令和元年12月17日【市内公共交通網の竪備】

令和元年12月17日第4回定例会
「市内公共交通網の竪備」R1.12.17

3点目は「市内公共交通網の竪備」についてです。
 平成31年3月定例会でも同じテーマで質問をさせていただき、その答弁で、高齢者や妊婦、お子さんを連れての移動は容易ではないことから、誰もが利用しやすい地域公共交通を目指し、ワゴン車両による実証運行を行いたいと考えている。特に門沢橋、中野、社家地域では、JR相模線沿線で若い世代の居住がふえており、駅などまでの公共交通が十分でないことから、実証運行を令和元年10月ごろから2カ年実施をしていくとのお話がありました。この地域コミュニティ交通の実証実験が始まっております。現状についてお伺いをいたします。
 また、実施に至る過程で、まちづくり部と保健福祉部のワーキンググループをつくり、市内公共交通網について研究を進めていくというお話もありました。この現状についてもお伺いをいたします。

◎市長(内野優) 久保田英賢議員のご質問にお答えいたします。
市内では、民間事業者が運行するバス路線や市が運行するコミバス、あるいは社協が運行しておりますぬくもり号やさくら号がございます。今後、交通弱者とか移動支援のあり方、公共交通の抱えているまちづくり部と保健福祉部に検討を指示しております。現在、ワーキンググループで検討を進めている中で、それを踏まえて市としての取り組みや方向性をまとめていきたいと考えております。
 このほかにも、つい最近、神奈川新聞でも出ましたけれども、あるスーパーが買い物支援という形で、予約があると、買い物の迎えに行って、買い物が終わったら送るという形で新聞にも出ておりました。そういった部分でいくと、先ほどの商工会議所との連携を深めながら、そういった大手のスーパーがあったり、市内の中小があったり、そういったものの連携の中でできることを行政として支援しながら、その部分のフォローをまた市がやっていくということも必要ではないかなと思います。今までのぬくもり号とさくら号が完璧ではありません。コミュニティバスが完璧ではありません。今後の将来を見据えた少子高齢化社会の中でどうやっていくか。それは1つの大きな課題でありますので、これについてもできるだけ方向性をしっかりと踏まえながらやっていきたいと思っています。

◎まちづくり部次長(金指太一郎) 3番目の「市内公共交通網の整備」についての詳細でございます。
 まず、コミュニティ交通の運行の現状でございます。高齢者や小さなお子様連れの方々に対する移動支援策として、10月1日より社家、中野、門沢橋地域において、9人乗りワゴン車によるコミュニティ交通の実証運行を開始したところでございます。利用者数の実績といたしましては、10月が854人で、1便当たり2.0人、11月が1185人で、1便当たり2.8人となっており、少しずつではございますが、利用者数は伸びている状況でございます。また利用者の内訳は、高齢者層が6割、生産年齢層が3割、小中学生や未就学児が1割となっております。利用者からは、バス停が家の近くにあり便利である、あるいは荷物があるときに便利であるなどのご意見をいただく一方で、本数がもっとあると助かる、満員で乗れないことがあるなどのご意見もいただいているところでございます。引き続き地域への周知など利用促進を図るとともに、利用者アンケート等により地域の皆様のご意見をいただきたいと考えてございます。これらの結果を踏まえ、運行ルートや時刻表の見直しを行うとともに、費用面や事業効果を含めた検証を行ってまいります。
 次に、まちづくり部と保健福祉部のワーキンググループの現状についてでございます。
 このワーキンググループは、移動支援のあり方と公共交通のかかわりについて検討を行っており、これまで計6回開催をしているところでございます。特に高齢者や障がい者、妊産婦などの交通弱者に対する移動支援につきましては、福祉政策の観点からも市全域でどのように取り組んでいくかが課題でございます。既存の路線バスやコミュニティバスとぬくもり号、さくら号との連携、あるいは役割分担、改善も視野に入れ、公共交通と福祉交通の共存とともに、交通弱者への移動支援を引き続き検討してまいりたいと考えてございます。
 以上です。

◆(久保田英賢 議員)
先ほど一定、今の実証の内容に関してはお伺いしました。2カ月たつにつれて、だんだん伸びてきているという状況もわかりました。では、実際このコミュニティ交通のルートとか時刻もしくは運行のルールというのはどのような経過を経て決まってきたのか、お伺いしたいと思います。

○議長(福地茂 議員) 金指まちづくり部次長。

◎まちづくり部次長(金指太一郎) コミュニティ交通の実施に当たりましては、社会福祉協議会を初めといたしまして、地元、社家、中野、門沢橋の自治会長、それから子育て世代の方々で構成する南部地域における地域公共交通のあり方に関する勉強会を設置し、検討を行っていただきました。また、社家、中野、門沢橋地域の約1600名の方を対象としたアンケートを実施し、あわせて意見を頂戴したところでございます。今ご質問の運行ルートや時間帯、乗降場所などの位置につきましては、勉強会での意見、あるいはアンケート調査に基づき決めさせていただいたというものでございます。
 また、運行概要でございますけれども、ルートは本郷の商業施設から門沢橋、中野、社家地域を経由し、運動公園まで運行しており、一部の便は海老名駅まで運行している状況でございます。また、運行時間についてもお決めいただきましたけれども、それらも小さなお子様連れや高齢者の方を対象にしたいということで、昼間の時間帯を採用させていただいたものでございます。さらに、運行ルート上の乗降場所についても、先ほどありましたとおり、アンケート調査等で上がりましたので、その意見を踏まえて設置いたしました。さらに、非常に狭隘の道路を通りますので、通常のバス停のようなものは設置できません。そのため、民地のご協力をいただきまして、そこに表示板を設置させて、現在運行しているというところでございます。
 以上でございます。

○議長(福地茂 議員) 久保田英賢議員。

◆(久保田英賢 議員) ありがとうございます。この件に関しても私は幾度となく提案をさせていただいて、実証実験までしていただいているところでありますけれども、幾つか乗れなかった等の課題があるようなこともちょっと耳にしております。実際運行してまだ2カ月ですけれども、その課題があればお伺いしたいと思います。

○議長(福地茂 議員) 金指まちづくり部次長。

◎まちづくり部次長(金指太一郎) 議員ご指摘のとおり、今回運行に当たっての現在の課題としては、定員が9名ということで、定員オーバーのために乗車できない、乗り残しがございます。2カ月で、10月に1回、それから11月に5回ということで、計6回乗り残しがございました。また、乗り残しがありましたのは海老名駅の発着の便で、利用者が集中したためだろうと考えてございます。いずれにしましても、今回コンパクトな車両で狭隘な道路を通って、よりきめ細かな対応はできているのですけれども、一方で乗車定員が限られるということで、乗り残しが課題であると認識してございます。
 以上でございます。

○議長(福地茂 議員) 久保田英賢議員。

◆(久保田英賢 議員) ありがとうございます。2年間の実証実験というところの中で、今回、その課題としてルートが運動公園までの便と海老名駅まで行く便と分かれているという中で、海老名駅まで行く便は、最初に乗ってしまうと、ずっと海老名駅まで乗っていくので、途中で乗りたい人が乗れなくなってしまうという課題がある。それはそのとおりだと思います。海老名駅までそのまま乗っていきたいという人は多いのは当然だと思いますけれども、私、市内公共交通の提案をしたのは、市内には9つの駅があって、その9つの駅をうまく利用して、電車を補足する足にしたらいいのではないかという提案をさせてもらいました。イコール、例えば門沢橋駅、社家駅を通って、その地域を細かに回って、海老名駅まで行きたい人は電車を使って行ってもらう。そういうことが必要だと考えています。
 何でも海老名駅まで行ってくれるというのを実現しようと思うとなかなか難しくて、時刻表を見ますと、門沢橋駅のところで見ますと、運動公園との行き来のところで言うと、30分に1本ぐらいで回るのです。それが海老名駅まで行くと1時間に1本になってしまう。地域の中で駅を中心にしたそういう地域の足というものをうまくつくれれば、非常に便利だと思いますし、しかもタクシーで今回は運行していますので、どこでも乗りおりが自由にできるはずなのです。その部分に関して、ルート上であれば、ここでおりたい、ここで乗りたいということが可能なことが今法律的にも認められていると思います。実証実験なので、例えば海老名駅をやめて、実際もう地域だけを走って、そのかわりどこでも乗りおりできるよう、こんなことをトライしてみるということも大切だと思いますけれども、ご見解をお伺いします。

○議長(福地茂 議員) 金指まちづくり部次長。

◎まちづくり部次長(金指太一郎) ご提案ありがとうございます。今実証運行をする中で、実は利用者の方々からもさまざまなご意見をいただいているところでございます。その中には、先ほど乗りこぼしというお話をさせていただきましたけれども、一方で、もっと海老名駅までのアクセス、本数をふやしてほしいといったご意見もいただいております。今後、またアンケート調査も実施いたしますので、議員からのご提案、それからアンケート調査結果等を踏まえて研究していきたいと考えてございます。
 以上でございます。

○議長(福地茂 議員) 久保田英賢議員。

◆(久保田英賢 議員) 理想は、免許がなくても、海老名のまちは、鉄道が通っていて、その鉄道駅までのアクセスがよくて、バス路線があって、そのバス停までもアクセスがよくて、その補助になるのがそういう地域コミュニティの乗り物だと。それがタクシーで行われることによって、どこでも乗りおりが自由にできる。これはまだ日本でないらしいのです。いろいろな意味でぜひ研究をしていっていただきたいと思いますし、料金を取る取り方とかにも課題がいろいろあることは承知しています。前もっての回数券みたいなやり方をすることによって、その課題も解決ができると思っております。
 よくないですか。ルート上、どこもがバス停、自分の近いところで。しかも、9人乗りですから、ちょっと細いところにも行ける。国分寺台なんか、後で永井議員もこの質問をやられるので、一緒にお話ししましたけれども、バス停まで300メートル歩くのが大変なのだ。だから、そういうバス停をも通ってくれる、そして駅を中心に。理想は、そういうネットワークを市内中学校区ぐらいのところ、6中学校区ぐらいにこの便が走ればいいなと思います。それは今、2本バスを今回も使っていると思いますけれども、その2本でうまく小さなエリアで回れば、30分に1本というのはもう可能なのです。鉄道を使ってもらうということを念頭に置いた中で、ぜひご検討をしていっていただきたいなと思います。
 ただ、海老名の中では今、ぬくもり号、福祉と公共交通というものが分かれています。ワーキンググループを6回やられているというところですけれども、その整理が今どういうふうになっているのかだけお伺いしたいと思います。

○議長(福地茂 議員) 金指まちづくり部次長。

◎まちづくり部次長(金指太一郎) ワーキンググループの検討経過ということでございますけれども、現在、海老名市の公共交通としては、今おっしゃっていただいたコミバス、えびさむ線、それからコミュニティ交通を運行しています。これは公共交通として市民に欠かせない移動手段であると認識してございます。一方で、福祉政策として現在ぬくもり号、さくら号が走ってございますけれども、これらも高齢者や障がい者の移動手段としての役割を担っていると思っています。ワーキンググループでは、より高い視点に立ってこれらをどういうふうにしていったらいいのか。例えば、地域福祉交通と公共交通のすみ分け、役割分担、あるいは相互補完というものができないだろうかということで議論をまさにしているところでございます。
 以上でございます。

○議長(福地茂 議員) 久保田英賢議員。

◆(久保田英賢 議員) ありがとうございます。福祉は福祉の視点、公共交通は公共交通の視点ということはしっかりとすみ分けをして検討していっていただきたいと思います。那須塩原市ではうまくタクシーを使ってデマンドではないやり方でもやっていますので、(時間切れのブザーが鳴る)ご検討ください。
 終わります。

○議長(福地茂 議員) 以上で久保田英賢議員の市政に関する一般質問を終結いたします。