平成25年3月13日【農業の未来について】

2013-03-13

平成25年3月13日(平成25年第1回定例会第4日)
【農業の未来について】

◆(久保田英賢)まず、1番目は「農業の未来」についてです。
 平成23年度に行われた海老名市政アンケート調査で「海老名市のどのようなところに強い魅力を感じますか」という問いにおいて、第1位に「交通・生活の利便性」65.3パーセント、第2位に「ビナウォークをはじめとした商業施設」60.2パーセント、第3位に「田舎と都会がほどよくバランスとれた街」53.0パーセント、第4位に「田んぼなどの自然」51.1パーセントとなっています。半数以上の市民の皆さんが田んぼや畑などが多いまち、田舎の雰囲気を感じられるまちに魅力を感じられているわけであります。特に水田は、田園風景の持つ景観機能や大雨のときに雨水をためる機能、そして、ヒートアイランド現象の抑制、災害時における避難場所など、多面的な機能がございます。また、新鮮な農産物が身近で生産され、入手しやすいことなども魅力の1つであります。初夏に青々とした稲穂が風になびく姿や実りの秋に一面黄金色に染まる風景は、市民に心の安らぎを与えてくれます。都市と調和のとれた田園風景はまさに海老名の象徴とも言え、市民生活に潤いとゆとりを与えてくれるものと思っております。
 しかし、農地を維持していくのは農家の皆さんであります。海老名市に限らず、全国的にも農業経営は大変厳しい状況にあると認識しております。海老名市の現状は、1種兼業農家が58軒、2種兼業農家が529軒で、農業収益だけで成り立っている農家は少なく、農業収益プラス農外収益で何とか成り立っているとお聞きしています。また、大型公共工事に伴う収用移転のための代替地や沿道サービス、駐車場、資材置き場、西口の大規模開発による農地の転用が進み、優良な海老名耕地が年々減少しております。第四次総合計画後期基本計画の基本方針には「地域の特性を活かした農業施策の展開を図り、市民共通の財産である農地を後世に伝えます」としてありますが、海老名市として、このなくてはならない農地を守るため、海老名市の未来の農業についてどのようにお考えか、お伺いします。

◎市長(内野優) おはようございます。それでは、久保田英賢議員のご質問にお答えいたします。
 1番目の「農業の未来」についてでございます。
 当市は、首都圏に立地し、大消費地の中にあり、多くの優良な農地を有する生産地であることから、農業が大変盛んな地域でございます。市内農家の皆様は、その地理的利点を最大限に生かし、市の特産であるイチゴを初め、野菜や花卉など、数多くの品目を生産、出荷されております。しかしながら、近年の急速な都市化による農地の減少や農業従事者の高齢化、後継者不足といった課題もございます。
 このような状況の中、今ある農地を将来に継承し、海老名の農業を衰退させることのないよう、農用地の維持、拡大や農地の集約化、農作業の集団化を図ることが今後の当市における農業施策として必要なことであると考えております。このため市といたしましては、南部農業拠点施設の整備や新たな営農組織の設立などの取り組みを実施しているところでございます。また、農機具をお持ちでない市内農家の方、あるいは農機具などへの投資ができない方などに、昨年、農機具貸出事業を試験的に実施いたしました。私ども農業における国とアメリカとの関係、いわゆるTPPの関係がありますけれども、農業というのは基本的に産業の1つであります。そういった中で、日本の食料の中心的なものを守っていく、これこそ国としての責務ではないかなと思っています。そういった面で、私ども市、一自治体としてできることは何かということを考えたとき、都市型農業という形になりますと、きのうも鶴指議員から、畦畔を除去するのはおかしいという話がありました。なぜおかしいのでしょうか。畦畔は水利を保つ役目が1つあります。
 もう1つ重大なことは境界を定めています。よって私どもは、測量し、そして地権者の合意を得て、お互い隣同士、隣の土地が違う人だったら、できるだけ交換をしていただいて、その所有者が自分で集約化を図ることが必要なのです。ところが、今は点々としているわけです。所有者が違う形でも一緒に耕作をする、これが集団化です。私どもがそういった土壌をつくっても、農家の皆さん、農業をやる方の意識が改革できなければ、幾ら行政が集団化、集約化と言っていてもできません。おらが土地、おらがつくった米、これでは絶対勝てません。出荷されて――おらが土地から出た土地を食うのは自分だけです。しかし、きょう米屋さんがいらっしゃいますけれども、出されてしまったらどこの米も一緒にまざってしまうわけです。よって出荷されない、自分でつくった米を自分で食べたときはおらの米です。ですが、出されたときにはみんな一緒の米なのです。そういったときに私どもは、やっぱり土地の集約化を図っていく、そして集団化というか、1人でやるのではなくて、手助けをして、お互い協力し合ってやる。そして、もみすり乾燥機も自分の米の乾燥をずっと見ているのではなくて、ほかの人も一緒になっても平気なような意識の改革が絶対必要です。これをやることこそが営農組合だと私は思っています。
 私どもは昨日、補助金が幾らなのか、などと言っています。国の政策を待ってやっていたら、海老名にどれだけの補助金が来るかというと、東北とか、いわゆる米どころに相当集中します。そういった面ではやるべき仕事を、海老名が農業を元気にする、農地を大切に保全する、やはりそれなりの投資が必要だと思います。なぜならば、西口区画整理の土地も、14ヘクタール全て水田です。その水田がなくなっていくということは、残された農地をしっかりと保全する責務があると思っていますので、ご理解をいただきたいと思っています。私どもいろいろな関係で、試行的、試験的にやっています。農機具も4月から本格的な運用が始まりますし、今回畦畔も試行的にやるわけでありまして、そういった結果を検証しながら、海老名市が今後できることを拡大していきたいと思っているところでございます。

◎経済環境部次長(平本明彦) それでは、1番目の「農業の未来」についてでございます。
 市長の答弁にもありましたように、昨年、南部地域に新たな営農組織でございます海老名市南部営農組合が設立されました。この営農組合につきましては、後継者のいる地域の生産者みずからが地域の農地を守ることを目的として設立されたものでございます。市といたしましては、新たな営農組合の設立に合わせ、水稲作が盛んであります南部地域において、後継者不足や機械設備の整備が困難である農家が共同で米の乾燥、調整作業を行うことが可能となります南部農業拠点施設を新たに整備し、昨年より施設の稼働を開始しているところでございます。ご利用いただきました農家の方々からは、大変好評をいただいているところでございます。
 なお、農業拠点施設での生もみの投入から乾燥、もみすり、製品の袋詰めといった実際の作業につきましては、将来的に施設運用を任せることを視野に入れ、南部営農組合の皆様とともに運用させていただいたところでございます。また市では、貸し出し用のトラクターや水稲用コンバインなどの農機具を購入し、農機具をお持ちでない市内農家の皆様や機械の更新が困難である方々への貸し出し事業を行っております。これらの機械を利用していただくことにより、田起こしや稲刈りといった作業を省力化し、農家の負担軽減を図ることが可能となり、荒廃農地の増加を防ぐ対策の1つとなってまいります。本事業につきましては、昨年より利用者ニーズを把握するため、試験的に農機具の貸し出しを無料にて実施し、よりよい事業運用の手法についての検討を行ってまいりました。この検討結果を踏まえ、来年度より貸付料をいただきながら本格的な運用を行ってまいります。
 このほかの農業施策といたしましては、優良な農地を守るため、農用地区域の維持、拡大を図ることにつきましても必要となってまいります。このため、当市におきましては平成22年度に農用地営農支援制度を創設し、農用地の新たな指定に取り組んでいるところでございます。また、テレビや新聞、タウン紙といったマスコミを有効活用しての海老名産農畜産物のPR活動、農業者団体が共同で行う事業に対しての補助などにつきまして、従前より行っているところでございます。これらの施策に加え、先ほど市長が答弁いたしましたとおり、農地の集約化、農家の集団化に向けました事業といたしまして、水田の畦畔除去事業を試験的に実施するために、その事業内容等について現在検討を重ねているところでございます。
 また、事業を進めるに当たりましての測量調査等にかかる費用につきましても、来年度当初予算において予算計上させていただいております。このような取り組みを通じ、従来からの施策を継続することはもとより、新たな視点に立っての農業施策を本格的に実施し、今ある海老名の農地の保全や海老名の農業を発展的に継続することができるよう、今後も取り組んでまいります。
 以上でございます。

◆(久保田英賢) それぞれご答弁をありがとうございました。それでは、順次再質問をさせていただきたいと思います。
 まず「農業の未来」についてであります。
 25年度予算でも農政課には2億1000万円と本当に海老名市としても農業を思っている、これからの農地を守っていくということがあらわれていると思うのですが、まず1点目、営農組合のお話がありました。今現在、中部と南部の営農組合が設立されていますけれども、今後海老名市においての営農組合の計画というのはございますでしょうか。

◎経済環境部次長(平本明彦) 営農組合の今後の計画についてでございますけれども、昭和60年に中部営農組合が設立されまして、昭和63年に大谷にライスセンターが建設されて、それぞれ事業展開が図られております。そういったことを勘案しながら、海老名市域を3分割しまして、それぞれの地域に拠点施設と、さらには営農組合の設立というようなことを計画いたしました。その計画に基づきまして、昨年、拠点施設を中河内内に建設するとともに営農組合も設立され、中部、南部とできましたので、今後は北部地域にというようなことで事業を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◆(久保田英賢 議員) ありがとうございました。中部、南部、そして北部のほうへということなのですけれども、市内を見てもわかるように、水田の様子は、中部、南部、北部と違うというふうに思うのですけれども、農業の形態が違う営農組合の運営というのはどこも一緒というわけではないと思うので、例えば中部、南部、北部の営農組合の運営に関してはどういうふうにお考えかをお聞きします。

◎経済環境部次長(平本明彦) 先ほど答弁いたしましたように、今現在、中部は自主運営ということで二十数年にわたっております。また、南部につきましては昨年設立というようなことがございますので、当分の間、直営とします。ただし、南部営農組合の協力をいただきながらの運営でございます。北部につきましては、久保田議員ご指摘のとおり、南部地域に比べまして、水田の面積あるいは農家の数も約3分の1程度でございます。そういったことを踏まえまして、中部あるいは南部を参考にしながら、それぞれ農家の方々と協議を重ね検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◆(久保田英賢 議員) ありがとうございました。やっぱり実態に即した、農家の方々が必要とするような施設をぜひお願いしたいと思います。先ほどテレビやタウン紙などで農産物のPR活動を行っているというような話もありました。ぜひ積極的なそういうPRを行っていっていただきたいわけでありますけれども、1つ、海老名市内の水稲の作付面積は225ヘクタールあるそうです。その約11.1パーセントにもなる25ヘクタールに今、酒米の山田錦が耕作をされております。そして、その酒米の山田錦が平成25年度の春から神奈川県の産地品種銘柄に新たに登録される可能性が高いということであります。産地品種銘柄とは何かというと、いわゆるブランド品、特産品ということであります。山田錦は全国的に多く栽培されている有名なお米で、県内では海老名の生産量が75トンと一番多くなります。新たに加わる特産品の山田錦もしくは海老名で今まで出荷量が多いイチゴもしくは花卉など、名産品がたくさん出てくるわけでありますけれども、この特産品とか名産品を市としてどのように活用していこうかというお考えがもしあれば、市長、お聞かせください。

◎市長(内野優) 私も承知しております。山田錦は北部のほうの田んぼに集中しておりますけれども、耕作者の皆さんとは時たま会っていますけれども、1回お会いをして、今後どういった方向があるのか、それを話していきたいと思っています。ほかの水稲と同じような形で、できることはやっていきたいというのがまず1点ございます。
 それから、花卉、イチゴについても、できるだけ……。私どもイチゴについては地産地消で直売もやっていますから、そういった面をPRしながら、いちご組合も今後どう出荷していくか、そういった問題も数々あると思いますので、やはり生産者の皆さんがどういう方向であるか、行政としてどういったタッチができるか、この辺が私ども地産地消あるいは農業の活性化の課題だと思っていますので、十分協議をしながらやっていきたいと思っています。

◆(久保田英賢 議員) ありがとうございます。ぜひお願いをしたいと思います。先ほどもお話ししました農外収益プラス農業収益で成り立っている海老名の都市農業であります。南のほうの農家の若手の方とお話をしましたら、自分たちがつくったものを表現できる場所をぜひ支援していただきたいと。農機具ないし、そういうもろもろの補助というものも大変ありがたいが、やはり自分たちがつくったものを表現できるような場所があると、またもっと頑張っていける、そのような話がありました。表現できるというのは、例えば自分たちがつくった作物などを消費者にダイレクトに届けられる場所や仕組みがほしい、そのようなことであります。例えば営農組合に併設した直売所であったり、もしくは西口がこれから開発される中でのアンテナショップであったり、実際にグリーンセンターだとか、寒川のほうのわいわい市なんていう場所に出荷される農家は、荒廃農地で新たに作付を始めたなどという話もありました。厚木の妻田にある大型の量販店にも海老名の数軒の農家が農作物を持っていって、そこで積極的に販売をされて、農業収益も上がっている、そんなお話もありました。もちろん今の農業従事者の方の世代間の是非はあると思いますが、次代を守る後継者たちはそういうことを非常に前向きに考えておりますが、重ねて市長、その辺のお考えはいかがでしょうか。

◎市長(内野優) いちご組合の出荷場所も古くなっておりまして、道路の拡幅計画が南伸道路でございます。いちご組合の皆さんにも、そこの場所でいいのか、あるいは別なところにつくって、直売所ではありませんけれども、そういった形でいいか。あるいは今後、先ほど経済環境部次長が答弁しましたけれども、3つの営農組合をつくって、それをどこで集約していくのだという問題があります。地域はいろいろ特色がありますけれども、営農組合が3つあっても、これだけの農地がありますけれども、やっぱり1つの営農組合を目指していくことが必要です。その拠点づくりも進める必要がある。そういった拠点をつくったときに、その拠点をどうやって活用していくか、これが1つの今後のテーマだと思っていますので、十分その辺を含めてやっていきたいと思っています。
 以上でございます。

◆(久保田英賢 議員) ありがとうございます。ぜひよろしくお願いをいたします。