその内容に関してお伺いしたいと思います。
◎教育部専任参事(和田修二) 福祉の専門家で環境に働きかける支援者としてのその役割を担うのがスクールソーシャルワーカーであり、不登校支援のキーパーソンとしての役割が期待されております。スクールソーシャルワーカーは、学校が不登校の要因や、その背景を的確に把握するために、児童生徒を取り巻く環境を見立て、個別の不登校支援計画の作成について助言をしております。また、本人や保護者との面談や、家庭環境へも働きかけ、各関係諸機関とのつなぎ役も担っております。現在、市費で1名、週4日間勤務しておりますが、支援を充実させるために今後は増員していきたいと考えております。
◆(久保田英賢 議員) この質問がシリーズ化されている中で、平成29年からいろいろと教育長とやり取りさせてもらっている中で、教育長、この時期から、スクールソーシャルワーカーの重要性ということを話されていました。私もずっと一貫して言わせてもらっているのは、やっぱり子どもを見る目がずっとつながっていかなければいけない、例えば高齢福祉で言うと、ケアプランをつくるときには、ケアマネジャーがいて、その人が高齢者をずっと見ていくというようなことがあります。これは不登校の子においても私は一緒だと思うのですね。1人のケアマネジャーみたいな方がしっかりと学校や家庭と連携を取りながら、その子の将来、社会につながるまで見ていく、その支援計画も一緒につくっていく、そんなことがすごく重要だと思っております。この不登校の子に対してのそういう役割は、SSWの人、いいのではないかなというふうに私自身は思っていますし、その中でしっかり計画をつくったところでやっぱり学習の計画も入ってくる、そのように考えます。ぜひ教育長の見解をお伺いしたいと思います。
◎教育長(伊藤文康) 1点ちょっと今やり取りを聞いて、誤解を与えられると嫌だなと思ったことがあったので、ちょっと話させてください。家庭に起因するということは、家庭が悪いという意味では全然ないのです。それから、不登校の要因で先生の対応がまずくて学校に行きたくない、それも学校が悪いわけではないのです。だから、それらの要因は要因であって、それをどう解決していくかなので、間違えると、家庭に起因するというと、家庭が悪いからその子が不登校になったということになるという誤解は避けたいなと思います。不登校は何も悪いことではないので。そういう意味で、ただ、その子にどのようなことが。SSWはとても大事だと思っています。私は、来年度予算編成に当たって、学校とやり取りするときに、学校の予算をこれだけ削って、そのためにSSWを1人増やしたいのだけど、どうと聞いてみようかなと思うぐらいです。いずれにしても、さっき話したように、私自身は第3期のえびなっ子しあわせプランは、多様な支援体制の構築をメインとしていますので、相談体制は教育部の中で都合してでも、SSWとそういう専門家を含めた計画を立てられる人間たちの支援チームづくりを進めていきたいと考えております。
◆(久保田英賢 議員) もちろんその子どもに対して向き合うのは学校現場が一番だと思います。ただ、なかなか多様性がある中で、今、難しい問題を解決していくためには、その専門チームというのが、私は常々申し上げているとおり、必要だと思いますので、市長、答弁はいいのですけれども、ぜひそういう体制、専門家チームをつくる体制に関してまたお考えをいただければと思います。
次に、支援を必要とする児童生徒に関してに移りたいと思います。平成30年6月の一般質問を行わせていただいたときに、障がいを持っている子の切れ目のない支援が必要であるという話をしました。平成27年のときにも少しお話をさせていただいたときに、未就学の児童発達支援事業所に通っている子どもが55人だった、このとき、事業所が5つでした。でも、今は事業所が10できて、現在、支援をしている子が145人に増えている、そして、放課後デイサービスにおいては、平成27年当時、5事業所しかなくて、35人の子どもだったのが、今は35事業所で403人の子が放課後デイサービスにも通っている、そんな現状が今海老名の現状だということであります。未就学から就学期に入る、その段階での切れ目のない支援というものが非常に必要だということを常々申し上げさせていただき、こどもセンターができたときに、こどもセンターの療育・教育連携会議というものを設置していくというような答弁がありました。この会議においての今の進捗をお伺いしたいと思います。
◎保健福祉部次長(内田拓亜) 療育・教育連携会議の進捗状況ということかと思います。支援を必要とするお子様ですとか、その保護者の方に対しまして、一貫した支援を行っていく、その姿勢は、平成30年当時から変わっておりません。一貫して継続しております。そのため、議員お話しいただきました、こどもセンターの関係課、障がい部門なんかも交えて、連携会議、療育・教育連携部会というものをつくりまして、平成30年、元年度で4回ほど会議を行っております。その協議の中で、子どもの成長段階に応じました詳細な記録を残しておりますえびなっ子サポートファイルというのがございます。こちらについて、より効果的に活用していく、そのために活用方法をちょっと改善してみよう、見直そうということが必要であるという方向性が出されております。現在のところ、この方向に従いまして、今後の活用方法、使い方につきまして、海老名市の自立支援協議会にチーム「育つ・学ぶ」というのがございますけれども、そちらへ現状の把握ですとかを行って、活用方法について協議を行っている、そういう状況でございます。
◆(久保田英賢 議員) ありがとうございました。初めて教育と福祉が1つの切れ目のない支援のことに関して方向性を導き出していただいたというのは非常にありがたいことだと思っています。今、未就学の子どもたちがこれから就学するとき、保育園、幼稚園では特に支援級みたいなものがないので、みんな一緒にいると思うのですけれども、その中で、就学に移るときに、その情報、どういうふうに学校とのやり取りをしているのか、お伺いしたいと思います。
◎保健福祉部次長(内田拓亜) ただいまございました療育の支援を受けております未就学児の方が小学校へ進学する場合、こちらにつきましては、療育の支援を行っております事業所がございます。そちらが進学先の小学校と綿密な調整を行っております。今後とも私どもとしては、引き続き円滑な対応、調整が図られるよう調整してまいりたいと思っております。
◆(久保田英賢 議員) そうしますと、就学のときにその子どもたちの情報の引継ぎをしっかり受け継いでいる学校として、やはり学校は学校で、また個別の支援計画というものをつくっていく必要がある、このお話も以前からさせていただいております。何かというと、学校に行っている間の計画が、例えば学校にいるときだけのもので、放課後になったり、休みの日になったりという計画は福祉のほうで立てる、学校と学校外の計画が2つあるのはおかしいよねという話を常々させていただいていたのですけれども、今現在、学校として未就学から就学に移るときに受けた計画に関してどのようにやられているのか、お伺いしたいと思います。
◎教育部専任参事(和田修二) 学校における個別の支援計画につきましては、神奈川県の支援シートを活用し、障がいのあるなしにかかわらず、周囲からの支援が必要な児童生徒に対して作成しているところでございます。これは小学校入学時に、市の就学相談やわかば学園等の療育機関との引継ぎを基に作成いたしております。その後は児童生徒の成長に伴い、小学4年進級時、中学校進学時、高校進学時の3年を機に評価と見直しを実施しているところでございます。また、教育と福祉、そして、幼稚園、保育園から高等学校まで、その支援を切れ目なく行うことができるように今後も支援計画の引継ぎ等について関係機関と協議していきたいと考えております。
◆(久保田英賢 議員) ありがとうございます。本当に不登校のときも個別の支援計画の重要性ということを話をさせていただいて、1人の子どもが義務教育を終わる期間まで、もしくは高校を卒業するまで、どういうふうにその子が社会とつながるかということをしっかりと関係者でその計画をつくって、できればやっぱりそこにずっと1人の人が関わっていく、先ほどのケアマネジャーではないですけれども、そういうようなことが必要だというような話をさせていただきました。今のご答弁を聞いて、教育と福祉でこれからまた個別の支援計画、しっかりとつくっていくという部分に関しては、先ほど来話している、学校にいるとき、そうではないとき、2つの計画があるのではなくて、しっかりとその子の将来にわたって、最終的には親なき自立ということも目標になっていくわけでありますので、そのことをしっかりと進めていっていただきたいと思います。
今、教育と福祉に対しての連携していることがあればお伺いしたいと思います。
◎教育部専任参事(和田修二) 現在、学校、福祉機関、家庭、この3者が互いに連携して支援に取り組むトライアングルプロジェクトを昨年度から研究しております。まずはこの3者が顔が見える関係を築き、それぞれの役割を生かしたよりよい支援を、該当する児童生徒に関わる全ての環境の下で情報を共有したいということを目指しております。
◆(久保田英賢 議員) 今のトライアングルプロジェクトという名前は初めてお伺いしたのですけれども、具体的にどういうふうに実行されているのか、お伺いしたいと思います。
◎教育部専任参事(和田修二) トライアングルプロジェクトにつきましては、令和元年度より、海西中学校区の小中学校3校を対象に実施しております。1年目は学校長や支援級担任等とわかば学園等の療育機関の担当者が顔を合わせ、お互いの実態についての情報交換をしたり、児童生徒についての共通理解を図ったりすることができました。ある事業所で行っている有効な支援の方法を学校や家庭でも実際に取り入れて、よりよい支援ができたという報告も受けております。2年目となる今年度は、引き続き、その実践を進めていき、互いに効果的な連携の在り方について話し合っていきたいと考えております。
◆(久保田英賢 議員) ありがとうございます。個別の支援計画が動き始めたこと、そして、そういう福祉と教育の連携ができたこと、本当にうれしく思います。支援が必要な子の学習権の保障というのも、やっぱり私は必要ではないかなと思っています。ここもやっぱり専門チーム、あったほうがいいなと思いますけれども、最後に教育長、ご見解をお伺いいたします。
◎教育長(伊藤文康) 支援の必要な子というか、特性のある子どもたちがいっぱいいますけれども、全ての子どもたちに本当に学びの保障をするのが我々の仕事であって、それは絶対に必要だと。そのためには様々な計画も必要なのだけれども、一番大事なことは、一定の線を決めて、ここに到達しないとその子はいけないという基準を設けないことであって、1人1人の子どもが自分のペースでちゃんと学ぶというか、どの子も絶対に成長しますし、絶対に前に進みますから、それを支えるような支援体制をみんなでつくるというか、それは教育がメインになるのだけれども、福祉も含めて、社会のいろいろな地域も含めて、それはお互いに協力して、そういう環境をつくれば子どもたちは絶対に前に伸びますので、それは学習権の保障として、海老名市としてはそれを保障するような事業を進めたいと考えております。よろしくお願いいたします。
◆(久保田英賢 議員) ありがとうございました。いろいろとお話をさせていただきましたけれども、ぜひとも子どもたち、海老名ですくすくと育てる環境をしっかりとつくっていっていただくことをお願い申し上げ、私の一般質問を終わります。