平成29年6月13日【行政における視察のあり方】

2017-06-13

平成29年3月第1回定例会 29.06.13
「行政における視察のあり方」

◆ 久保田英賢 議員
  2番目は「行政における視察のあり方」についてです。
 議会では、他市の先進事例の調査、研究や、海老名市の政策、施策、事業の検証のため、行政視察を行っています。行政において、過去には近隣自治体と合同で視察を行っていたということですが、昨今では、行政改革の一環で縮小傾向と伺っております。地方創生の取り組みが各地で行われている中で、さまざまな特徴ある取り組みが行われております。情報社会の中でインターネットを使っての情報収集もありますが、我々が現地に行き、視察して感じることは百聞は一見にしかずであり、その地域に行って直接聞く話だからこそ、情熱を感じ、深く理解ができるものであります。行政課題が多様化している中で、総合計画の策定などにおいても、先進都市の調査、研究は必要なことと考えます。また、事業の取り組みの検証のためにも有効な手段だとも思います。現在、海老名市では、視察研修など、どのような取り組みをされているのか、伺います。 内野市長の明快なるご答弁をお願いして、この場からの質問といたします。

◎市長 内野優
 久保田英賢議員のご質問にお答えいたします。
 2番目の組織横断的な行政課題に対する取り組みについては、市民ニーズが多様化している中で、一元的に解決できない行政課題がございます。そういったことについては、組織横断的な取り組みが必要であると認識しております。これまでも政策会議やプロジェクトチームを設置するなど、多面的に対応を実施してきております。部の外に理事職や参事職を配置し、横断的課題に対応できるよう組織的に動いております。今後もさまざまな課題解決に向けて組織横断的な連携を図り、総合的かつ効果的な取り組みを進めてまいります。
2番目のうち職員の視察研修の実態につきましては市長室長から、2番目のうち組織横断的な行政課題に対する取り組みにつきましては財務部次長から答弁いたします。
 以上でございます。

○議長森下賢人 議員
 2番目のうち職員の視察研修の実態について市長室長。

◎市長室長 萩原圭一
  2番目の職員の視察研修の実態でございます。先進都市の調査、研究に係る取り組みといたしまして、平成25年度から先進都市調査・視察研修を実施しております。この事業は職員研修事業として実施しているもので、各部からの推薦をした10名の職員を2つのグループに分けまして、先進都市の視察を行いながら、これからの海老名市に有意義な施策を研究することを目的に現在実施しております。研修の職員は、主査、主任主事、主事級の中堅、若手職員が中心になってございます。みずからでテーマを決めて視察を行い、研究成果を報告する研修でございます。自分たちで課題解決に向けて考え行動する研修であり、海老名市にはない文化、歴史、考え方の違いを直接行って、自分たちの目で見て感じることで、職員としての視野が広がり、人材の育成につながるものと考えて実施しているところでございます。
 以上です。

○議長 森下賢人 議員
 2番目のうち組織横断的な行政課題に対する取り組みの詳細について財務部次長。

◎財務部次長 伊藤修
 2番目のうち組織横断的な行政課題に対する取り組みについての詳細でございます。近年の行政課題は、人口減少や少子・高齢化、働き方改革など多種多様化しております。このような中、市では、単独部署では解決できない行政課題に対しまして、庁内に横断的な組織を設置し、課題解決に向けて取り組んでいるところでございます。一例といたしましては、平成27年に海老名駅西口のまち開きに伴う交通対策を組織横断的に検討するため、庁内にプロジェクトチームを設置したところでございます。また、昨年度は、若者の定住促進事業の検討組織といたしましてプロジェクトチームを設置し、若者定住を目指した家賃補助制度や奨学金返還補助制度を創設したところでございます。さらに、効率的な行財政運営を進めるため、各部の次長で組織する行財政改革推進委員会を設置し、必要な事項を審議しているところでございます。今後も行政課題を的確に捉え、課題解決に向け、柔軟な対応に努めてまいります。
 以上でございます。

◆ 久保田英賢 議員
 次に「行政における視察のあり方」についてお伺いをしたいと思います。
 先ほどご答弁の中で、西口の対策に関してプロジェクトチームをつくられたり、定住促進のプロジェクトチームをつくって、家賃補助もしくは奨学金の返還補助の政策立案がされたということをお伺いしました。具体的にどんな形でそういうことをやられてきたのか、お伺いしたいと思います。

◎財務部次長 伊藤修
 横断的な行政課題に対する具体的な取り組みでございますけれども、先ほど申し上げました交通渋滞対策や若者定住促進に向けた取り組みにつきましては、海老名市プロジェクトチーム設置規程に基づくものでございまして、この規程の中には「既存の行政組織では対応することが困難な重要課題について問題解決、調査研究、計画策定等を行うため、臨時的に職員により構成されたプロジェクトチームを設置する」と定められているところでございます。近年の社会情勢や市民ニーズの複雑化、多様化などによりまして、既存の単独組織で取り組むのではなく、複数の部署が連携し、組織横断的な取り組みが求められることが多くなっていると認識しているところでございます。例えば地方創生では、人口減少対策や地域経済の活性化、また、雇用の確保など複数の視点で取り組むことが必要であるとともに、政策間の連携による相乗効果も求められているというところがございます。このように異なる複数の視点で取り組むことが重要であるという認識から、若者定住促進のプロジェクトチームでは、若者のニーズを的確に把握するために新採用職員もチームに加わって、議論に参加することによって施策の構築につなげるなど成果を上げているところでございます。今後も組織横断的な取り組みが求められる際には、プロジェクトチームの設置なども検討し、柔軟かつ機動的な対応に努めてまいります。
 以上でございます。

◆ 久保田英賢 議員
 そういう新採用の方々の新鮮な意見を取り入れてということで、ああいう事業ができてきたのかなと思うと、非常に有効なことだなと思います。
 今回、文教社会常任委員会で視察に行ってまいりました。大阪府大東市と京都府京都市を見てきたのですけれども、大東市では平成28年度の実績で1億3000万円の介護給付費を削減、そして、平成29年度では2億5000万円の削減予定だと言われています。これは、10年間ぐらいいろいろ取り組みをされてきた結果で、総合事業の実施による成果であります。詳細はまた視察報告会でご報告をしたいと思いますが、この説明の中で、大東市は市が100パーセントの出資で大東公民連携まちづくり事業株式会社を昨年の10月に設立したと言われています。社長は市長です。市が抱えるいろいろな課題に対して、公民連携の仕組みをつくって取り組んで、例えば先ほどの介護給付費の削減ノウハウなんていうのをこの会社でいろいろな自治体に売り込んだり、もしくは介護事業者なんかにも売り込んだりなんていうこともしています。
 もう1つは、京都市では、京都御池中学校・複合施設整備等事業を視察しました。PFIを使った事業で、小中一貫校であって、保育所もしくは通所介護施設、そしてにぎわい創出のためのイタリアンレストラン、宝石店、ベーカリーカフェなんていうのが同じ1つの施設の中に入っているものであります。教育においてもさまざまな効果を生んでいるとお聞きしました。東海市の健康寿命を延ばす取り組みに関しての紹介も前回行いましたが、全てに言えることは、1つの部の取り組みだけではなくて、やっぱり組織横断的にいろいろなことに取り組んで実施されています。
 大東公民連携まちづくり事業株式会社のモデルは、岩手県紫波町のオガールプロジェクトだとお聞きしました。そこに職員を約9カ月間、現地に行かせてノウハウを吸収させて、そういう事業を新たに立ち上げたということを聞きました。海老名市でも総合戦略をつくって、にぎわいとか魅力をつくっていこう。これは各部単独ではなかなか難しいものだと思っています。こういう他市の先進事例なんかを肌で感じて、そして刺激を受けて政策立案につなげればと思いますが、ご見解をお伺いします。

◎財務部次長 伊藤修
 ただいま岩手県紫波町のオガールプロジェクトの話題が出ましたけれども、現在全国的に注目を浴びている取り組みであると認識しております。補助金に頼らない公民連携、いわゆるPPPによるまちづくりを推進し、駅前の公有地にはホテルや体育館、また、音楽スタジオ、図書館、産直マルシェなどが入居する複合施設をオープンしまして、大変活況を呈していると聞いております。このプロジェクトにつきましては、公民連携によるまちづくりやハード面の面的整備、また、文化やスポーツとの連携、地産地消の取り組みなどが有機的に結びついておりまして、複数の行政目的に対して同時に取り組んでいる一例ではないかと考えております。海老名市と岩手県紫波町では立地条件や歴史的風土、また、人口や気候などが異なりまして、単純に比較することが難しいことは言うまでもございませんが、このような複数の政策間の連携などにつきまして、複数の視点から分析することは非常に重要ではないかと認識しているところでございます。他市の先行事例を視察することにつきましては、現地に行かなければ見ることができない情報、また、聞くことができないこともございますので、政策立案をする上では有効であると考えているところでございます。
 以上でございます。

◆ 久保田英賢 議員
 市長、市長は常々現地現場主義だと言われておりますし、多分庁内で一番各地のそういう情報をお持ちだと思います。海老名市は今、本当に各地から、誰が見てもうらやましがられるまちだと思いますけれども、10年先、20年先も魅力あるまちにしていくためには、やっぱり井の中のカワズではだめだと思います。そんな中で、全国のよい事例を現地まで見に行ったり、習得したノウハウをオリジナルの政策立案に役立てて、いろいろな事業を改正されていると思いますけれども、行政が現地をいろいろ見に行く。特に私は、次長とか、課長とか、係長とか、政策立案に携わる人たちがこういうものを見ていくべきだと思いますが、市長の見解をお伺いしたいと思います。

◎市長 内野優
 韓国の京畿道、東京都と同じ人口でありますけれども、1200万人のその地域は神奈川県と姉妹都市を結んでおります。今回、図書館の視察に知事以下、20名ほどいらっしゃいました。何でいらっしゃったのですかと聞いたら、神奈川県の紹介ですかと言ったら、はっきり申し上げて神奈川県は紹介していないそうです。向こう側がインターネットとかいろいろな情報を集めて、その中で全国的なものとして海老名市と、何件か調査をしたいという形でいらっしゃいました。私ははっきり申し上げて、そういった部分では、昔、財政的に大変厳しいとき等は、旅費とか宿泊費を削減すべきだというのがいっぱいあったのですね。インターネットの普及で、もうインターネットを見ればわかるではないかという意見もありました。しかしながら、インターネットで内容を見るとか、あるいはそういった新しい発見をすることも1つだと思いますが、それはきっかけであって、本当にその部分でノウハウを吸収するとか、やっぱり見てみないとわかりません。インターネットでは建物の大きさなんか、わかりませんから。そういった部分では、いわゆる職員の部分でも、はっきり申し上げて、そういった研修を大幅に認めていくという時代ではないかなと思っています。そうすることによって、今海老名は、議会の視察もそうでありますし、私どものほうにも窓口等で視察に来ている自治体の職員がいらっしゃいます。あるいはうちの職員が派遣で講演会にも行っています。そういった部分でいくと、ある程度注目をされている面がありますから、今度はこちらからいい部分について学ぶことも必要ではないかな。それがまた、まちが進化をする1つの糧になっていくだろうと思っています。
 以上であります。

◆ 久保田英賢 議員
 ありがとうございます。都市間競争ではない、共生だという話も市長はたまにされます。ただ、そうはいっても、自分たちのまちがより強いまちになっていかなければ、周りのまちに対しても優しくなれないというところはあると思いますので、ぜひ積極的に取り組んでいっていただきたいと思います。