令和元年12月17日【まちの資源を活かした今後のまちづくり】

令和元年12月17日第4回定例会
「まちの資源を活かした今後のまちづくり」R1.12.17

2点目は「まちの資源を活かした今後のまちづくり」についてです。
 海老名市では、海老名駅中心に東西のまちづくりが行われ、中心市街地の活性化が進んできております。令和元年11月30日には相鉄線の都心乗り入れも開始され、さらに交通利便性もよくなってまいりました。一方、海老名市の観光資源を外部に対して発信し、人の誘致を行えていない、そんな現状もあります。今回、今後の10年を見据えた総合的な計画を策定され、議案として上程されております。地政学的にも恵まれたこのまちのまちづくりを今後どの様に考えているのか、お伺いをいたします。

◎市長(内野優) 久保田英賢議員のご質問にお答えいたします。
2番目の「まちの資源を活かした今後のまちづくり」についてでございます。
 本定例会では、本市における10年後のめざす姿の方向性を示したえびな未来創造プラン2020の策定について上程しております。本市は、鉄道3線が乗り入れ、市内に9つの駅を抱える交通利便性の高いまちであります。相模鉄道がJRと相互乗り入れを行いました。先月の30日には新宿まで行けるという形でありました。これから川越や大宮など、北関東方面からの乗りかえなしで海老名に来られるという形にもなります。あるいは、数年後には渋谷まで直通します。議会の冒頭でも申し上げたとおり、渋谷が若者のまちから大人のまちへと変貌しつつあるというニュースもあります。そういった面では、今後、海老名が置かれている位置づけというのは、ポテンシャルがより高くなってくるだろうと思っているところでございます。
 そういった中では、令和3年に海老名は町から市になって50周年を迎えます。そういった面で、花を添えていただくような形で小田急のロマンスカーミュージアムがオープンしますので、今後、全国から多くの鉄道マニアもいらっしゃると思っております。こういった形を生かしながら、絶好の機会を逃すことなく、引き続き積極的なまちづくりを進めていきたいと思っています。
 先ほども話しましたけれども、隣の駅間のマンションの31階から海老名市の周辺を見ると、機会があったら、小田急に言って、議員も視察をされたほうがいいと思います。高さが31階、リコーとはまた違った雰囲気がありまして、周りがばあっとできていて、また田んぼがあって、またこっちに行くとできていて、また田んぼがあったり、高校生が言っているちょっと都会、ちょっと田舎と合っていると思います。
 しかしながら、今後は駅間の問題はともかくとして、西口にまだ調整区域が残されております。そういった部分では、今後道路をつくると、何でもできる場所になりますから、そういったものの規制とか秩序あるまちづくりも考えていく必要がある。これについては都市計画審議会でもお話をさせていただきました。そういった部分で、今後、難しいというか、指導的な土地利用の問題というのは出てくるだろうと思いますけれども、そういった部分は議員の皆さんと相談しながら、開発をすべきところと残す農地としっかりとしたことを踏まえながらやっていきたいと思っています。

◆(久保田英賢 議員)
先ほどの答弁で、市の魅力に関しては、市長のほうから交通利便性が高いことを挙げられていました。2022年の下期には相鉄線が東急のほうに直通線が運行される予定にもなって、さらに利便性が見込まれると思います。ほかにもたくさん海老名の魅力はあると思いますけれども、新しくつくられた総合的な計画、えびな未来創造プラン2020ではどのように整理をされているのか、お伺いをしたいと思います。

○議長(福地茂 議員) 財務部次長。

◎財務部次長(告原幸治) えびな未来創造プラン2020では、10年後のめざす姿「みんなが笑顔 みんなが住みやすいまち えびな」を掲げるに当たって、当市の魅力を整理しております。海老名市は、駅周辺で都市化が進む一方、少し離れれば田園が広がるといったように、都市と自然のバランスがとれたまち、先ほど市長の答弁でも、ちょっと都会、ちょっと田舎というお話もあったと思います。また、海老名駅を中心ににぎわいのあるまちであるとともに、歴史と文化の薫るまちでございます。このように、交通利便性の高さのほか、多彩な魅力を抱えているまちであると整理しております。
 以上です。

○議長(福地茂 議員) 久保田英賢議員。

◆(久保田英賢 議員) ありがとうございました。平成14年に東口の中でまちづくりが行われてビナウォークができてきました。そして平成27年には、先ほど来お話がありました西口の区画整理事業によって、新たなるまちがあらわれてきました。大型商業施設の誘致も行われて、本当に今までの海老名のまちとはもう違った顔ができてきたなと思いますし、駅周辺の都市化が進んだというところは非常に喜ばしいことではあると思います。もちろんこれを否定する話では全くなくて、ありがたいことだと思います。
 ただ、1つ懸念することは他人の資本であるというところであります。他人の資本が入った中で、将来にわたってずっと運営をしていっていただけることはありがたいことではあるのですけれども、その魅力というもの自体は、まち固有の魅力というものをしっかりつくっていく必要があるのではないかということを私自身は思っております。
 海老名というまちは、歴史的背景を見ても、肥沃な土地があり、そして昔から交通の要所であったということであります。弥生の時代には、河原口坊中遺跡でもありますように、あの地に人が多く住んでいた。そして、そのかいわい、中野までのあの平地のところに多く栄えていたというそんな事実もあります。私は、そういう歴史とか肥沃な土地、農地というものが海老名の1つの個性ではないかなと思います。市長、先ほどもお話しされていましたけれども、ちょっと田舎という部分を表すると、農地というものが1つはちょっと田舎というところにもなるのかなと思います。
 弥生時代中期の話を先ほどしましたけれども、河原口坊中遺跡では、木片のきねと臼が原形をとどめて出てきた。これは日本全国の中でも、この木片のきねと臼が出てきたということは珍しいことだとなりますけれども、そういう背景の中からも、海老名のまちは2000年以上前からしっかりと稲作が行われていて、そして肥沃な農地があったのだ、そんなことを1つの個性と考えるのであれば、これから海老名のまち、ちょっと都会という部分が中心市街地であれば、ちょっと田舎というところが農地と考えてもいいのではないかなと私は思います。
 そんな持論は置いておいて、では、現実の海老名の農地を担っている農家の戸数もしくは農地が実際どれぐらいの面積としてあるのか、その現状をお伺いしたいと思います。

○議長(福地茂 議員) 経済環境部長。

◎経済環境部長(谷澤康徳) 農家、それから農地の関係でございますけれども、現在の総農家戸数は687戸でございまして、専業でやられている方は109戸という形です。
 それから、農地の関係でございますけれども、現状では、これは平成29年のデータになります。524ヘクタールでございまして、年々減少しているという状況にはございますけれども、市域面積の約5分の1を占めているといった状況でございます。

○議長(福地茂 議員) 久保田英賢議員。

◆(久保田英賢 議員) 農家の戸数が少しずつ減っているという中で、年齢の構成なんていうことも影響しているのではないかなと思いますけれども、今の農家の年齢の割合ということもお答えいただければと思います。

○議長(福地茂 議員) 経済環境部長。

◎経済環境部長(谷澤康徳) 農家の年代別の従事者ということでございますけれども、現状では、50歳以上で全体の80.2パーセント、その中でも70歳以上が41.5パーセントと最も多い割合になってございます。

○議長(福地茂 議員) 久保田英賢議員。

◆(久保田英賢 議員) この小さいなまちの面積の5分の1が農地である。そして、田んぼで言うと約2400反、畑で言うと2880反という面積だということをお伺いしました。この農地の部分があるから、何かほっとするという意見も市民の皆さんからあるのかなと思います。この現状に関してはよくわかりました。先ほど年齢の割合も聞きましたけれども、全国的にも農業、農地を守るというところの部分で言えば、高齢化の問題とか後継者不足もしくは担い手の不足ということが言われております。この海老名においての課題をどういうふうに認識しているのかお伺いします。

○議長(福地茂 議員) 経済環境部長。

◎経済環境部長(谷澤康徳) 議員のほうから今お示しいただきましたけれども、海老名市におきましても、今おっしゃられたとおり、従事者の高齢化だとか後継者不足、担い手不足、こういった課題を抱えてございます。具体的に申しますと、今申し上げました年齢が70歳以上が41.5パーセントを占めているということがございますし、専業農家は比較的後継者がいられるようですけれども、それ以外の農家は、今の状況からいくと、引き続き後継者が不足していく、こういった状況は否めないかな。だから、若手の方にぜひ農業従事者として活躍していただきたいところですけれども、それもなかなか難しい、こういった状況にあろうかと思います。

○議長(福地茂 議員) 久保田英賢議員。

◆(久保田英賢 議員) 今お話があったように、専業の方はまあまあ、1種兼業の方も何とかなるだろうけれども、687軒のうちの544軒が2種兼業の方もしくは自給的農家の皆さんであるという中では、この高齢化の問題によって、ちょっと田舎である農地がしっかりと維持していけるのかというのは大きな課題だと思っております。海老名市の農地を維持していくため、市としては、どういうふうにこれから農業を支えていくのがいいのかという考えがあればお伺いしたいと思います。

○議長(福地茂 議員) 経済環境部長。

◎経済環境部長(谷澤康徳) 農業もなかなか大変でございますけれども、収益性が高くなければいけないというところがあろうかと思うのです。そういった点では、施設園芸だとか大規模に土地を利用していく形、それに関連すると、農地の集約化だとか機械化、こういったことが必要で、作業を効率化したり省力化する、こういった農業を展開することが1つの方策かなという形で考えてございます。一言でこう言いますけれども、実際は農地の集約化につきましても、権利関係だとか土地所有者の方々のいろいろなお考えがございますから、その辺につきましては意向が大事になってきますので、慎重に進めていく必要はあるのかなとは思っております。

○議長(福地茂 議員) 久保田英賢議員。

◆(久保田英賢 議員) まさにそのとおりで、集約化を図りたいといっても、地権者の合意がなければ、その集約化も図れないというところは大きな課題だと思います。そういったところでは、ちょっと田舎という、駅からこれだけ近いところに農地があって、稲穂の季節には本当に豊かな風景が望めるわけであります。そういったものを維持するために、いろいろな手だてを考えていくことが必要だと思うのですけれども、まずは農地を持っている人たちがどういう意向があるのか、本当に自分がこのまま維持をしていきたいのか、誰かに貸して維持をしたいのか、もしくは売却をしたいのか、その辺が市としてやることであると思います。平成27年にアンケートを行ったということは伺っております。市内で30アール以上の耕作地を所有している農家だということを伺っておりますが、私は、そこではなくてもう全て、農地を持っている方に、これはちょっと大変な作業かもしれませんけれども、市として皆さんの意向を聞く必要があると思いますけれども、ご見解をお伺いします。

○議長(福地茂 議員) 経済環境部長。

◎経済環境部長(谷澤康徳) 議員おっしゃるとおり、平成27年に調査を実施してございますけれども、確かに限定的な範囲でということでございます。おっしゃられるとおり、ニーズを捉えていくということは基本的に大事なことでございますので、実際将来的にどう農業を考えていられるのか、そういった点については意向調査を実施してまいりたいなと考えてございます。

○議長(福地茂 議員) 久保田英賢議員。

◆(久保田英賢 議員) 前向きなご答弁ありがとうございます。ぜひ令和2年度の中でしっかりとそういう農地を持っている方の意向を聞いて、それに伴ってどういう政策を上げていくのかということをお考えいただきたいと思いますので、この点に関してはここで終わりにさせていただきます。では、市長、何かお考えがあれば。

○議長(福地茂 議員) 市長。

◎市長(内野優) だからこそ農業法人が必要なのです。農業法人か公社か、それは後ほど質問者がまた聞きますけれども、そういった組織が必要。間に入って、地権者同士の問題の信頼関係をちゃんと確保していく、そういったことが必要。それはなぜかというと、行政側が担保しても、行政側がそれを生かすことはできません。だから、そういった部分の活用の組織をつくっていくということが今回の私の公約であります。
 もう1つ言えることは、アンケートを全部とれといっても、私は大体わかります。この方はこういう考え方だ。農業をやる人たちは、一番いいのは、農地に値段がつかなければ問題ないです。これはもう一斉に皆さんがやる。だから、農地に値段がついてしまっている。ここに大きな問題があります。だから、売ればお金になる。ところが、売れるかというと、売れない。なぜかというと、売ると、おまえのところは農地を売ったではないかと始まるわけです。だって、考えてみてください。農家の家ってすごい広いではないですか。住んでいる人は4人しか住んでいないとか高齢者が住んでいる。ところが、家を考えれば、ちょっとした家、市街化区域のほうですよ。そこを売ったほうが相続税でいいのではないかと思うと、母屋はなかなか売れないのです。そういった立場もあられるのです。
 だから、そういった部分では個々的にはあるのですけれども、海老名の問題は1つ言えることは、南部のほうでも農地に単価、お金がつくということの中の難しさがあります。そういった中では、だけれども、では、やっていけるかというと、やりたくない。だから、先ほど経済環境部長が言ったとおり、園芸的な農業に移行、あるいは集約化を図る、機械化を図っていく。そういった形でやる人間の皆さんを集約しながら維持をしていく、そういったことが今後求められていると思っています。
 以上です。

○議長(福地茂 議員) 久保田英賢議員。

◆(久保田英賢 議員) ありがとうございます。都市近郊農業というところの立地としてはすばらしい場所だと思いますし、そういう農家のいろいろな考え方があることをまずしっかりと分析して、今ベンチャーなんかでもすごく都市農業を盛んにやられているところもありますので、そんなものも研究しながら進めていければと私も思っております。では、この点に関しては終わりにします。